市長定例記者会見(令和5年7月31日)

情報発信元 旭川市

最終更新日 2023年8月15日

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開催概要

日時:令和5年7月31日(月曜日)午後3時00分~午後4時00分

場所:第1委員会室

動画

令和5年7月31日定例記者発表・質疑応答(新しいウインドウが開きます)

資料

1 大阪府泉大津市との農業連携協定の締結について(PDF形式 384キロバイト)

2 令和5年8月1日から中学生までの医療費を無償化します(PDF形式 544キロバイト)

3 中央省庁等への要望活動について(PDF形式 5,772キロバイト)

4 ブルーミントン・ノーマル両市への姉妹都市提携60周年記念訪問について(PDF形式 3,273キロバイト)

発表項目

大阪府泉大津市との農業連携協定の締結について

大阪府泉大津市との農業連携協定を8月24日(木曜日)に締結することといたしました。
泉大津市は、大阪府の南部に位置し、市内全域が市街化区域である農地が少ない自治体であることから、平時における安全・安心な食の提供や、不測の事態に対応しうる安定的な食糧確保を目的とした「安全・安心な食糧の安定的確保に関する構想」を令和5年3月に策定し、様々な取組を進めている自治体であります。
本年4月には、自治体間農業連携先の募集が行われ、本市の安心・安全な農産物のPRと、関西方面への販路開拓へと繋がることから、農業連携の公募型プロポーザルに参加し、旭川市が農業連携候補者に特定されたものです。
協定締結後の取組といたしましては、まずは学校給食への旭川産有機米の提供を予定しており、旭川のおいしい米を食べていただけることを大変楽しみにしております。
また、学校給食への旭川産有機米の提供以外にも、米以外の農産品の提供や、農業体験の実施等についても検討しており、食糧の消費地としての泉大津市と、生産地としての旭川市で連携しながら、環境保全型農業を推進するとともに、新たな農産品の販路拡大や農業を通じた交流人口の創出に繋げていければと考えております。
なお、8月24日には、泉大津市長が来旭し、協定の締結式を予定しておりますので、その際には、報道対応等御協力いただければと考えております。

中学生までの医療費無償化について

今年度予算で実施することとしておりました中学校卒業までの全てのお子さんを対象とした医療費の全額助成が、いよいよ明日8月1日からスタートします。

中学生までの医療費無償化に関する所得制限の撤廃などの新たな制度については、保育所、幼稚園、小中学校等に協力いただくなど、これまで様々な周知を行ってまいりました。
既に多くの方々には、申請の手続きをしていただき、受給者証をお手元にお送りさせていただいておりますが、申請がまだお済みでいない方がいらっしゃいましたら、申請書、同意書、保険証の写しの提出が必要となります。
なお、申請書や同意書はホームページでダウンロードいただくか、子育て助成課の窓口で配付しており、申請書の提出につきましては、子育て助成課や各支所で受け付けております。詳細につきましては、ホームページをご覧いただくか、担当の子育て助成課にお問い合わせください。

