まちづくり基本条例素案 市民説明会 開催結果
旭川市まちづくり基本条例 素案 市民説明会
漫画家・旭川観光大使の本庄敬さんと一緒に旭川のまちづくりについて楽しく考えよう。
マンガで語ろう!旭川の魅力を開催しました。
- 演題「北海道出身漫画描きが想う旭川というまち」
- 講師 本庄 敬 さん(漫画家・旭川観光大使)
平成25年11月26日に開催しました市民説明会では、第1部で市が作成した条例(素案)の内容についての説明を行いました。
第2部では、旭山動物園など旭川市を舞台にした作品を執筆され、旭川の地域資源(魅力)を熟知している漫画家の本庄敬さんをお招きし、市外から見た旭川の魅力についてお話いただきました。
日時
平成25年11月26日(火曜日)午後6時から午後7時35分
場所
旭川市民文化会館 小ホール
(旭川市7条通9丁目)
参加費
参加無料
参加者
160名
主催
旭川市
プログラム
- 午後6時 主催者挨拶
- 午後6時10分
(第1部)
旭川市まちづくり基本条例(素案)内容説明 - 午後6時20分
(第2部)講演会
講師 本庄 敬さん(漫画家・旭川観光大使)
演題 「北海道出身漫画描きが想う旭川というまち」 - 午後7時35分 終演
開催結果(詳細)
主催者挨拶 旭川市長 西川 将人
まちづくり基本条例については、これまで市役所の若手職員によるワーキンググル-プ、学識経験者や公募市民による検討会議において、まちづくりの方向性や仕組みについて熱心に議論していただき、その結果を市に報告いただいています。
また、私自身も各地域でのまちづくり対話集会において市民の皆様方から御意見をいただいてきました。
素案が出来てからは、市内12か所で地域説明会を開催してきました。また、本日の市民説明会では、旭川への想いや、まちの将来に向けた考え方、課題解決について、ヒントとなる場になればと考えています。
本日は、通常のフォーラムとは異なり、「マンガ」を切り口としており、漫画家の本庄敬先生をお招きしています。本庄先生は北海道出身で、旭川市とも色々な御縁があって「旭山動物園物語」をお描きになられ、またその後、観光大使にも就任していただき、旭川のPRにも御尽力いただいています。
最近では「蒼太の包丁(旭川編)」を執筆いただきましたが、本当に旭川のこと、旭川の良さを良く知っていらっしゃる方です。マンガを通しての視点などから、本日は面白いお話がお聞きできる有意義なひとときになると思います。また、条例について皆様から御意見もいただければと思います。
(第1部) 条例素案についての説明
旭川市まちづくり基本条例素案意見提出手続説明資料及びスライドを使用し説明
(条例の検討経過、条例策定の背景、まちづくり基本条例とは何か、まちづくり基本条例の理念・原則、条例の構成、素案への意見提出手続などについて)
(第2部) 講演会
- 講師 本庄 敬さん(漫画家・旭川観光大使)
- 演題 「北海道出身漫画描きが想う旭川というまち」
講師プロフィール
本庄(ほんじょう)敬(けい)さん
- 昭和36年、北海道寿都郡寿都町生まれ。
- 昭和62年、週刊少年ジャンプ増刊号「北へ‐君の道‐」でデビュー。
- 平成19年4月、コミックチャージに「ASAHIYAMA‐旭山動物園物語」を掲載。
- 平成22年8月、旭川観光大使に就任。
- 平成23年10月から週刊漫画サンデーに10週にわたり「蒼太の包丁(旭川編)」を連載。
旭橋、買物公園、北の嵐山、スタルヒン球場など旭川市民にとっておなじみの場所が描かれ、地元の生産農家や料理に携わる市民が実名で登場しました。
要旨
寿の都と書く寿都町に高校まで住んでいた。親は舟を持たない漁師で、男は自分だけなのでいずれ一緒に漁師になると思っていたが、絵と漫画が大好きで漫画ばかり描いていた。寿都に住み漫画家になるというのは妄想でしかなかったが、努力と人との出会い、その人たちのおかげで妄想から夢に代わり、今漫画家になれた。
