個人市民税の課税の特例
課税の特例
市・道民税の所得割は、各種所得金額を合計して税額を計算する総合課税を原則としていますが、退職所得や土地、建物の譲渡所得などについては、他の所得と区分して分離課税の方法により課税する特例が設けられています。
退職所得に係る課税の特例
退職所得の所得割額は、他の所得と分離して次のとおり計算され、所得税と同様に退職金などの支払を受けるときに支払者のもとで差し引かれることになります。
なお、納入先は、退職した年の1月1日現在の住所地の市町村です。
所得割額 =(退職所得等の収入金額 - 退職所得控除額)× 2分の1 × 税率(10%)
(注意1)勤続年数5年以内の法人役員等の退職金については、2分の1を乗じる措置を講じずに計算します。
(注意2)税率(10%)の内訳は、市民税が6%、道民税が4%となっています。
(注意3)令和4年1月1日以降に支払を受けるべき退職手当のうち、「短期退職手当等」(勤続5年以下)に該当し「収入金額ー退職所得控除額」が300万円を超える場合は以下のとおり
所得割額 ={300万円 × 2分の1 +(退職所得等の収入金額ー (300万円+退職所得控除額))}×税率(10%)
退職所得控除額
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下の場合 |
40万円 × 勤続年数 ただし、80万円に満たない場合は、80万円 |
20年を超える場合 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数ー20年) |
(注意1)勤続年数に1年未満の端数があるときは、これを切り上げます。
(注意2)障害者になったことにより退職した場合には、上の表で算出した控除額に100万円を加算した金額が控除されます。
(注意3)死亡により支払われる退職金は相続税の対象となりますので、住民税は課税されません。
土地、建物の譲渡所得に係る課税の特例
個人が土地や建物を売ったときは、他の所得と分離して税額の計算を行います。
土地や建物を譲渡した年の1月1日現在における所有期間により、長期譲渡所得と短期譲渡所得に区分されます。
長期譲渡所得 | 所有期間が5年を超えるものの譲渡に係る所得 |
---|---|
短期譲渡所得 | 所有期間が5年以下のものの譲渡に係る所得 |
土地、建物に係る譲渡所得の所得割額は、それぞれ次の算式により計算します。
所得割額 =(譲渡の収入金額-取得費・譲渡費-特別控除額)× 税率
(注意)上記算式の「譲渡の収入金額-取得費・譲渡費-特別控除額」で計算された金額を「課税譲渡所得金額」といいます。
特別控除額
土地、建物などの譲渡があった場合、一定の要件に基づいて次のような特別控除額が差し引かれる特例があります。
ただし、5,000万円が特別控除額の最高限度額となります。
譲渡の内容 | 特別控除額 |
---|---|
収用事業等のために土地や建物を譲渡した場合 | 5,000万円 |
自分が住んでいる建物やその土地を譲渡した場合 | 3,000万円 |
特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合 | 2,000万円 |
特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合 | 1,500万円 |
平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得した土地を5年を超えて保有して譲渡した場合 | 1,000万円 |
農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合 | 800万円 |
(注意)均等割は、上記の特別控除額を差し引く前の所得で算定します。
税率
課税譲渡所得金額(これを「A」とします。)により、次の税率が適用されます。
(以下の表は、音声読み上げに対応してませんので、ご了承ください。)
区分 | 所得税 | 市民税 | 道民税 | |
---|---|---|---|---|
一般の譲渡 | 15.0% | 3.0% | 2.0% | |
優良住宅地の造成等のための譲渡 | Aが 2千万円以下 |
10.0% | 2.4% | 1.6% |
Aが 2千万円超 |
A×15.0%-100万円 |
A×3.0%-12万円 | A×2.0%-8万円 | |
所有期間10年超の居住用財産の譲渡 | Aが 6千万円以下 |
10.0% | 2.4% | 1.6% |
Aが 6千万円超 |
A×15.0%-300万円 | A×3.0%-36万円 | A×2.0%-24万円 |
(注意)「優良住宅地の造成等のための譲渡」の特例措置は、平成28年12月31日までに譲渡した土地等に限り適用されます。
区分 | 所得税 | 市民税 | 道民税 |
---|---|---|---|
一般の譲渡 | 30.0% | 5.4% | 3.6% |
国、地方公共団体への譲渡 | 15.0% | 3.0% | 2.0% |
(注意)長期譲渡所得及び短期譲渡所得に課される所得税については、平成25年から令和19年まで復興特別所得税として、各年分の基準所得税額(原則として、その年分の所得税額)に2.1%の税率を乗じた額が上乗せされます。
株式等に係る譲渡所得等に係る課税の特例
株式等の譲渡所得の所得割額は、次の算式により税額を計算します。
所得割額 =(収入金額-取得・譲渡費用)× 税率
(注意1)上記算式の「収入金額-取得・譲渡費用」で計算された金額を「譲渡所得等の金額」といいます。
(注意2)一定の要件に当てはまる特定投資株式に係る譲渡所得等の金額は、上記算式によって求められてた額の2分の1になります。
株式等に係る譲渡所得の税率
区分 | 所得税 | 市民税 | 道民税 |
---|---|---|---|