中央省庁等への要望活動について

旭川市や上川地域の現状や課題、課題解決に向けた財政措置の必要性などを国会議員や中央省庁に直接訴える要望活動を行ってきましたのでご説明いたします。
まず、7月13日(午前中)と14日(午前中)に、旭川市単独での要望活動を私と福居市議会議長、新谷旭川商工会議所会頭の3者で実施してまいりました。
子ども医療費の無償化や除雪体制の充実、ごみ処理施設の整備・更新など、安全・安心の市民生活の維持につながる取組の財源確保や支援について、魅力あるまちづくりの実現に向け、地域の実情とそのために必要な国の措置などについて私が直接説明し、国会議員や関係省庁に要望してまいりました。
市の単独要望書に記載している、子ども医療費無償化につきましては担当の厚生労働省の羽生田副大臣のところに行ってまいりました。2ページに国庫負担金等の減額調整という部分がありますが、現在、約8,000万円の減額調整を国から受けています。中学校卒業まで無償化を始めた場合、さらに1,000万円増になります。閣議決定で令和5年6月13日に、こども未来戦略方針でこの廃止が明記されていますが、しっかりと明記されたものを実行していただくように要望をしてきたところです。
続きまして、13ページのごみ処理の整備等につきましては、環境省の小林茂樹副大臣を訪問してまいりました。全国的に、ごみ処理施設の更新の時期にかかってきていますので、予算が足りない状況でして、当初予算と補正予算で何とかギリギリ地方の要請を受けていただいているということですから、当初予算からしっかりと安定的に財政措置していただけるように、また、北海道においては北海道開発予算として計上されていることから、しっかりと柔軟な運用を行っていただくように要望をしてまいりました。
13日の午後には、私が6月に副会長に就任した日本下水道協会の皆様と、今後、老朽化した下水道管が急増することが見込まれることから、本市の下水道事業を継続し、市民の快適な生活環境を守るため、下水道施設の改築に関わる国費支援の充実及び予算の増額について、国土交通省や総務省などに対して、要望を行いました。
さらに翌週の18日には、上川中南部圏域の市町村で構成する、私が会長を務める「石狩川上流治水促進期成会」、佐藤上川町長が会長の「石狩川上流砂防事業促進期成会」、北富良野市長が会長の「旭川十勝道路整備促進期成会」の3期成会が合同で、近年の異常気象により、多発している災害等に対応した治水、砂防事業や上川中南部圏域と十勝圏域を連絡する高規格道路「旭川十勝道路」の整備促進などについて、国会議員や関係省庁に要望してまいりました。
19日には、上川地方総合開発期成会及び北海道新幹線旭川延伸促進期成会の要望活動を私が会長として、新谷旭川商工会議所会頭のほか役員の皆様とともに、上川地方の発展に向け、高規格道路網の整備促進や農業農村整備事業の促進、北海道新幹線旭川延伸に向けた調査の実施など、重点的な項目について、国会議員や関係省庁に要望してまいりました。
今後も、旭川市のみならず地域の実情を踏まえた上で必要な国の措置などについて私が直接説明することで、実りのある活動となるよう励んでまいります。

ブルーミントン・ノーマル両市への姉妹都市提携60周年記念訪問について

本来は今年は61周年なのですが、昨年はコロナ禍ということもあり、両姉妹都市委員会の相談によって1年延期となりこの度訪問してまいりました。
初日は、空港からブルーミントン・ノーマルに向かって会場のホテルに入りました。そこで姉妹都市提携60周年記念の行事を行いました。この行事では、ムウィランブウェ・ブルーミントン市長、クース・ノーマル市長とお会いして挨拶をいたしました。私から、現地の姉妹都市委員会の会長のダレン・サンプソン氏に国際親善名誉市民称号をお渡しいたしました。
2日目は、姉妹都市友好の橋を訪問しました。その後は、歴代の姉妹都市委員の皆さまや、青少年事業参加者の皆さまとの交流会を行うと同時に、ムウィランブウェ市長に旭川産のマッシュルームスツールをお渡ししてきました。夜は、現地の独立リーグで、ノーマルコーンベルダーズの試合を観戦させていただくと同時に、姉妹提携の友好の証が付いた硬式ボールをプレゼントしました。
3日目は、ダレン氏が務めているステートファームという損保の会社の博物館を見学してきました。その後は、イリノイ州立大学を訪問し、学長と懇談すると同時に、今後の旭川市立大学との交換留学について提案をさせていただきました。続いて、ノーマル市役所を訪問しまして、夜はお別れの夕食会に参加しました。
今回の訪問を通じて、過去の60年の歴史というものを改めて感じました。経済的な、又は、学生同士の交流を通じて、お互い友好関係を深めてきたという歴史の一端を垣間見ることができました。
今後もこのブルーミントン・ノーマル両市と旭川市との交流がさらに深まっていくよう取組を進めていきたいと思いますし、中学生、高校生はこれまで交流をしてきましたので、より多くの、また、大学生まで交流の幅を広げたり、職員も訪問して現地の文化などを学ばせていただくというのは非常に重要な機会ではないかと思います。特に経済的な面では、Amazonが出資しているリビアンという電気自動車工場を見学してきましたが、広大な敷地の中に、日本の精密機械が次から次に組み立てしている様子を拝見してきました。
議会の立場では中村副議長が両議会の交流を、また、荒井副会頭が今後の経済的な交流を提案しました。
そして、潮委員長を始めとする姉妹都市委員会の皆さまが長年支えていただいてきた温もりのある素晴らしい交流でありましたことを申し上げまして、ご報告といたします。

発表項目外

これから夏まつりがスタートします。感染にしっかりと気を付けるのはもちろんではありますが、去年と違って、制約がない夏まつりが復活してまいります。
これからの旭川の短い夏を皆さまに盛り上げていただきたいと思います。

