旭川市庁舎整備検討審議会 第9回会議録

情報発信元 庁舎建設課

最終更新日 2016年8月2日

ページID 057622

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日時

平成28年7月5日(火曜日)午後6時30分から午後8時15分まで

場所

ときわ市民ホール 4階 多目的ホール1・2

出席者

  • 委員17名    

赤間委員、大野委員、大矢委員、小畑委員、鎌田委員、小海委員、後藤委員、齊藤委員、惣伊田委員、髙津委員、辻廣委員、永瀬委員、長谷川委員、林委員、森崎委員、松野委員、八重樫委員、(50音順)

  • 総合政策部 長谷川財政課長、木村同課主幹
  • 事務局(総務部)

大家総務部長、中野総務部次長、田村庁舎建設課長、後藤庁舎建設課長補佐、伊東同課課長補佐、西宮同課主査、原同課主査

久米・柴滝共同企業体 2名

欠席者

泉委員、松田委員、山中委員

傍聴者

15名(うち報道機関4名)

会議資料(PDF形式)

次第(PDF形式 29キロバイト)

資料1 旭川市庁舎整備検討審議会委員名簿(PDF形式 46キロバイト)

資料2 第8回会議録(PDF形式 159キロバイト)

資料3 新庁舎建設工程表(PDF形式 46キロバイト)

資料4 庁舎面積比較(PDF形式 42キロバイト)

資料5 新庁舎規模の算定(PDF形式 66キロバイト)

資料6 旭川市新庁舎建設基本計画策定に向けたアンケート結果報告書(PDF形式 1,668キロバイト)

資料7 旭川市の新たなシビックセンター整備に関する提言(PDF形式 4,567キロバイト)

資料8 旭川市行政改革推進プログラム2016(平成28年度から平成31年度)(一部抜粋)(PDF形式 350キロバイト)

資料9 部会割り振り(PDF形式 48キロバイト)

会議内容

開会

議題に先立ち、変更のあった委員の紹介

会議録の確認

(会長)

会議録の確認について、事務局から説明願う。

(事務局)

<資料2に基づき説明>

(会長)

何か質問はないか。

(各委員)

<質疑なし>

資料説明

(会長)

今後の審議のために配付された参考資料について、事務局から説明願う。

(事務局)

<資料3~8に基づき説明>

(会長)

何か質問はないか。

(各委員)

<質疑なし>

議題(1)

部会の割り振りについて

(会長)

部会の割り振りについて、事務局から説明願う。

(事務局)

<資料9に基づき説明>

(会長)

何か質問はないか。

(会長)

<質疑なし>

(会長)

事務局から説明があったとおり、部会の割り振りを決定することとしてよろしいか。

(各委員)

<委員了承>

(会長)

各部会の部会長を審議会条例に則り、私の方から指名させていただく。第1部会の部会長を永瀬委員に、第2部会の部会長を後藤委員にお願いしたいと思うがよろしいか。

(各委員)

<委員了承>

部会の進め方について

(会長)

部会の進め方について、事務局から説明願う。

(事務局)

<部会の進め方について説明>

(会長)

何か質問はないか。

(各委員)

<質疑なし>

議題(2)

新庁舎の敷地利用計画について

(会長)

今年は、前回の会議で諮問された「基本計画骨子」について、審議会として答申をまとめていかなければならない。

前回市長から諮問を受けたのは、基本計画骨子の第2章から第4章の部分なので、その部分について今後審議をしていくことになるが、先程確認したとおり、第2章の新庁舎の機能については、次回以降各部会に分かれて審議し、一定の方向性を確認していただく。

第3章については、共通議題として、両方の部会で同じ内容を取り扱うこととしているが、本日は、委員にお集まりいただいているので、この部分の審議を進めたいと思う。

新庁舎規模の算定について

(会長)

前回の会議で、一通り事務局から骨子についての説明があったが、ここで、改めて、新庁舎規模の算定についての市の考え方を事務局から説明をしてもらう。

(事務局)

<資料5に基づき説明>

(会長)

何か質問はないか。

(各委員)

<質疑なし>

(会長)

市が示した骨子では、基本構想で決定した3万平方メートルを1度に建設するのではなく、2期に分けた段階的整備をする。さらに、1期棟は2万3千平方メートル、2期棟は7千平方メートルの規模とするということである。

この市の示した考え方について、委員から意見をお聞きしたいと思う。

(委員)

