2022年4月15日臨時記者発表(テキスト)

情報発信元 旭川市

最終更新日 2022年4月18日

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開催概要

日時:令和4年4月15日(金曜日)午後5時~午後5時20分

場所:第1委員会室

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令和4年4月15日 臨時記者発表

旭川市教育委員会・旭川市いじめ防止等対策委員会による「いじめの重大事態に係る中間報告説明会」について

本市の女子中学生が亡くなられた事案について、本日、旭川市いじめ防止等対策委員会(第3者委員会)から、いじめとして取り上げる事実、6項目の内容が発表されました。私としても以前からいじめであると認識を示してまいりましたが、この度の中間報告において、改めてその事実が明らかになりました。市長としてこの事実を重く受け止め、御遺族並びに市民、国民の皆さまに、心からお詫びを申し上げます。

一刻も早い真相解明と、二度とこのような痛ましい自体を引き起こすことのないよう、再発防止策をしっかり検討してまいります。また、御遺族並びに弁護団から調査の進捗が遅いとの御意見をいただいており、さらには近く、所見書が届くというお話しもありますので、教育委員会を通じ、一刻も早く全容が解明されるよう、改めていじめ防止等対策委員会に対し求めたところであり、引き続き御遺族の考えに寄り添いながら、市長として責任を持って対応して参りたいと思います。

質疑応答

北海道新聞

市長は、かねがね第三者委員会(旭川市いじめ防止等対策委員会)の最終報告を6月末までに行ってほしいと求めてきたが、残念ながら、先ほどの教育委員会と第三者委員会の会見(いじめの重大事態に係る中間報告説明会)では8月末になるとのことであった。これまで、6月末までに最終報告がなされない場合は並行調査を実施すると話されてきた。つまり、並行調査を行うこととなるのか。

市長

今回の報告は御遺族も受けられていて、所見書を出されると聞いています。あくまでも御遺族の御意向を最大限尊重すべきだと考えています。所見書を拝見させていただき、御要望があれば真摯に受け止めていかなければならないと考えています。その御連絡をお待ちしております。

北海道新聞

その連絡次第ということか。

市長

そのとおりです。

北海道新聞

第三者委員会の調査が、市民や市長の期待するスケジュールどおり進んでいないことについてどう思うか。

市長

就任以降、総合教育会議での資料、お母さんの手記、教育委員会に要望した資料、SNS上での当該児童の書き込み、あるいは音声などにより総合的にいじめと判断し、議会で発言しました。

昨年10月の総合教育会議においても、そもそも中間報告を10月までに行ってほしいと要望をしていました。そして最終報告は12月まで、遅くとも年度内、つまり3月までに行ってほしいと要望していました。

また、1月20日の第1回臨時会においても、調査開始から1年を目途とする、6月末日までに最終報告をまとめていただきたいとお伝えしていたところです。

しかし、残念ながら現状では、そのことに対して回答を得ることができていません。

私自身が視察をした、大津や岐阜の例をみても、最終報告までは約半年で行われていることから、旭川市の進捗は非常に遅いと言わざるを得ません。

やはり御遺族のお気持ちを最大限尊重して、いろいろと進めていきたいと思います。

北海道新聞

先ほど市長は陳謝された。本件をいじめの重大事態と認定したときは市長でなかったが、市政の継続性の観点や、総合的な教育行政を管轄する立場としての陳謝として受け止めて良いのか。

市長

令和元年6月にウッペツ川に駆け下りた事態があります。その後、9月に地元の雑誌に取り上げられた経緯がありました。しかし、学校はいじめと認定しなかったばかりではなく、いじめを否定する文書を出しました。

その後、女子児童が亡くなり、文春オンラインに取り上げられて、やっと重大事態と認定したところです。そもそも、重大事態はいじめの疑いがある時点でしっかりと備えていかなければなりませんが、それも遅れてしまいました。

さらに、5月21日の第1回の第三者委員会の開会から、まもなく1年が経とうとしていますが、今日になって、やっと中間報告があったところです。

そして、6項目がいじめと認定されたわけです。この問題は市民だけではなく、全国的な社会問題となっており、皆さまが注視していらっしゃいます。あるいは、不安や、不満をもってこの報道を御覧になっていただいていると思いますが、このことを重く受け止めて、市長としてお詫びを申し上げました。

NHK

6項目の詳細を御覧になっての受け止めはいかがか。

市長

冒頭に申し上げましたとおり、私は、かねてからいじめであるという認識でありましたので、6項目がいじめとして認められたことは評価したいと思います。

ただ、報告書を見て感じることは、淡々と事実が書かれていて、非常に感情がなく、率直に無機質な印象を受けています。特に被害者の気持ちや、心情が抜け落ちていると感じています。

全てを拝見してはいませんが、委員長の記者会見の中で、心情に関しては記載していないとのことでありましたが、この報告書を読んで、どういう気持ちになってLINEを送ったか、画像を要求されたときの気持ちだとか、深夜に呼び出されて公園にいかなければならないと思ったときの気持ち、しかも中学1年生の女の子が画像を拡散されたときの気持ちが抜け落ちていると思いますし、いじめというよりも、人間の尊厳を大きく傷つける内容となっていると思います。