質疑応答

北海道新幹線の札幌延伸に絡む並行在来線の貨物について

読売新聞

市長の認識と、その影響についてどのように考えているか。

市長

宗谷線、それから石北線、富良野線含めて、旭川・北海道のみならず、我が国にとっての観光、物流の拠点であることは言うまでもないと思っています。特に、石北線のタマネギや富良野線のジャガイモをどうするのか、色々な課題がありますが、現在は、それぞれの期成会のもとで、JRへの支援対策をどう行っていくのか議論しており、私どもは、国がしっかりと責任を持ってほしいということを、常に申し上げているところです。国のほうも、JRや我々に対して自助努力を求めているため、そういったことをしっかり行っていきたいと思います。トラック運転手の就業時間規則の問題など物流のことを考えると、この貨物なくして、日本の食料基地としての農業はあり得ないと認識していますので、各団体の皆様や市町村とも連携をしながら、訴えていきたいと思います。

旭川市いじめ問題再調査委員会に係る取材対応について

UHB

明日(8月1日)行われる旭川市いじめ問題再調査委員会に係る取材対応について、このタイミングで行われる意図はあるのか。また、今回明らかになったことや進捗等はあるのか。

市長

旭川いじめ問題再調査委員会の調査経過について、7月28日付け尾木直樹委員長名で報告を受けたところです。基本的には、今まで公表したものがベースではありますが、明日、調査委員会の方々から記者会見が行われますので、そちらで御確認ください。私どもも調査を委託している立場で、そういった内容は知り得ない状況にありますので、御理解ください。

北海道新聞

旭川市いじめ防止対策推進条例が施行されて1か月が経つが、条例で「市長が加害児童生徒の出席停止などを学校に勧告できる」と規定した部分について、勧告に至った事例や勧告を検討している事例はあるか。

市長

現在のところ、勧告の事例、あるいは検討しているものはありません。まずは、いつもお話ししているように、勧告が起きない体制をしっかり構築していくことだと思っています。私どもは、いじめ問題の再発防止の徹底のために、本年4月市長部局にいじめ防止対策推進部を新設し、学校、教育委員会と一体となって、いじめの未然防止、早期発見、早期解決に取り組んでいます。先般、子ども家庭庁支援局の吉住局長を訪問して、今後の意見交換を行ってきましたが、国のほうでも、非常にこの旭川モデルに期待していただいていることが分かりました。年度内にしっかりと旭川モデルをつくり上げて、全国で活用していただけるようにしていきたいと思っています。

北海道新聞

条例の勧告規定は、行政が早期に対応することで被害者の命を守る狙いがあり、関係者の期待はすごく大きい一方、学校現場や専門家からは「市長が教育に介入することはなじまない」「子どもにとって脅しととられる」「本質的な解決にならない」などの指摘も寄せられている。市長は条例可決後、「いじめを受けた生徒や保護者への支援が最も重要で、勧告で教育の中立性が損なわれることはない」と話されているが、改めてどう考えているか。

市長

前回議会の採決のときにも、一部の議員の方からお話があった内容です。授業の内容、歴史認識、指導内容、あるいは人事、こういったものが教育の中立性に関する政治的な介入と言われていますが、今回のことは全く関係なく、まずいじめを起こさないようにする、そして、起こった場合に、その子どもたちをどう助けてあげるかということです。議会での御指摘も当てはまらないもので、やはり何としても子どもたちを第1に考えていかなければならないと思っています。
また、御心配も一部ありますが、いじめ防止推進条例第13条では、いじめの事実またはいじめの疑いがありかつ市立学校または教育委員会が法に基づく適切な措置を講じていないとき又はその他必要と認めるときに、いじめを受けた児童生徒を救済するため、市立学校または教育委員会に対し次に掲げる措置を講ずるよう勧告を行うことができる、と定めております。あくまでも、これは行政指導であり、相手の任意の協力がないと実現されないものですので、教育的中立性や政治的独立性を侵害するものではありません。加えて、同条第4項では、この勧告を行おうとするときは、いじめの防止等に関する専門的知見に基づいて、公平、公正、中立な判断をすることができるものの意見を聞くものとする、と定めております。市長が勧告を行いたいというだけでは出来ず、諮問機関を通すことになりますので、御心配いただくことがないように、しっかりと二重三重の対策がとられている条例になっていると思います。
「子どもにとって脅しととられる」あるいは「本質的な解決にならない」など、市教委と学校側が、子どもたちに誤解のないように、いじめ防止対策推進法や、今回の条例の趣旨に沿って説明をしていただくような御協力も求めたいと考えています。