今日、事務局から皆さんに配付した「旭川市の新たなシビックセンター整備に関する提言」を6月27日、市長にお渡しした。私は「赤レンガ市庁舎を活かしたシビックセンターを考える会」の代表をしている。

詳しいことはその提言書を読んでいただきたいが、簡単に要約すると、まず、現在の総合庁舎(赤レンガ市庁舎)を何とか保存活用すべきだというのが私たちの基本的な考え方である。その理由は、現総合庁舎が、我が国の近代建築、特に戦後建てられたものの中で大変重要な建築物であり、文化財として高く評価されていることにある。そのことが市民の方々に余り認識されていないのが残念なのだが、私が専門とする建築の観点から言うと、今回の骨子に示された、現庁舎を取り壊し、なおかつ文化会館も取り壊して新築するという考え方に、大いに疑問を感じている。

今日のテーマである庁舎の規模に関しても、提言書の中に示しているとおり、私たちは1期棟、2期棟に分けて、1期棟を総合庁舎と文化会館の間に建てること自体に反対しているわけではなく、新庁舎が必要であることは認めている。しかし、この1期棟として2万3千平方メートルが必要という考え方には納得しかねる。私たちは、1万3千平方メートル程度で十分と考えている。これは、現庁舎を保存し、庁舎として活用するという前提があるからだが、ここで、皆さんにビジュアルに理解していただくために今日は模型を持参したので、模型を使って説明をさせていただきたい。

(会長)

発言の趣旨はわかったが、そうであれば皆さんに了承いただく必要がある。

今、委員から、2万3千平方メートルについて、自分は違う考えがあるという中で、資料7を引用されて意見を述べられた。さらに、模型を使って少し会としての説明をしたいということである。前回、私たちは審議会委員なので、様々な団体が市に働きかけるときに、直接それを聞くということは基本的には望まないとしたところである。

こういう形で説明し、補足的に説明をされたいということだが、その説明を聞くということについて了解を求めたい。よろしいか。

(各委員)

<委員了承>

(会長)

では、手短にお願いしたい。

(委員)

<模型を用いて説明>

この黄色いラインが買物公園と7条通、これが現庁舎、これが文化会館、ここが第二庁舎、第三庁舎になる。現庁舎の延べ床面積は1万3千平方メートルで、そのボリュームはこの程度である。

市の骨子にある2万3千平方メートルというボリュームは、およそこのぐらいである。資料にあった市の提案は建築面積が50m×35mで、この模型より5mほど幅が広くなっているが、市の案のボリュームはおよそこのようなものだ。私たちは、およそこの半分のボリュームでいいと考える。建物を多少シンボリックにするため、形をタワー状にして、配置は7条緑道の軸に合わせ、この位置(現庁舎と文化会館の間)、あるいは、もう一つの提案としては、この位置(第三庁舎敷地)でもいいのではないかと考えている。

市の骨子案どおりここ(現庁舎と文化会館の間)に建てると、このような規模になろう。

私たちが提案する整備のプロセスだが、まず最初に1期棟として1万3千平方メートルの新庁舎をつくる。現庁舎が1万2千3百平方メートルなので、新庁舎ができたら、現庁舎の中身をそっくり新しい庁舎に移す。もっとも中身の精査をすると、1期棟のボリュームに多少の増減はあるかもしれないが、話を簡単にするため、そのように考えた。

現庁舎の機能を新庁舎に全部移すと、現庁舎が空になるので、リファインをする。リファインというのは、耐震改修プラス設備や内装の更新のことである。そうすると、外観は現状を保ちつつ、中身は、見違えるように、いい庁舎に生まれ変わるはずだ。

次に、第三庁舎。これはおよそ6千平方メートルなので、その第三庁舎の中身を新しく改装した現庁舎に移す。現庁舎は1万2千平方メートル余りあるので、第三庁舎を移してもまだ十分に余裕がある。一番望ましいのは、その余裕ある部分に市民活動や市民交流をサポートする機能を入れることだと思うが、場合によっては、今、数か所に分散している庁舎機能をまとめて入れることも面積的には可能だ。

そのようにして、この二つの建物で必要な庁舎機能を満足させることができたら、その後、第三庁舎を取り壊し、そこを駐車場として整備する。そうすれば、今、市が考えている市庁舎をシビックセンターとして整備する計画が実現できる。

