あさひばし 平成28年4月号「動物園からの手紙」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2016年4月15日

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北海道の自然の象徴 シマフクロウ

シマフクロウの写真

さっき、越冬していたタテハチョウが太陽の光を浴びて飛んでいました。春はすぐそこです。3月は、レッサーパンダの雌のロンロンが栃木県の那須どうぶつ王国に旅立ちました。そして、シマフクロウの雌のロックが釧路市動物園に帰り、替わりにロロ(雄・写真左)とモコのペアが来ました。シマフクロウは日本では北海道だけに生息し、たった150羽程度しかいない絶滅危惧種です。生息地での保全活動(域内保全)とは別に、飼育下での遺伝子プール(繁殖可能な集団)をつくっておかないといけない(域外保全)段階との判断があり、釧路市動物園に加えて、旭山動物園と円山動物園でも飼育繁殖を目指すこととなり、釧路市動物園で繁殖したロックが平成24年に来園しました。しかし、ロックとペアを組める雄個体が見つからず、今回の移動となりました。
ロロは釧路市動物園生まれですが、モコは野生の保護個体です。右目が失明しており、野生復帰不可能と判断されました。ロロとモコは、まだ鳴き交わしや産卵には至っていない状態です。雄の一声に、雌が二声で答える鳴き交わしは、背筋に電気が走るくらい気高く森に響き渡ります。まさにコタンコロカムイ(村を守る神)を感じます。その神を、私たちは追い詰めてしまいました。シマフクロウは魚を食べますが、川と川をつなぐ森はとうの昔になくなり、シマフクロウは水系ごとに閉じ込められて3世代にわたる近親交配も起きています。
シマフクロウは地上最大級のフクロウで、その動きは驚くほど鈍重です。羽音はするし、川の中の魚を見つけるとばしゃっと脚から飛び込み、決して優雅とはいえません。知床では、夜になると河口に下ってきて、海岸の岩場で魚を捕っています。知れば知るほど、豊かで大らかな北海道の自然の象徴のような鳥です。
ロロとモコが命をつなぎ、将来にわたってシマフクロウが暮らせる北海道であり続けたいものです。

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