NHK

現在、旭川市では今後に向けて条例の制定や、いじめの予防に向けた課の組織編成について動いていると思うが、今回の報告の内容を受けて、今まで予定していたものから更に手厚くだとか、報告の内容に合わせたものにブラッシュアップしていく予定はあるか。

市長

子育て支援部で、庁内7部局をまたいで、これからいじめ対策の方針を制定していくほか、例えば庁内でつくる対策案を審議する有識者のメンバー選定を始めています。

また、条例がないとできませんから、旭川市のいじめ防止対策推進条例の制定作業などの両局面から動いています。

今回の報告書の内容もしっかりと受け止めて、それらに活かしていかなければならないものと考えています。

NHK

今後の御遺族との対話は、現段階で予定しているのか。

市長

現段階はまだありません。

NHK

これから市長から呼び掛けたり、予定を聞いて会うといった考えはあるのか。

市長

まずは所見書がいつ頃出されるのか、またその内容はどういうものか、御遺族や弁護団ががどういう考えをお持ちなのか、状況を見ながら判断していきたいと考えています。

HTB

調査のスピード感について、市長が視察した大津や岐阜と比べて、旭川市の第三者委員会の動きが遅いことに対する、体制その他に関する具体的な課題は見えているのか。また、それをどのように改善すれば、少しでも早く結果が出ると考えているか。

市長

私自身としては9月に当選をさせていただいて、この問題をスピード感を持って動かしていかなければならないという気持ちで取り組んでまいりました。

そのときに、御遺族や弁護団と話して感じたことは、やはり教育委員会や第三者委員会に対する不信感が相当にあることでした。そこで私自身としては、その調整役となるべきだという思いの中から、それぞれの意見をお聞きしてお繋ぎをしてきたり、場合によっては委員長ともお会いしたところです。

それ以降は、少しずつ障害を取り除きながら、信頼関係を築きながらここまで来ていると思っています。当初の予定からは少しずつではありますが、スピードは早まってきていると思っています。

HTB

最終報告は8月末とのことだが、もっと早くに行うよう市長からの働きかけを行う考えは。

市長

もちろん、教育委員会を通じて、更なるスピードアップに向けて話していきたいと思います。

HTB

第三者委員会と御遺族や弁護団との信頼関係にまだ課題があるということか。

市長

今回の発表を受けて、御遺族が所見書を出されるとすれば、残念ながらやはり課題が残っていると言わざるを得ないと思っています。

HTB

今回の中間報告の内容に対して、市長は御遺族への気持ちへの面が足りないと感じたとのことだが、 仮に市長部局で並行調査を実施するとした場合の、第三者委員会との住み分けについての考えは。

市長

並行調査については現実的なところまできていないと思います。要望があった後、実際に行う際に、しっかりと考えていきたいと考えています。

毎日新聞

いじめた方の子どもは全員旭川の子なのですよね。今回のいじめが起きた原因について、市長としての考えはあるか。

市長

色々と原因はあると考えています。

今回、市が諮問している4項目の1つ目に対する報告があったところですが、今回のいじめの事態を、決して加害者といわれている児童に全て押しつけてはならないと思います。

責任の一端はこれからの調査の中で明らかになってくると思いますが、子ども達だけではなく、当時の学校の体制や、教育委員会の件など、複眼的に絡んでくる問題でありますから、今は、子ども達に全て責任を押しつけるばかりではなく、今後の調査を見ながら判断していくことになると考えています。

毎日新聞

今回のいじめの関係で全国から糾弾されている。教育委員会と市長部局との連携、学校と教育委員会との連携がうまくいっていないことや、旭川市が全体として抱えている色々な社会問題など、構造的な問題があるのか。

市長

今回のいじめに関する問題に対しては、教育委員会としては学校からの情報をそのまま受け止める状況になっていて、市長部局にしっかりと情報が入ってくる仕組みができていなかったという構造の問題はあったと受け止めています。

北海道新聞

あらためて、市長部局による並行調査に対する意欲について。

市長

第一義的に尊重されるものは御遺族のお気持ちであり、そのお気持ちに最大限寄り添った対応をしていきたいと思います。

議会でも答弁していますが、あくまでも御遺族が望まれる場合には、市民の不安を解消し、市民の生命、身体を守る責任を持つ市長として、責任を持って真相解明に向けた調査を進めることができるように、具体的に入っていかなければならないと考えています。

北海道新聞

旭川市教育委員会と第三者委員会の会見で、黒蕨教育長が当時の対応についての不十分さを認めた上で、謝罪したところだが、これを受けて、教育長の引責辞任を含めて、新しい教育長への交代など、何か考えがあるか。

市長

教育長は、この度のいじめとして6項目を取りあげるという結果を大変厳粛に受け止め、また、御遺族へもお詫びもしていることはお伺いしています。教育長においては、今回の重大事態の調査、真相解明、再発防止のほか、教育行政全般を担っていただいています。

今後の処遇は、今回の調査の進捗、あるいは、教育全体への影響を踏まえながら考慮していきたいと思います。

北海道新聞

つまり、最終報告までは身をもってやってもらいたいということか。

市長

今回の調査の結果、中間報告が出たことを、御遺族がどう受け止められているのかということも含めて総合的に判断して進めていきたいと思います。