また、骨子では今の文化会館を壊して現庁舎跡地に建て替えるということだが、文化会館も保存して、今後も活用すべきだ。

文化会館は、平成10年に耐震診断を行っているが、大ホール、小ホールを含めて、ホール部分の耐震性は問題ないという結果が出ている。ただ、会議室など旧中央小学校の校舎を利用した一部に、耐震上、問題がある。従って、この部分だけを耐震改修し、ホールについては天井などに改修を施せば、まだまだ使えるはずだ。

2年前に、市はこの文化会館をどのように改修したらいいかを委員会で検討した。そこでは、もし耐震改修を施すとすれば、35億円ないし45億円程度でできると試算している。仮に、今の文化会館を壊して、現庁舎の跡地に新しい文化会館を建て替えるとすれば、恐らく100億円の規模になると思う。

先ほど市から説明があった全体の事業プロセスの中で、文化会館の部分は事業予算が抜けている。なかなかつかみ切れないということなのだろうが、今の私たちの案では、その事業予算を入れなくても17億円程度安くできることになる。もし文化会館を建て替える事業費を入れると、それこそ100億円近い差が出てくることになる。

先ほどの説明にあったように、市の財政が余裕のある状態ではないとすれば、できるだけ事業費を圧縮し、現在あるものを有効に使っていくべきだ。うまく使うというのは、なにも現状で我慢しろということではない。現在の建築をリファインすれば、本当に見違えるような庁舎ができるはずなので、そういう事業プロセスを進めるのが一番賢明なことではないか。これが私たちの主張である。

(会長)

今、委員から、自ら進められている中での提言があったが、基本的に2万3千平方メートルではなく1万3千平方メートルでいいのではないかという話だったと思う。この話題については、皆さんの意見を聞きながら、この後の部会にも反映し、共通で扱おうと思っているので、ぜひこの場で思われたことをお聞きしたい。

(委員)

旭川市役所を保存する活動があることは私も知っているが、思い切るときに思い切った方がいいのではないかと思う。

去年から話しているいろいろなものの構想を満たすための広さとしては、窓口部門を1つにするということになると、それだけの広さが必要になってくると思うので、1期棟と2期棟を合わせて3万平方メートルという面積を整備するのは妥当かと思う。

(委員)

委員は建築専門なので、貴重な建物だということを理解しているだろうが、市民にはそんなに関心がない。私としては、今の本庁舎を映像に残して、訪問された方が、昔の本庁舎はこうだったなというように公開、あるいは模型を展示するだけでいいのではないかと思う。やはり、今の庁舎は見てのとおり狭いので、広くして、何か所にも分散せず、1か所で手続でも何でもある程度できるようにした方がいいと考えている。

(委員)

商店街連合会の全体の意見集約をまだ行っていないので、それを代表しての意見が言えるかどうかはわからないが、来週の11日に庁舎建設に関する説明会があるので、連合会のいろいろな意見が出るのではないかと思っている。

三和商店街はそのエリアにちょうど入っており、7条緑道と買物公園が交差するあたりが中心であり、三和商店街の理事会や、若者が集う場所で無作為に意見を聞いたりしているので、そのようなことから話をしたいと思う。

まず、現庁舎を残すのは反対である。

1つは、総合庁舎は近いこともあり頻繁に行っているが、1階、2階は別にしても、3階から上はすごく狭い。今日も行ったが、5階へ行って、4階へ行って、また6階と、各階を上がったり下がったりした。これが1フロアにあったら本当に楽だと思う。フロアが本当に狭いので、これではリニューアルしても使い勝手が非常に悪いと思う。そういう意味でも、現庁舎は残すべきではないと考える。

もう1つの理由は、文化会館も全部残すと空地がなくなる。私は、商店街と仕事の関係で、総合庁舎と第二庁舎を多いときは1日に3回から4回、最低でも1回は往復する。その往復の間で一番感じるのは、信号が2つあり、それがすごく遠く感じる。信号を渡るか渡らないかはすごく大きなことである。両方が横断歩道なので、緑橋通は、特に冬は信号無視の車もあり非常に危ない。信号というのは非常に大きな距離感がある。

市の案にあるように、文化会館を壊すと、そこは駐車場になるということだが、信号を渡らずに庁舎を利用できるような空地、駐車場が必要だと思う。もちろん緑も必要だと思う。今の絵だと、駐車場は10丁目になるので、信号を渡ることになる。それがメインの駐車場になるのなら、50年、100年先まで考えると、距離感もあるし、非常に危険だと思うので、信号を渡らなくてもいいように、駐車場、空地は同じ敷地につくってほしい。