旭川との出会いは、6・7年前の「蒼太の包丁」の連載中に旭山動物園の話があり、それが出会いであった。
当時は寿都に帰るより旭川に来る方が多く、親からもどこの出身だと言われた。年に5・6回旭川に来て四季折々の旭山を見せてもらった。その時コンベンションの担当者と仲良くなり、また色々な面白い人、魅力的な人に会った。そのコンベンション担当者とのお酒の席で、「蒼太の包丁」で旭川を出せないかとの話があった。人とのと出会いから「旭川=人」というイメージが出来た。また漫画描きの性で、面白い人、興味深い人を作品の中に取り入れたくなる。そして原作者と編集者に相談したところ、それであればやってみるかということで実現した。
「蒼太の包丁」の取材でも色々な場所に行き、人に会った。やはり旭川は人だと思った。旭山は一時より訪れる人が減ったとはいえ、多くの人が訪れる。しかし街には寄らない。街に寄ってもらい旭川の人の良さを知ってもらうためには、まず住んでいる人が元気に楽しく、幸せに暮らしていることだと思う。そのためには活気が必要だと思う。
旭川にはたくさんの市民団体があると聞いた、いろいろな多様な団体がある。これらの団体に横の繋がりがあると大きな面白いことができる気がする。自分は最終的には動物・自然の漫画を描きたいがその前に地方のまちの話を描きたいと思っている。漫画描きは、妄想から入り、妄想にリアリティーを出すため勉強し、夢に変え、行動を起こし実現させる。まちづくりも同じ。この会場にいる方は、まちのことを考えている。問題はこのような場所に来ない方々にまちを、旭川を愛することをどのように伝えるか。例えば除雪車の操作の1等賞、建築現場の足場作りの1等賞、お菓子作りの1等賞を与える。それが励みになり、そしてまちを愛するようになる。このようなことも行政が行うのを待つばかりでなく、自分たちから発言し、行動する。こういったことが大事だと思う
全国には面白い取組をしているところがある。福井県鯖江市ではオープンデータということを行っている。市は色々な情報をホームページでオープンにし、市民は道路を補修してほしい箇所をデータで役所に送り迅速に対応するなどしている。また、信州の川上村では特産の高原野菜について、村内のケーブルテレビで野菜の市場価格を農家に知らせ、出荷時期を調整し収益につなげたり、村内のスクールバスを生徒以外の村民の足としても活用するなどいろいろな取組をしている。また、長野県下條村では、若者向け村営住宅を低家賃で貸出すことや医療費助成で子育て世帯が多く移り住み、「奇跡の村」と言われているらしい。この村はそもそも村道などの修復も資材を村民に提供し、村民たち力を合わせ自分たちで行うなど独自の取組を行っている。
全国でいろいろ行っているが皆やらない、なぜか。それは手間暇かかるから。しかし、その手間暇の先に何か良いものがあると思う。自分の漫画も同じ、蒼太の包丁旭川編も大変で休みなく頑張った、取材して好きになった人達を描いているので手が抜けない。でもその先には連載中人気が1番になった。何より描いた人達がとても喜んでくれた。手間暇かけた向こうには何かがある。
皆さんが行動を起こすことは、子供に種をまくことだと思う。その種はすぐには育たず、小学校・中学校もしかして二十歳過ぎてから芽生えるかもしれない。その種というのは旭川を愛するという種である。60歳、70歳過ぎてから芽生えるかもしれないが、種を撒かないと芽は出ない。その種は義務ではなく楽しい種、そうすることで何かが変わると思う。行政任せではなく自分たちで何かができる。行政まかせではなく自分たちで行わないといけない。そうしないと種を撒くことも人任せになる。
自分の好きな言葉にジョン・F・ケネディーの「国家に対して何をのぞむかよりも、自分が国家に何を奉仕できるか考えるべきだ」がある。とても好きで市民や町民も同じで、行政に何か望むのではなく、自分がその街で何ができるかを考えるべき。簡単な例でコンベンションの担当者が話していたことで、酒を飲む人は旭川の酒しか買わない、お中元を贈る時は、夕張メロンではなく地元産メロンを送る。こんなことを繰り返すだけで違うと思う。
