家庭ごみスリム化セミナーを開催しました
家庭ごみスリム化セミナーを開催しました
10月19日(水曜日)に環境部クリーンセンター主催の「家庭ごみスリム化セミナー」を開催しました。
当日は約50名の市民の皆様にお集まりいただき、高校生が取り組んだ落ち葉の腐葉土作りや、ごみを集める側からみた旭川の家庭ごみの現状などについて講演が行われました。
講演の内容
第1部 「落ち葉から出来る腐葉土づくり」 講師:北海道旭川農業高等学校 生徒の皆さん
第1部では、北海道旭川農業高等学校生活科学科 草花交流班の皆さんより、落ち葉の腐葉土作りの取組と、現在取組んでいるガーデンデザインやオーガニックフラワーの栽培などの活動について発表していただきました。
旭川農業高等学校の皆さん
草花交流班では、減少する草花の需要拡大を目的に「プリザーブドフラワーの研究」と「ガーデンデザイン」の二つの柱を設定して学習に取り組まれています。
プリザーブドフラワーとは、生花の水分を一旦抜き、保存液を吸わせてから乾燥させたもので、ドライフラワーと違い、しなやかでありながら、長期間美しさを保てる特徴があります。
花で農業の6次産業化をめざした学習として、バラなどの生産からプリザーブドフラワーへの加工、アレンジ、販売までを手掛け、農家への導入の可能性を研究されています。
もう一本の柱であるガーデンデザインでは、出来る限り自然なもので草花の栽培を行う、ナチュラルフラワー、オーガニックガーデンをテーマに取組まれています。
発表の様子
アレルギーなどが原因で花が好きでも触れることが出来ない方のために、化学肥料や農薬を使用しない、米ぬかなどの自然の素材を利用した落ち葉腐葉土づくりや、それを活用したオーガニックフラワーの栽培などについて紹介がされました。
その他にも、昨年取組まれていたミミズを使った落ち葉腐葉土づくりの成果発表や、食べられる花「エディブルフラワー」の栽培などについても紹介され、大変充実した内容となりました。
今回の発表では、落ち葉を利用した腐葉土づくりが単なるごみの減量化だけではなく、安心・安全な草花や作物の成長に貢献し、そのことが多くの人々に楽しみや安らぎを与える事を感じられる発表となりました。
第2部 「許可業者視点でのごみのリサイクルについて」 講師:安田清掃有限会社 代表取締役 安田 志津吉さん
第2部では、安田清掃有限会社 代表取締役 安田 志津吉さんより、旭川市の一般廃棄物処理の歴史や、家庭ごみの収集運搬・中間処理に携わる側の視点から、ごみの分別の現状や問題点について講演していただきました。
安田 志津吉 氏
安田清掃さんは昭和52年に一般廃棄物の収集運搬許可を取得後、主に行政関係のごみの処理を手掛ける一方、紙類や金属類の資源化を行うなど、当時としては先進的な取組を行っていました。
昭和59年には事業系廃棄物の自己処理が始まり、それまで市が無料で処理していた物が、許可業者等との契約による有料での処理となりました。
当時は有料化に対する反発の中、市の職員が全市の事業所を回って粘り強く説明を続けたことで、現在の事業系廃棄物処理体制が形作られていったと語られました。
一方で家庭ごみに目を向けると、昭和57年に家庭ごみ収集の一部で民間委託が実施され、その後旭、ごみの減量と資源化を目的に平成8年から家庭ごみの5分別収集を開始し、徐々に分別品目を増やしてきたため、安田清掃さんも平成16年から市の収集委託業者として家庭ごみの収集運搬業務に従事されています。
家庭ごみの収集では、多いときは1日に約240か所のごみステーションを回り、作業中に万歩計を付けると、1日に18,000歩くらい歩くこともある大変な作業であることや、収集時にはガス缶やライターが原因の火災事故等も多く発生している危険な作業であることにも触れられ、しっかりと分別することで、こうした事故を未然に防げることを知って欲しいと話されました。
また安田清掃さんは、紙製・プラスチック製容器包装の中間処理施設を運営にも携わっており、施設に搬入される不適物についてもお話しがありました。
中間処理施設ではごみの選別を全て手作業で行っており、特に最近は自己注射用の針などの混入による針刺し事故や、電池・バッテリー類などが原因の火災など人命に関わる事故が発生しており、改めて家庭での分別の徹底を呼びかけていました。
今回の講演では、私たちが「これ位なら大丈夫」という気持ちで分別を疎かにすることが、ごみの減量や資源化の妨げになるだけではなく、作業される方の命にも関わる危険性を秘めていることや、ごみの分別の重要性について改めて認識させられる内容となりました。