この2つの理由から、総合庁舎はなくした方がいいと思う。

(委員)

規模について、現時点で旭川市内に市民活動の拠点がありながら、市民活動、市民交流支援機能、シティプロモーション機能などの機能を持たせていく。また、民間の窓口機能として社協や商工会議所などの機能が新しく庁舎に入れるとすれば、今算定されている施設面積のほかにどのくらい増やす必要があり、逆に集約して施設の面積をどのくらい少なくするのかというように、機能に対して規模を考えて積み上げて計算しないと、算定の根拠がなかなかわかりづらいと思う。

今の庁舎の機能に対して施設面積がどのくらいあるのかを示して、新庁舎になるときにどれだけのプラスアルファがあるのか、また、どのように大きくなっていくのかということを考えても、なかなかイメージしづらいと思う。

(会長)

この基本構想については、昨年度、話が出ていた。平成28年3月に出た資料をお持ちだと思うが、これに新庁舎に必要な面積が書かれている。まず、この内容を認識していただきながら、今の質問に対してどうなのか、事務局で対応を願いたい。

(事務局)

今、会長からも話があったとおり、昨年度の審議の中で、我々は一定の試算を持って、それぞれの機能別に積み上げてきた面積が全体を合わせると3万6千平方メートルになったと説明してきたと考えている。

また、それぞれ機能別については、今回の骨子の8ページに大くくりの各面積を表現しているが、基本構想の中にも必要面積の算定結果ということで機能別に積み上げてきている。その上で、行政事務機能としては3万2千平方メートルが必要、議会機能では1、907平方メートルが必要という部分を積み上げてきているので、その上で、残りの第二庁舎を除いた3万平方メートルを1期棟と2期棟に分けると、それぞれに2万3千平方メートルと7千平方メートルが必要と骨子で説明している。

(委員)

例えば、8ページに、市民活動、市民交流支援機能は500平方メートルとあるが、その中にどういう機能が含まれるのかによって、それが大きいのか小さいのかが明確に分かる。例えば、CoCoDe(ココデ)の機能を新庁舎に盛り込むのか、それとも、そのまま残すのかということでも話が全く違ってくる。どこまでの機能を入れるのかという前提がないと、規模自体もイメージがつかないと思うので、規模の前に機能の検討が要るのではないかと思う。

(事務局)

市民活動支援機能については、例えば、CoCoDe(ココデ)の機能をこちらに持ってくるという前提のものではなく、新たな市の庁舎の機能として、ここがそのような機能性を持つという考え方である。

機能の具体的な部分を検討する前に規模を算定すると、そこが見えにくいのではないかということだと思うが、おおよその面積ということで、それぞれの機能に対して大体この程度が必要であるということを基本方針の中でそれぞれ網羅してきている。この後、基本方針の中でも、より具体的に突っ込んだ議論をしていただく中で、規模の部分にも言及してくる議論もあると思う。

ただ、これで決める訳ではなく、基本方針の議論の中で、それぞれの機能性について、ここはこんなに要らないのではないか、逆にここはもう少し増やしたらいいのではないかという意見などをいただいた上で、さらに全体会議の中で規模等を含めて基本計画について議論していただき、その中で集約することになると考えている。

(委員)

これからの検討の中でも、機能に合わせて、それが妥当なのかという検討もあり得るということなのか。

(会長)

既に返している答申書の中で、今のことに関係している部分は、職員数等を基準としながら算定すると、面積自体はおおむね妥当であると言っている。新たに追加する機能の必要面積という中で、市民に親しまれるシビックセンターの実現に向けてという旨が答申書に書かれている。これらの機能に必要な面積は、おおむね妥当と認めながらも、民間窓口機能についてはうんぬんという形で精査するということで、そういう点からさらに精査していくという形だと受け止めている。

また、これらの数字については、全く新しく出てきたものではなく、昨年の議論を踏まえながら出てきたものだという認識である。

まだまだ改善しなければならないのではないか、むしろ、もっと要るのではないかということも議論に加えたいということであれば、部会の中で発言していただければと思う。

(委員)

了解した。

(委員)