泉大津市との農業連携協定について

毎日新聞

旭川市にとってメリットは何か。泉大津市は毛布で有名であるが、そのことで何か考えているのか。

市長

旭川市の農業には、高齢化の問題など、様々な課題があります。将来持続可能な農業を実現していくためには、もちろん私たち自身も地産地消者にならなければなりませんが、販路拡大をしなくてはなりません。一方で、旭東地区の大規模化が始まっており、市では、国あるいは北海道に対してスマート農業の支援などの要請をしており、若手でやる気のある農家の方が将来的にもしっかりと所得を上げて稼いでいく、そして農業の持つ多面的機能を守っていくということを、旭川の農業で実現をしていきたいと思っています。
有機米はなかなか技術が必要なもので、JA旭川の中でも、限られた方しか、技術をお持ちではないということです。大変な分価格も高いということがありますが、高く買っていただけるところが一つでも多いと、その生産者の方も増えてくると思いますので、時間はかかるかもしれませんが、農家の方の所得が上がっていくことを効果として期待しています。
また泉大津市さんは、私ども以外にも、色々な自治体と提携協定を結ぶとのことです。構想は、「自治体、生産者、関係団体との連携」「体制の構築」「就学前施設・小・中学校の給食に関して」「泉大津版ローリングストックの取組」の4項目になっておりますが、私たちが合致して、理解をいただいたのが3番目の「就学前施設・小・中学校の給食に関して」というところで、その中でもさらに2項目「化学農薬、化学肥料の使用を抑えた米」「有機米の提供拡大」分かれておりますが、この一つに、私たちを選んでいただきました。お聞きしたところによると、旭川市以外に、この項目だけでも、5~6市が提携を行っていくということです。

マイナンバーカードについて

NHK

全国各地でトラブルが相次いで起きている中でマイナンバーカードの自主返納の件数が増えている。旭川市における、マイナンバーの自主返納の件数はどれくらい増えているのか。また主な返納の理由とそれに対する市の対応、市長の受け止めを伺いたい。

市長

国が発表している廃止の分類は、盗難や紛失、転出など15項目あり、その中の「本人希望・その他」が自主返納に当たると思われますが、その数字で申し上げますと、旭川市では4月から6月の合計で40件あります。ただし「本人希望・その他」の中でも項目が分かれており、その詳細までは市では把握をしておりませんので御理解ください。4月から6月末までで、自主返納と思われるものが40件あるということです。
私の受け止めですが、いろんな事案が出ていることは重く受け止めておりますし、こういったことがないように私たち各地方自治体は、しっかり取組を進めていかなければならないと思っています。マイナンバーカードは、今後健康保険証、運転免許証、確定申告などに活用が想定され、メリットは国民の皆さんに広がっていくものなので、しっかり進めていただきたいと思います。コロナ対策の支援を行っている中で、将来的にマイナンバーカードと口座のひもづけができれば、子育て世代の方、高齢者施設の方などに毎回申請していただかなくてもこちらからの発信でお届けできる情報はたくさんあります。そのようなメリットを考えると、マイナンバーカードの普及は進めていかなければならないと思っていますが、一方で、報道にあるように国民の皆様の不安が広がっているのは事実です。国の状況を見ても、その時々で内容が変更になることが多々ありますので、しっかり情報を出していただくと同時に、私どもにも指導をしていただきたいと思っています。
旭川市のマイナンバーの交付状況は6月現在で66.8%と、全国平均の70%を下回っているため、もっと市民の皆様に周知をしていく責任があると考えていますが、色々な市町村長さんとお話をする中で、マイナンバーカードの交付が80%ぐらいまで行った後に、90%、95%まで高めていくのは現状では難しい、という意見を聞いています。国にまず不安を払拭していただき、その上で、個人情報を守る仕組みをつくって、メリットを国民の皆様に分かりやすく説明をしていただきたいと思っています。