以前、環境漫画を描いていた時に思ったことは、国々を集約したものは地球、市町村を集約したものは国、町内会を集約したものが市町村、町内会から家族、夫婦、そして個になる。ものを大きく見ても小さいものが見れないとダメだと思うし、ものを小さくばかり見てても大きく見れないとダメだと思う。どちらかの見方で良いのは若い時だけで、大人になると両方できないとダメだと思う。
旭川の人が好きだ。全盛期の旭山動物園に旭川の観光パンフレットがなかった。それを行政にけんか腰でなく言える、行政も上から目線でではなく一段下がって話し合える、そんな関係であれば行えることがたくさんある気がする。自分が第二のふるさとにした旭川です。素敵なまちにして下さい。住んでいる人が楽しめるまちにして下さい。そうすると人が来る。その人たちから何かを吸収しもっと楽しんで下さい。こんなことは夢や妄想かもしれない。しかし自分は妄想から漫画家になった。そして今も妄想で漫画を描いている。
本庄氏に対する質問
(質問者1)
先生の話を聞き、温かい気持ちになり、何かしなければという気持ちになった。ところで本庄さんが一番心揺さぶられた旭川出身の著名人は誰ですか。
(本庄氏)
やはり漫画家の五十嵐先生。お付き合いもある。
旭川にも若手の漫画家がいると思う。頑張ってと伝えてほしい。漫画は描かないと上手くならない。ものは動かす気が無いと動かない。動かさないと動かない。
条例素案に対する質問
(質問者2)
市役所はどのように変わっていくのか、どのように変わろうとしているのか。
(市)
以前は国や道から言われたことをやっていた面もあり、末端行政と言われていたこともある。しかし、今は地方分権の時代で、地方でできることは地方で、住民の一番身近な行政機関である市役所がしっかりしていかなければならない。末端から先端にという気持ちで取り組んでいる。市民の身近な、市民と一緒に仕事をするという考えになっている。本庄さんは地球から個へと話されていたが、条例ではひとから地域、まち、そして北北海道へと、旭川の良いところ、魅力をを外に発信し、まちが発展できるようにしていく行政にしていきたい。
(質問者3)
条例は抽象的なものである。孤独死や空き家問題など様々ある。規則や議会や市民の会議など、条例を具体性のあるものに作らないといけないと思うが。
(市)
御意見のとおりで、この条例は作って終わりではない。どのように実現させるかということに意義がある。では、どのように具体的に進めるかということだが、ここ数年、地域力の向上に力を入れているところ。地域の方と一緒に地域づくりに取り組んでいこうとしている。
また、来年度から旭川の新しい総合計画について検討していくが、その際には、この条例を踏まえ検討していくことになる。その過程においても、また市民の皆さんの意見を伺うことになるのでその際には御協力をお願いしたい。
(質問者3)
地域説明会を開催してきたとのこと。どのような質問が多かったのか。要望として、まちづくり協議会の成果を条例制定後、具体的施策に反映して欲しい。この条例より前に制定された条例についてどのように施策に活用し、また、検証したのか。この条例もより具体的に使われるようにして欲しい。
最後に持続可能なまちづくりの推進について今からきちんと考えて欲しい。
(市)
先ほどのお答えと同じかもしれないが、何のために条例を作るのかということについて、抽象的なものでなく、もっと具体的なものでなければだめではないかという意見が多かった。
まちづくり推進協議会については、現在、諮問機関との位置付けであるが、もっと実働する組織になっていければと考える。また、先行条例自体を検証することは行っていないが、この条例自体は検証を謳っている。最後の持続可能なまちづくりについては、本当に大事であると考えており、市民の方とも話し合いながら目指していきたい。