確かに、現総合庁舎の高層部は、1フロアの面積が小さいので、オフィスとして使いにくいということはあるかと思う。現総合庁舎を残すとすれば、市民活動機能などを入れるのが一番ふさわしいのではないか。

「北彩都(きたさいと)あさひかわ」の市民活動交流センターCoCoDe(ココデ)も、明治の建築物を保存、活用している好例だが、今、あそこは稼働率が大変高い。予約しようと思っても、なかなか思うようにならない。逆に言うと、あの種の施設に対する市民の要求度がそれだけ高いのだろうと思う。そういう市民の活動意欲に対する受け皿として、現総合庁舎は大変ふさわしい施設になり得ると思っている。

現総合庁舎を今後も市庁舎機能で使えば1万3千平方メートルの新庁舎で十分という話をしたが、もし新庁舎にもう少し市庁舎機能をもたせたいと思うならば、1万5千平方メートルか1万8千平方メートル程度になるかもしれない。仮にそうなったとしても、現総合庁舎を保存、活用する方策が、循環型社会におけるこれからのまちづくりのあり方だと私は思う。

(委員)

なるべくなら新しい建物にした方がいいと思うが、委員が言うように、耐震改修をした場合、外観が変わらないのか、あるいは、内部を耐震構造にした場合に使用面積が減らないのか、その辺をお聞きしたい。

(委員)

耐震改修では、柱と柱の間に筋交いを入れたり壁を入れたりするだろうから、有効床面積がそれなりに減ってくるとは思う。ただ、それを見込んだとしても、改修後もまだまだ十分な面積は確保できると思っている。

(委員)

外観のデザインは影響しないのか。

(委員)

例えば今の学校建築などで耐震改修すると、外壁に筋交いが外側からつけられたりするが、今回はできるだけ外観を今のまま保存しながら耐震補強をする方法を考えたいと思っているし、それは可能だ。

問題はそうした検討をまだ一度もしていないこと。その検討をきちんと行い、いろいろと考えたあげく、やはりどうにもならないというのだったら、最終的な結論として解体ということもあるかもしれない。

でも、これまで、そういう検討をほとんどやってきていない中で、やみくもに壊すというのは、文化財の扱い方としては乱暴だと思う。

(委員)

市の方で、検討したことはないのか。

(事務局)

既存の総合庁舎の改修については、市の方としても一定程度の検討行っており、全く行っていないということはない。

委員からも説明があったように、耐震改修をすると、柱とはりの間に筋交いを設ける形になるが、ほとんどの部分に筋交いを設けなければ耐震性を確保することは難しい。

もう一方では、そういった筋交いだけでは耐震性を確保するのがなかなか難しいということで、免震構造という建物の揺れ自体をなくしてしまうような工法を取り入れるということも併せてやらなければ、耐震性の確保は難しいというように、内部的な検討は行っている。

(委員)

庁舎の建替えについて、私は女性部会の代表として皆に意向を聞いたときに、今回は、建物そのものより、これから重視していかなければいけないのは安全性であり、耐震化をすることになると、かなりお金がかかってくるという話が出た。すばらしい建物であっても、世界的に有名な人が設計したとしても、やはり安全性を重視していかなければいけない。その中で、今、建替えの時期が来て支出しなければならないのであれば、今の建物をなくして、新しい建物を若い人たちに譲っていかなければならないという考えがある。

今の建物を残していきたいという気持ちはわかるが、安全で安心に生活をしていかなければならない旭川市民の大切な心臓部分、建物ではなくて今は全てコンピューターにデータが入っているのだろうから、そういうものの大切さを逆にうたっていかなければいけないと思う。

建物を残していく、残していかないという意見はさて置いて、建替えという方向の中で考えてほしいと思っている。そして、残さなければいけないものがあれば、そのものではなく、何分の1という形にして、旭川にはこんなに素晴らしい建築物があったのだという模型なりパネルを新しい建物の中に置いておくというのも1つの方法ではないかと思う。

(委員)

人命や財産を保全する上で、建物が丈夫でなくてはいけないというのは第一義的に大切なことである。だから耐震補強をして保全、保存していくべきであるし、人命尊重、財産を保全するという目的を達成させる改修は十分可能である。逆に、そのような検討なしに取り壊してしまうのは、旭川が持つ、全国に誇れる財産を失くすことになる重大さを是非多くの市民に認識してほしい。失くしてしまうと、後の喪失感が本当に大きいと思う。