NHK

4月から6月末まで40件ということだが、月別では何件か。

市長

4月が2件、5月が20件、6月が18件です。

花咲スポーツ公園の再整備について

北海道新聞

市長が選挙公約に掲げた花咲スポーツ公園の再整備について、現在コンサドーレとのタスクフォースで検討を進めていると思うが、タスクフォースがこれまでに何回開催されて、どのような議論をしているのか。また市長への答申はいつ頃になる見通しか。

市長

タスクフォースは現在までに3回の会議を行っております。総合体育館(旭川市リアルター夢りんご体育館)を含む花咲スポーツ公園全体の課題の整理、それから、他都市の状況、整備手法などについて検討しております。市民の方に満足していただくのはもちろん、これまでの公園にはない新たな価値や効果を生み出すようなものとするべく、タスクフォースには検討いただいているという認識です。私の公約でもありますが、スポーツ施設だけではなくて、健康づくり、イベント、コンベンション、子どもたちが集まりやすい場所など、様々な可能性や、色んなことを含めて、議論をしていただいているところで、今後また議論を数回重ねて、8月中を目途に、私のほうに答申をいただけるとお伺いしています。

北海道新聞

ヴォレアス北海道が2024年秋に発足する新リーグ「SVリーグ」に参入するには、5,000人以上が入場可能な本拠地が必須要件。花咲スポーツ公園の総合体育館(旭川市リアルター夢りんご体育館)は、約3,000人収容で改修か新設かが必要になるが、花咲スポーツ公園での建て替え、現在の市総合庁舎と跡地など市中心部への移転、市長の考えはどちらに傾いているのか。

市長

どちらに傾いているかといえば、どちらにも傾いておりません。今まさに体育館や花咲スポーツ公園のことは、タスクフォースで検討しているところでありますし、文化会館の方も6月から、基本構想検討会議がスタートし、同時に両方の会議が進んでいます。タスクフォースは8月中に、文化会館はもう少し先だと思いますが、この両方の皆様の御意見をお伺いしながら、総合的に判断をしていかなければならないと思っています。花咲の体育館、それから、文化会館、50年に1度、7~80年に1度の歴史的な事業が二つ奇遇にも重なっているので、両方を見極めながら、子どもたちに恥ずかしくないもの、30年後50年後も、あのときの対応は間違ってなかったと思っていただけるようなものに仕上げていかなければならないと思っています。ちなみにヴォレアスの関係で、たくさん御心配をいただいておりますが、今他のアリーナの色々な調査も進めております。私も先日、よつ葉アリーナ十勝に行ってきましたが、収容人数は大体5,400人位、函館アリーナも5,000人位でありますから、やはりそのくらいの規模を目指していくことになり、SVリーグの基準も、自然にクリアしていくことになると思っています。今後のことについては、そのようなことも含め、タスクフォース、あるいは基本構想の皆様の意見を聞きながら、新しい再整備にふさわしいものにつくり上げていきたいと思っています。

旭川市立大学が設置を目指している新学部の名称について

北海道新聞

当初の予定から「デザイン」の文言が削除された基本計画となり、市民団体から市長に対して、見直しを求める要望書が提出されている。大学の自治の観点から大学の自主性は尊重されるべきである一方で、法人設置のときに、私立大に対しても税金を投入して公立化した経緯もあるため、新学部設置に関してはある程度、市も責任を持って進める必要があると思っているが、現状についての市長の考えは。

