あさひばし 平成28年3月号「平成28年度『市政方針』」
平成28年度「市政方針」~「世界にきらめく いきいき旭川」の実現に向けて
西川市長は、2月26日に市議会第1回定例会で平成28年度の市政方針演説を行いました。ここでは、演説の内容を要約して紹介します。
はじめに
私は市長就任以来、市民の安全や安心、健康、子育て、教育、産業、環境など様々な分野の課題に正面から向き合い、市政運営を進めてきました。また、まちのさらなる発展のためには「ヒト」や「モノ」の流れを活発にして地域経済の活性化につなげることが必要と考え、企業誘致や地場産品の販路拡大、国際線の定期便等の就航に向けた取組み、国内外への観光プロモーションなどを積極的に行ってきました。
こうした中で、旭川空港の国際線利用者が年間20万人に迫るとともに、今年度の外国人の市内宿泊延べ数が、過去最高となる15万泊の見通しとなりました。このような動きは、改めて旭川の魅力や可能性を認識させるものであり、その一つ一つをさらに開花させていくことが、地方創生への活路として大きな意義を持つと考えています。
今年は、第8次総合計画のスタートの年であり、私が市長に就任して10年という節目の年でもあります。旭川の地域資源や魅力を一層磨き、拠点性を最大限に発揮しながら様々な可能性に果敢に挑戦し、目指す都市像「世界にきらめく いきいき旭川〜笑顔と自然あふれる 北の拠点〜」の実現に向けた取組みを力強く進めていきます。
平成28年度 市政運営の基本的な考え方
急速に進む少子高齢化・人口減少や地域経済の低迷など、課題が山積する中でも、誰もが愛着と誇りを持ち、学び、働き、そして活力ある地域経済のもと豊かに暮らし、子供を安心して生み育てられるまちをつくり、北北海道全体をけん引できる旭川にならなければなりません。
そのため、第8次総合計画の重点テーマ「こども」・「しごと」・「地域」に関する施策を重点的に推進するとともに、総合戦略や公約の実現を通して、人口減少の抑制や魅力的な地域づくりに取り組んでいきます。
- こども 生き生き 未来づくり
人口減少が見込まれる中では、結婚や妊娠、出産、子育てなどへの切れ目のない支援を進め、子供を安心して生み育てることのできる環境を整備していくことが必要です。
また、今年度策定した教育大綱に基づき、次代の担い手が生き生きと学ぶ教育や、子供の成長を支える環境づくりなどに向けて、総合的な施策の推進を図ることが重要です。
- しごと 活き活き 賑わいづくり
活力ある地域経済を展開するため、ものづくりや食品関連産業などで、地域の特性や資源を生かした付加価値の向上に努め、国内外に積極的に販路を拡大するとともに、地域の医療や福祉などの都市機能を生かし、若者や女性、シニア世代も活躍できる環境づくりを進めていかなければなりません。また、交流人口の増加や移住・定住を促進していくためには、旭川をはじめとした北北海道の魅力を、国内外へ積極的に発信していく必要があります。
農業では、農業者の減少と高齢化などによる労働力不足といった課題を抱え、さらにTPPによる影響が懸念される中、新規就農者の確保など担い手対策を進めるとともに、生産性や付加価値の向上を図り、農産物の販路が国外へも広がるよう、成長させていかなければなりません。
- 地域 いきいき 温もりづくり
市民が安心して、いきいきと暮らすためには、防犯や防災、交通安全、子育て、福祉、環境など様々な分野で地域の方々自らが課題を見つけ、協力し合いながら解決していくことのできる地域社会を築くことが重要であり、そうした主体的な取組みを育んでいく必要があります。
(主な内容は「市政方針演説で説明した主要施策の一部」を参照)
むすび
今年は、日本プロ野球史上初の300勝という大記録を達成したヴィクトル・スタルヒン投手の生誕100年を迎えます。その偉業は、様々な苦難を乗り越え、勝利に向かって粘り強くチャレンジし続けた結果、成し得たものです。旭川は今、多くの課題を抱えていますが、スタルヒンのように、将来を切り拓く強い心を持って課題に立ち向かい、まちを発展させ、次代にしっかりと引き継いでいかなければなりません。
昨年6月に「北彩都あさひかわ」が国の都市景観大賞の最高位を受賞しました。長い年月をかけて、市民をはじめ、関係する団体など多くの方々の理解や協力があったからこそ受賞できたものです。私が何より素晴らしいと感じているのは、北彩都ガーデンが、その魅力に共鳴していただいた多くの市民の方々の手で育てられ、市民によるまちづくりがさらに広がってきていることです。市民が共感し、共につくり上げるまちには、愛着と誇りが生まれ、旭川を一層魅力あるまちへと発展させる大きな力があると信じています。
昨年、子ども議会を開催し、市民の暮らしや旭川の将来について意見をいただきました。子供たちの眼差しには未来への希望が満ちあふれ、このまちを真剣に考えるその姿は私に大きな勇気を与えてくれました。
旭川の未来を考えたとき、庁舎建設は先延ばしにできない課題ですが、多くの方々の理解や協力を得ながら、基本構想を策定する段階にまで至ることができました。今後も対話を重ね、市民に親しまれる庁舎を造り、そして市民の信頼に応え、未来のまちづくりをしっかりと支えることのできる市役所を目指していきます。
楽しく遊び回る子供たち、夢や希望にあふれた若者、生きがいを持ちながらいつまでも元気な高齢者、誰もが笑顔にあふれ、輝き、訪れる人々をも魅了するまち、世界にきらめく旭川を、今後も市民の皆様と共に築いていく決意です。
市政方針演説で説明した主要施策の一部
こども 生き生き 未来づくり
- 子ども総合相談センター設置による、子育ての相談窓口の一元化
- 子供の医療費助成の拡大
- 私立認可保育所の建設支援や、留守家庭児童会の新設
- 中軽度の難聴児に対する補聴器購入費の助成
- 公立大学の設置に向けた検討
しごと 活き活き 賑わいづくり
- 若者の地元定着促進に向けた、地元企業に就職した大学卒業者等に対する奨学金返済の補助
- 農作業の省力化や高精度化に向けた、GPS技術導入・活用の支援
- 市内企業の製品等の、海外市場進出への支援
- 旭川への移住を希望する、元気な高齢者の受入れ環境等の調査
- スポーツやレクリエーションに取り組む機会の充実
- 旭川空港のグランドハンドリング(航空機発着に伴う地上業務)体制強化の支援
地域 いきいき 温もりづくり
- 地域まちづくり推進協議会の活動の支援
- 緑が丘地域複合コミュニティ施設(仮称)の整備
その他の取組み
- 手話条例の制定
- 融雪槽設置補助の対象拡大
- 合葬式施設の建設に向けた取組みの推進
- 新庁舎建設に向けた取組みの推進