第41回中原悌二郎賞の選考結果について

情報発信元 文化振興課

最終更新日 2019年8月8日

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第41回中原悌二郎賞の選考結果について

第41回中原悌二郎賞の選考委員会は、令和元年6月8日(土曜日)、OMO7旭川において開催され、選考委員の審議の結果に基づき、三沢厚彦(みさわあつひこ)氏の「Animal 2018-01」に決定いたしました。
なお、第41回中原悌二郎賞は、平成29年4月1日から平成31年3月31日までの2年間において、国内で発表された日本人作家の彫刻作品が対象となり、508名の作家による630点の発表作品の中から、「Animal 2018-01」が受賞作品に選考されました。
贈呈式は、令和元年10月6日(日曜日)に旭川市大雪クリスタルホールにおいて開催いたします。

受賞作品

Animal2018-01

©Atsuhiko Misawa, Courtesy of Nishimura Gallery   撮影:大沼ショージ

第41回中原悌二郎賞受賞作品
三沢厚彦<Animal 2018-01

受賞の言葉

芸大の学生だった頃、ラグビー部の友人たちと谷中にある愛玉子(オーギョーチィ)というお店に度々訪れた。そこは台湾産の愛玉子という木の実のような、妙な形をしたものから作られた、寒天やゼリーに近いような食感の甘味を出す店で、かれこれ90年に近い歴史を持っている。その店の棚の上にさりげなく置かれていたのが中原悌二郎作の首像だった。場所がら日本美術院も近くにあるので当時はさほど違和感は感じなかったのだが、なぜそこにあるのかが気になり、後日その経過を店主に聞いてみることにした。なんと、中原悌二郎がその店の二階に下宿をしていたのだ。そして、出る時にその首像を置いていった、という事だった。それは美術館や教科書で観る悌二郎の彫刻とはまた違う、人肌でやさしく、静かな佇まいを感じさせる。何も特別な事はいらない、日常に感じることや些細な思いを土塊で表現すれはいい。と囁かれたような気がした。きっとそんな中に生命の存在があるのだろう。これが僕にとってのリアルな中原悌二郎体験だった。悌二郎は32歳の若さで病に倒れこの世を去った。その時間から、彫刻を志す若者たちに未来に向かって歩んでいくよう、エールをおくってくれている様にも思う。当時の僕がそう感じたように、、。愛玉子の店内には今も当時と変わらぬまま、さりげなくその首像は置かれているのだろうか。

お問い合わせ先

旭川市教育委員会 社会教育部文化振興課中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館

〒070-0875 北海道旭川市春光5条7丁目
電話番号: 0166-46-6277
ファクス番号: 0166-46-6288
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