ヒグマの痕跡の例
ヒグマの足跡
鮮明なヒグマの足跡は肉球と爪の跡が見られます。足幅は大型のもので18cm、小型でも10cm程あります。縦長な跡が後足、縦に短い跡が前足です。農耕地の足跡は土が乾いていると肉球跡が残らない場合が多く、鹿の足跡と判別しにくいことがあります。
泥を踏んだ後道路上を歩いた跡 ダム底を歩いた跡(爪の跡がくっきり残る)
雪上を歩いた跡 農耕地を歩いた跡(土が乾燥し爪や肉球の跡が残りにくい)
石灰を踏んだ後に歩いた跡 校庭に出没した際に残された足跡
ヒグマの糞(ふん)
ヒグマは食べたものが消化されずに糞になることが多く、植物の繊維や種、果肉などが含まれています。
コーンを食べた糞 コーンの茎を食べた糞(繊維質(右上)が未消化)
山ぶどうを食べた糞(雨で一部が流失) クルミを食べた糞(茶色い破片はクルミの殻)
農作物を食害した跡
ヒグマの食害は鹿やアライグマと比べて、農作物の茎ごと倒す、一度に食べる規模が大きいといった特徴があります。果樹の食害の場合、木の太い枝が折られていたりします。食害跡の近くには足跡や通り道の痕跡が残っています。
果樹の食害跡(木の上の果樹を引き寄せた際に枝が折られた)
山林等で見られるその他の痕跡
ヒグマが歩いた跡は草が倒れて道のようになります。人の通路と誤解して入るとヒグマと出くわす恐れがあるので注意しましょう。
ヒグマが寝た跡(丸い形で草が倒れている) ヒグマの通行跡(奥に向かって草が倒れている)
ヒグマが木に爪を立てた跡(鹿が角を研いだ跡と似ている)
ヒグマの姿
食害現場や山林のカメラに夜間に写ったヒグマの姿です。
人への警戒心が薄い個体は日中に人里付近に現れることがあるので注意しましょう。