上場株式等 | 15.0% | 3.0% | 2.0% |
一般株式等 | 15.0% | 3.0% | 2.0% |
(注意1)平成21年1月1日から平成25年12月31日までに行われた譲渡については、上記の税率とは異なる税率が適用となります。
(注意2)平成25年から令和19年まで復興特別所得税として、各年分の基準所得税額(原則として、その年分の所得税額)に2.1%の税率を乗じた額が上乗せされます。
源泉徴収を選択した特定口座内の上場株式等については、証券会社等が売却代金の支払の際に株式等譲渡所得割を徴収して北海道に納めることとなりますので、通常は申告は不要です。(北海道に納められた株式等譲渡所得割のうちの一部が市町村に交付されます。)
なお、上場株式等に係る譲渡所得等を有する方が所得控除等の適用を受けるために申告する場合には、翌年度に分離課税の対象となり、徴収された株式等譲渡所得割は、市・道民税の所得割額から控除 (引ききれない場合は均等割額へ充当し、なお残額がある場合は還付)されます。ただし、上場株式等に係る譲渡所得等の金額は合計所得金額に含まれることになるため、その所得を有する方が他の納税義務者の扶養親族として扶養控除の適用を受けられなくなる場合があります。
令和3年分以降の確定申告で申告する上場株式等の譲渡所得等の全部について、市民税・道民税において申告不要とする場合に、原則として確定申告書に申告不要の旨記入することで手続きが完了するようになりました。(令和4年1月1日以降に提出する場合に適用されます。)
※上場株式等に係る譲渡所得等の一部について所得税とは異なる課税方法(申告不要、申告分離課税)を選択する場合は、納税通知書が送達される日までに、確定申告書とは別に市民税・道民税申告書を提出してください。
上場株式等に係る配当所得に係る課税の特例
上場株式等に係る配当所得に係る市・道民税については配当割として徴収されることになっており、通常は申告不要ですが、申告する場合には、翌年度に他の所得と合算して課税される総合課税と他の所得と区分して課税される申告分離課税とのいずれかを選択することができます。(平成21年1月1日以後に支払を受けるべき上場株式等の配当等に限る。)。
申告分離課税を選択した場合は、配当控除の適用を受けることはできませんが、前年分の上場株式等の譲渡損失又は前年前から繰り越された上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当所得の間で損益通算することができます。
ただし、総合課税と申告分離課税のうち、いずれを選んだ場合でも申告により上場株式等に係る配当所得金額は合計所得金額に含まれることとなるため、その所得を有する方が他の納税義務者の扶養親族として扶養控除の適用を受けられなくなる場合があります。
令和3年分以降の確定申告で申告する上場株式等の配当所得等の全部について、市民税・道民税において申告不要とする場合に、原則として確定申告書に申告不要の旨記入することで手続きが完了するようになりました。(令和4年1月1日以降に提出する場合に適用されます。)
※上場株式等に係る配当所得等の一部について所得税とは異なる課税方法(申告不要、申告分離課税)を選択する場合は、納税通知書が送達される日までに、確定申告書とは別に市民税・道民税申告書を提出してください。
上場株式等の配当所得に係る課税関係
区分 |
確定申告をして 総合課税を選択 |
確定申告をして 申告分離課税を選択 |
確定申告をしない (確定申告不要制度適用) |
|
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借入金利子の控除 | あり | あり | なし | |
所得税の税率 | 超過累進課税 | 15.0% | 15.0% | |
市・道民税の税率 | 10.0% | 5.0% | 5.0% | |
配当控除 | あり | なし | なし | |
上場株式等の譲渡損失との損益通算 | なし | あり | なし | |
扶養控除等の判定 |
合計所得金額に 含まれる |
合計所得金額に 含まれる |
合計所得金額に 含まれない |
(注意1)平成25年から令和19年まで復興特別所得税として、各年分の基準所得税額(原則として、その年分の所得税額)に2.1%の税率を乗じた額が上乗せされます。
(注意2)合計所得金額は、上場株式等に係る譲渡損失と申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得との損益通算の特例の適用を受けている場合にはその適用後の金額となり、また、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用を受けている場合にはその適用前の金額となります。
先物取引に係る雑所得に係る課税の特例
先物取引に係る雑所得の所得割額は、次の算式により税額を計算します。
所得割額 =(収入金額 - 委託料その他経費)× 税率
先物取引に係る雑所得の税率
所得税 | 市民税 | 道民税 |
---|---|---|
15.0% | 3.0% | 2.0% |
(注意)平成25年から令和19年まで復興特別所得税として、各年分の基準所得税額(原則として、その年分の所得税額)に2.1%の税率を乗じた額が上乗せされます。
申告書・申請書等について
個人市民税に関する一部の申告書、申請書等は、「申請書等ダウンロード」ページからダウンロードできますので、ご利用ください。
お問い合わせ先
旭川市税務部市民税課個人第1係・第2係
〒070-8525 旭川市7条通9丁目48番地 旭川市総合庁舎3階(税3番窓口)
電話番号: 0166-25-5786 |
ファクス番号: 0166-27-2146(税制課共通) |
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