あさひばし 平成28年12月号「動物園からの手紙」
11月、想定外の雪に翻弄される日々
冬期開園が始まり、まさかこのまま根雪にはならないだろうと思っていますが、日中雨が降っても夜中は凍結し、みぞれが降ったり雪が降ったりして3月みたいな天気です。本州や海外からのお客さんは当然夏靴で、園内のつるつる路面で動物を見るどころではなくなっています。
かといって、まだまだペンギンの散歩を始められるほどの根雪ではありません。「今日から始めます」と言える状況ではないので、散歩できる日はその日の都合でやろうかと話しています。そもそもペンギンの散歩はペンギンのために行っているのだから、できる日はやって、安定してできるようになったら公表すればいいと考えています。さてこの手紙が着く頃にはどうなっているでしょうか?
初めての雪にもかかわらずはしゃいでいるのは、今年生まれたアムールトラやユキヒョウ、レッサーパンダの子供たちです。やはり寒冷地系の動物たちは雪が似合います。
何かと話題の多い雄のキリンのゲンキ。閉園期間中に放飼場を仕切る改装をしました。これでゲンキも雌の結も運動不足になることなく別居できるようになりました。ゲンキは首を前に倒して結の後を追って歩いたり、方向転換したりすることがなくなり、前足を引きずることもなく、肩はいい状態を保っています。来年にはペアリングも考えていますが、そのときまでにゲンキには万全の状態になっていてほしいと思っています。
カバの旭子もまだ体は小さいですが、すっかり大人の体型になってきました。カバも来年にはペアリングかなと考えています。
とにかくこの雪がこのまま根雪になるようなことになると、記録的な出来事になるでしょう。冬には慣れているはずですが、想定外の雪には翻弄されます。除雪の契約や作業の手順…地球は僕たちに何かを訴えているのかなと、ふと感じた初冬になりました。