MRI
MRIってどんな検査?
MRIは、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging)の略称で、強い磁石と電波を使って体の断層像を撮る検査です。
MRIの原理は、まず強い磁気の中で、FMラジオに用いられる電波を患者さんの体に加えます。これにより、体内の水素原子が共鳴し、共鳴した水素原子から微弱な電波が発生します。 MR装置はこの微弱な電波を受信してコンピュータにより画像化する装置です。検査中は、大きな円筒形の磁石の中に入る必要があるため、狭い空間に入らなければならず、装置から連続的にトントントンという大きな音もしますが、安心して検査を受けてください。年間3,500人以上の患者さんがこの検査を受けています。
- MRA
Magnetic Resonance Angiographyの略称で、血管を観察するためのMRI検査です。検査後、専用のコンピュータによって血管のみを画像化(三次元画像)し、様々な方向からの血管の観察が可能となります。しかし、通常のMRIよりも薄い断層像を数多く必要とするため、多少時間がかかりますが、検査部位によっては造影剤を用いないで行うことも可能となるため身体にやさしい血管撮影です。
- MRCP
Magnetic Resonance cholangiopancreatographyの略称で、胆道や膵管を観察するためのMRI検査です。検査当日は絶食が必要となりますが、造影剤を必要としないため身体にやさしい検査です。

MRCP

頭部MRA
MRI検査の順序
- はじめに、担当の看護士さんから簡単な問診があります。
- 検査の際は、検査衣に着替えていただきます。また、身体に付いている金属も外していただきます。
- MRI装置の寝台に仰向けに寝ていただきます。検査中は大きな音がしますので、当院では耳栓を使用して頂いております。
- 担当の放射線技師が患者さんの位置を決め、検査が始まります。
- 撮影中は身体を動かさないでください。また、数回息を止めていただくことがあります。
- MRI装置には患者さん用のマイクがありますので、検査中でも静かなときは操作している技師に話しかけることが出来ます。
- 検査後は普通の生活が出来ます。
MRI検査の時間
- 検査時間は検査の種類によって違い、15分から40分程度です。部位や検査内容により延長することもあります。
造影剤について
- 検査の目的によっては造影剤を使用することがあります。造影剤を使用することによって血管や病巣がわかりやすくなり、より正確な診断が可能になります。
- MRIの造影剤はガドリニウム造影剤で腕の静脈から約5から20ミリリットルを注入します。その他、まれに副作用が生じる場合があります。副作用は極めて少ない薬ですが、検査中万一気分が悪くなった場合にはお知らせください。
- 症状は、発疹、吐き気、かゆみのような軽症のものから、ショックにいたるものまで様々あります。しかし、造影剤使用時は放射線科の担当医師が患者さんの状態を観察しており、副作用が生じたときにはすぐに適切な処置がとれるようにしております。
なお、次の項目に当てはまる場合は、造影剤を慎重に投与する、もしくは使用しないで検査することもありますので検査前にお知らせください。
- 以前に造影剤を使用して副作用を生じたことがある
- アレルギーがある
- 喘息(ぜんそく)がある
- 重症の肝臓疾患・腎臓疾患がある
まれですが、検査終了後、時間が経過してから副作用が生じることがあります。
何か異常があれば放射線科外来までご連絡ください。
注意事項
- 検査当日の食事は普通におとりください。絶食の必要があるときは予めお知らせ致します。
- 服用中のお薬は、医師からの指示がない限り通常通り服用してください。
- 次のような方は検査ができない場合もありますので、必ず事前にお知らせください。
- 心臓ペースメーカー、人工内耳、義眼、避妊リングを装着されている方
- 外傷や手術で人工関節や脳動脈クリップなどの金属が体内にある方
- 妊娠中もしくは妊娠している可能性のある方
- 閉所恐怖症など狭い場所が苦手な方
- 喘息(ぜんそく)がある方
- 次の物は破損したり、検査に影響したりすることがあるので、取り外して頂く場合があります。
- 時計、指輪、ネックレス、イヤリング、ピアス、ヘアピンなど
- 眼鏡、補聴器、入れ歯など
- 磁気カード、キャッシュカード、電話、電気製品、テレオンカード、定期券、カイロなど
- 金属のついている下着:ブラジャー、スリップなど
- 化粧品(マスカラなど)の中には金属を含んでいるものがあるため、化粧を落としていただくことがあります
MRI検査は近年多くの診療科からの依頼が絶えず、脳梗塞の患者さんなど緊急に検査しなければならない場合もあります。また、患者さんの状態や装置の制限上、検査が遅れてしまい、検査開始時刻が予定の時間より大幅に遅れてしまうこともありますが、ご協力をよろしくお願いします。