市長

令和2年10月の附帯決議の議論をベースに、今まで議論を積み重ねてきたということは非常に重要なものだと思っています。一方で大学側の自主性というものも、しっかり尊重しなければならないと思います。またあわせて、設置者である市の責務をしっかりと行っていかなければならないと思っております。6月26日に、市民の会の伊藤会長を初めとする皆様が、私のところに御要望にお見えになりました。要望書の内容は二つあり、一つが、学部名からデザインという文言が削除され、ものづくりデザイン学科もなくなった、新学部の基本計画の抜本的見直しを求めますということです。それから、補正予算に計上されている基本計画をもとにした基本設計などに必要な補助金の撤回を求めますということが2点目です。まずものづくりの市民の会の皆様は、突然聞かされたということで憤慨をされておりましたので、今までの議論の経過を踏まえた中で、相談がなく今回の発表になったということが事実だとすれば、配慮、丁寧さに欠けていたとお話をさせていただきました。
その上で、私のデザインに対する考えは、2019年からユネスコデザイン創造都市となり、このデザインの力で、旭川をどんどん世界に発信して、国際化をしていきたいということです。そのために就任当初から、神戸市長、名古屋市長、金沢市長にお会いして、国内のユネスコ創造都市の連携をしっかり行っていきましょうというお話をしてきました。そのほか同じデザイン都市であるバンコクの都知事を訪問し、昨年ブラジルのサントスで開催されたユネスコ創造都市ネットワークの総会でも、旭川をPRしました。現在デザイン部門のサブネットワーク世界会議の開催地に立候補しており、今日がその投票の締切りなので、そう遠くない時期に、ソウルになるのか、旭川になるのか、ドバイになるのか、決定しますので、今吉報を待っておりますが、そのような取組みを行っているところです。また、今年からCDPとして石川俊祐さんに就任いただいて、食をテーマにデザイン思考でどのように旭川の魅力を発展させていくのかや、市の広報的な部分など、いろんなアドバイスをいただいています。
このような気持ち、デザインを大切に、まちづくりを行っていくということは、市民の会の皆様と同じだということをお伝えしました。加えて皆様が持っているデザインやものづくりに対する大学への思いと、私たち大学の思いは、同じだということもお伝えしました。カリキュラムの内容も、附帯決議以降議論したものを8~9割方導入していますので、確かにデザインという名前は学部・学科から消えたかもしれませんが、中身はよりバージョンアップしています。
そして、結論として申し上げたのは、そもそも基本計画の抜本的見直しは難しいということです。それから、基本設計など必要な補助金の撤回も、議会の皆様の議決を経ているわけですから難しいとお伝えをして、その上で、私たちが責任をとれるとすれば、ものづくり市民の会の皆様と、あるいは議会と、そして大学と、私たち行政と、しっかりと意見交換をしてみんな同じ着地点を目指してそこに向かって歩んでいく、そういう環境調整を行っていきますというお話をさせていただきました。
今後のことですが、そのような御意見をいただきましたので、近いうちに、三上学長と高瀬理事長を初めとする大学関係者の皆様と、私たち市の幹部とお会いをして協議をスタートします。またあわせて、市民の会の皆様と大学は6月28日に一度、意見交換を行っています。大学と議会のほうでも7月6日に、内容非公開でありますが会議を行っています。 こういった場を、みんなが納得できる状況をつくり上げていく、その責任を果たしていきたいと思います。リミットとしては、私たちの話合いとあわせて、高校生や企業側のニーズを大学で調査するということを聞いていますので、そのようなことも含めながら、令和6年度の夏までにカリキュラム、学部名を決定していきたいと思っています。

北海道新聞

計画の抜本的見直しが難しいというのは、計画がずれると、国からの補助金を獲得するのは難しくなるということか。

市長

一部参加者の方から、前回の議会で議決されたらもう後戻り出来ない、という情報を入手していたという話がありましたが、そうではありません、これから議論をしていく余地はまだまだありますので、そういった場を私たちがつくりますとお伝えしたところ、少し安心しましたと話されていたので、一部誤解があったのではないかと思っています。

北海道新聞

これから大学、市、市民の方で着地点を見つけていく上で、市としてはそこを取り持っていくというのが市の責任であるという考えか。

市長

今回の議論は、将来的な大学のことを考えると、市民の皆様の心を一つにするよい機会ととらえていかなければならないと思っています。今まで議論されてきたものが、市民の皆様の不安や行き違いがあって、大学が新しい体制として今年から市立大学がスタートした中で、少しひずみが出てきたのかもしれないと感じているところですが、こういったものを、設置者としてしっかり整理していく役目があると思っています。

北海道新聞

市民の会の方が今年の4月になって初めて聞いたという話だが、それまでの間で、コーディネーターとして市が役割を果たせたのではないか。

市長

市民の会の皆様が、そういう御不満を持たれている以上は、私たちに責任があると思っています。しかしまだ時間がありますから、そこはしっかり丁寧に説明をして、御理解いただくようにしたいと思いますし、ただあくまでも、大学側の自主性というものを尊重しながら、ということになると思います。

