「読みもの」のページ どんぐりが木になるまで

情報発信元 工芸センター

最終更新日 2016年2月24日

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どんぐりが木になるまで

たね

どんぐりを分解した写真

どんぐりは、「たね」です。どんぐりを分解(ぶんかい)してみると、中身が二つに割(わ)れています。実は、これはふたば、すなわち子葉(しよう)なんですよ。
みなさんが食べる栗(くり)やピーナッツも、中身が二つに割れますよね。これもそうなんです。
どんぐりや栗は、子葉に養分(ようぶん)を貯(た)めて、めばえの時を待っているんです。

めばえ

ミズナラのどんぐりは、乾燥(かんそう)に弱く、ある程度、土にうまっていないと芽(め)を出すことができません。自然の中では、りすなどが、秋の間に、冬に備(そな)えてどんぐりを土の中にたくわえます。
それらの中のほり出し忘(わす)れたものが、春に芽を出すことができます。
でも、アサガオのようにふたば(子葉)は地上に出ません。養分タンクとして働き、すぐに本葉が地上に出ます。きりかぶ(解説) 北海道の森では、どんぐりをたくわえるのは、エゾリス、シマリス、エゾアカネズミ、ミヤマカケスなどの動物です。

ミズナラの赤ちゃん

無事(ぶじ)にめばえたどんぐり、つまりミズナラの赤ちゃんは、適度(てきど)に湿(しめ)った日当たりのよいところでないと大きくなれません。
大きな親の近くでは、光が足りなくて、大きく育てないのです。

ひよこ(解説)

だから、どんぐりを動物に運んでもらうんだね。


 

きりかぶ(解説)

自然の中では、老木がたおれた後など、ぽっかりと日差しが入りこむようなところができると、ぐんぐん大きくなります。

大きくなぁれ

ミズナラの雑木林

ミズナラは明るいところを好むため、北海道では、一度森が伐採(ばっさい)されたあとなどに、二次林(にじりん)として林をつくることが多いのです。
例えば、50年から60年頃前に、薪(まき)をとるため、伐採(ばっさい)された後に生まれた木が、現在、若(わか)い雑木林(ぞうきばやし)をつくっています。木の中では割(わり)と早くに林をつくる種類と言えます。
でも、りっぱな家具を作れるような板を十分に取れるほど成長するまでには、150年ほどかかると思われます。

きりかぶ(解説)生育環境にもよりますが、ミズナラは1年間に5ミリメートルぐらいずつ太くなります。だから、80年かかって、やっと幅30センチメートルぐらいの板がとれるようになります。

だいじにしなくちゃ

1本の木でも、いろんな生き物や環境が関わりあって育っていきます。たくさんの動物や植物など生き物との関わり、日当たりや水分のような環境との関わり、そしてもちろん人間との関わりがあります。
当たり前ですが、木の年輪1本には1年の歳月が詰まっています。木目は木の育ってきたあかしです。だから、同じ種類でも、木目が異なったり、色が異なったりすることがあるのです。

かえる(解説)現在は、大きな板を取れるような太い木はもちろん、道産材そのものも大変少なくなっています。そんななかで、家具の材料となる木の植林を行う活動も始まっています。

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