あさひばし 平成28年12月号「インタビュー UDレシピ本著者 下田昇兵さん」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2016年12月20日

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笑顔を励みにレシピを考案 発想力の料理人

下田昇兵さんは、脊髄小脳変性症(次第に体や言葉が不自由になる難病)と診断されながらも好きな料理に取り組み、今年8月にはレシピ本を出版しました。これまでの歩みや今後の夢を聞きました。

プロフィール

就労継続支援施設チーム紅蓮メンバー

昭和63年生まれ。レシピ考案の他、自身のレシピ本やグッズ販売、フェイスブックでの情報発信なども行っている。好きな食べ物は、鶏肉料理。「UDレシピ本」(税込500円)は書店等で販売中

17歳で病名告知 心を支えた料理作り

本のタイトルは「UDレシピ本」。UDとは「Universal Design(ユニバーサルデザイン)」の頭文字で、年齢や障害の有無などに関わらず、全ての人に使いやすく設計されていることを示します。レシピ本には火を使わず、電子レンジや炊飯器で安全に作れる蒸し鶏料理や豆腐丼、イカめしなど30品のメニューが紹介されています。

子供の頃の下田さんは、自ら「やんちゃだった」というほど元気で、剣道に打ち込んでいました。料理を作るのも好きで、高校生になると飲食店でのアルバイトを開始。厨房で腕を振るい、将来は調理師になろうと考えていました。

しかし、高校2年生のときに病気が判明し、深く落ち込み、学校を中退。心の支えに料理だけは続けていましたが、5年前、医師から「火を扱うのは危険」と言われ、やめざるを得ない状況に。それでも下田さんは諦めませんでした。そして、その強い気持ちが、火を使わない調理法とレシピの発想につながりました。

あふれるアイデア 目指すは、2冊目の出版

初めて電子レンジで作ったのは、シュウマイ。食べた人の笑顔を見て、改めて料理の楽しさを感じた下田さんは、次々にレシピを考案していきました。どれも「おいしい」、「作りやすい」と好評だったことから、所属する就労継続支援施設チーム紅蓮や旭川印刷製本工業協同組合の後押しでレシピ本の出版を計画。資金を集めるため、クラウドファンディング(インターネット上で出資を募ること)を行ったところ多くの人の共感を呼び、出版が実現しました。下田さんは、出来上がった本を手にしたとき「ついにやった」との思いに満たされたと語ります。

現在、下田さんは病気の進行により、文字盤を指す方法で仲間と会話をしながら試作を続けています。最近、好評だったのは、粒マスタードを加えたポテトサラダ。次の出版を目指し、熱い思いと豊かな発想力で新しいレシピを生み出しています。

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