旭川新聞

大学と高専の機能強化支援事業の中で、地域創造学部と発表されているが、これはまだ変更が可能ということか。

市長

変更は可能というより、その予定ということで書類を提出しています。予定ということで文科省に申請をして、受理されています。

旭川新聞

副学長は、学部名はあくまでも仮称で互いに歩み寄らねば、とコメントしているが、大学側もものづくり市民の会やほかの皆様とこれから話し合う余地があると考えているのか。

市長

そうだと思います。同じ考えです。

旭川新聞

この問題は10年ぐらい経っており、どうして「地域創造デザイン学部」になったのか、「ものづくりデザイン学部」になったのか、市議会議員の1期2期の皆さんと、当時から議論に参加している4期5期の皆さんの認識の差は本当に大きく、私立大学はどうして市立大学になったのか、その辺の認識も全然違う。そのためある程度、市がコーディネートするということは本当に重要だと思うが、その認識の差を埋めていく、情報の提供も一緒に行うべきではないか。

市長

承知しました。
また私は議会の質疑の中で、カリキュラムを引き続き検討していくうえで、学びの内容や目指すべき人材育成像をあらわす名称を整理していくことも選択肢の一つだとお伝えをしたところです。そういった議論をこれから深めていきたいと思っています。

旭川新聞

市長と大学の理事長学長を含めた、協議はいつ頃を予定しているのか。

市長

日にちはまだ確定はしていませんが、8月中を目途にと思っています。

旭川空港の路線就航の誘致について

北海道新聞

本年度の補正予算の中で、旭川空港と成田・関西両空港を結ぶ国内定期便を新規就航させた航空会社に対しての助成制度が始まり、それをもとに誘致活動をしていくと思うが、現在の誘致についてはどのような状況か。就航に前向きな航空会社はあるのか。

市長

御案内のとおり、新規路線、就航支援事業ということですが、現在空港運営を担っている北海道エアポート株式会社・HAPと連携しながら、成田国際空港や関西国際空港で、就航路線を有している国内航空会社に対して、本市からの支援はもとより、HAPが行っている新規就航に向けた空港着陸料の減免制度などもあわせてPRを行っており、就航を検討いただいています。

北海道新聞

現状の目標としていつまでに誘致につなげて、いつまでに就航を目指すのか。

市長

現時点で新規就航が内定している航空会社はありませんが、できるだけ早い時期に、航空路線を確保したいと考えています。成田、あるいは関空に新たな翼が飛んでいくことで、交流人口の増加など本市にとっても様々なメリットがあると思います。今も、7月25日から8月8日まで、国際定期便やチャーター便が来ており、市内のあちこちに外国人の方も来ていただいて、本当にうれしく思っています。また国内に目を向けましても、伊丹空港が、明日8月1日から31日まで1か月、セントレア・中部が、4月14日から9月30日まで、これも1日1便なので、こういったところを通年化していくこと、それから海外も増やしていくこと、関西、成田、万博2025年ありますから神戸など、そういったところにも目を向けながら、航空路線の拡大に取り組んでいきたいと思っています。

性的少数者マイノリティーの方のトイレ使用の対応について

北海道新聞

性同一主性障害を抱える経済産業省の職員の方が省内で女性用トイレの使用制限を受けたと国を訴えた訴訟で、先日使用制限は不当とする最高裁判決が出たことに関して、旭川市でも11月に新総合庁舎の利用が開始されるが、性的少数者マイノリティーの方のトイレ使用の対応について現状どのように考えているのか。

市長

今回の経産省の関係は、経産省の職員に対する個別事情を踏まえた判断でございますので、今政府や与党野党含めて議論をされておりますが、私たち地方のほうまで、正式な考えがおりてくるにはまだまだ時間がかかりますし、いろんな課題があるのは事実ですので、国の議論を見極めていきたいと思います。新庁舎におきましては、多機能トイレを設置し、身体障害者の方、高齢者の方、幼児の皆様など来庁される市民の方はもちろん、職員も利用できる環境を整備していきたいと思っています。

北海道新聞

多機能トイレの数はどれぐらい用意されているのか。

市長

ワンフロアに一つです。トイレや入浴施設というのは、まだまだ難しい状況であると思います。LGBTプラスの方の立場もありますが、そうではない方の人権もありますので、しっかり国の議論を深めていただきたいと考えています。先日ブルーミントン・ノーマル市に出張した際、公共トイレの女性用トイレに間違えて入りそうになりましたが、「ウーマン(そこは女性用です)」と注意されました。多様性が深まっていると言われているアメリカでもそういう状況ですから、日本では、相当な課題があるのではないかと考えています。

北海道新聞

早急に市として、こういう対応をするという断言は難しいということか。

市長

そうです。

関連ファイル