この建物は、余りにも日常の景色の中になじみ過ぎてしまって、それほど重要なものという感覚を持てないところがあるのかもしれない。

先ほど、建築学会が本部の理事会で検討した上、学会の会長名で昨年12月に保存要望書を出したという話をしたが、それ以外にも評価事例があり、例えば「Casa BRUTUS(カーサブルータス)」というムック本がある。去年の9月に出た本だが、「日本が誇るモダニズム建築」という特集を組んでいる。この中で、北海道から二つの建築物が選ばれているが、そのうちの1つがこの総合庁舎であり、もう1つは、登別温泉科学館という北大の太田実先生がかつて設計された建物である。

「Casa BRUTUS(カーサブルータス)」の選定では全国から88の建築が選ばれているが、その選定理由は学会が選定したときのアカデミックな視点とは少し違う。日本が未来を志向した時代、すなわち、戦後の高度成長期を経て、大阪万博、石油危機のころまでの建築であることが条件の1つ。2番目は、造形、デザインに日本でしか見ることができない独自性があること。3番目に、日本の伝統や歴史的背景のもと、独自の発展を遂げたものであること。4番目は、観光資源になる可能性があることとなっている。つまり、学会の選定の根拠とはかなり違う視点で選んだときにも、この総合庁舎は入っている。そういう重要な建築物なのであって、これがある日、こつ然と姿を消すという事態は建築関係者として私には考えられない。

(委員)

これまでの審議会の中で、省エネや分散化、バリアフリー化などを検討した上で建替えの検討を続けてきたと思うが、委員の話を聞いていると、残す方が先に来ているという感じを受けて、違和感を覚える。

私としては、現庁舎を残せれば最もいいとは思うが、現状から考えると、建築されてからもうすぐ60年がたつという中で、当時建てた際には、建築価値が上がって賞を受けたかもしれないが、現在をみるといろいろな面で利用するのはかなり難しいと私は思う。

私は、旭川市に家があり、これからも住むので、できれば新しい庁舎で同じような賞をとるような建物を委員に考えていただきたいと思うので、その辺も検討していただきたい。

例としては、昔、東京の表参道に、賞を受けた同潤会アパートという古い建物があったが、そこは取り壊されて、現在、表参道ヒルズの一部となっている。そういう例もあるので、この中核都市の旭川として、できる限りの建築物をつくり、市民が主役として引き継いでいきたいと思っている。

(委員)

やはり全てをとるのは現実的に難しい中で、市民アンケートでも7割以上が取り壊してもいいという結果であった。

私は、一般市民として見たときに、文化価値がどうかとか、賞がどうかというのは、住んでいる者として見たとき、現庁舎のアンケートの結果に出るような状況が今の旭川なのだと思う。

これが建てられた私の父の時代は、社会科見学で皆で見に行こうというぐらい市の中心的シンボルだったが、今は、小学生が社会科見学で市役所に行こうとか、修学旅行で行くとか、皆が行きたくなるような場所なのかというところでは、正直、なかなか難しいと思う。

それは、歴史を知っているとそう思うが、歴史を知らない人が大多数という中で、形を残すことが伝えていくことより、歴史的意味を伝えることの方がもっと大事なのではないかとすごく感じていた。

面積については、2万3千平方メートルがいいのか、2万1千平方メートルならばどうなのかということは分からないが、資料5にある窓口部門だけで1万6千平方メートル以上が必要になってくるというところでは、少なくとも上から議会のところまでは一つにならざるを得ないと思う。特に、今、分かれてしまっている窓口部門をまとめてほしいという市民の大多数の願いをかなえるために、ある程度の面積になっても仕方がないと思う。

ただ、先ほど話があった下の方の市民活動の部分やシティプロモーションの部分については、もう少し具体的な図面を描いていく中で落とすこともできると思うが、少なくとも、上の機能を考えたときは3万平方メートル以上必要になると思う。

(委員)

今年から審議会に参加しているので、この面積がどういう経緯で決まったのかはまだきちんと把握できていないが、新しいものに建て替えた方が便利であり、活用しやすく、一番いい方法だと今まで思っていたが、今日、委員の話を聞き、少し考えが変わった。

表参道ヒルズのことが出たが、そのような整備の仕方もあったと思い出し、一部だけでも、市役所の機能としてではなく、別の機能として残す方法があってもいいと思った。3階から上の部分は危険を感じるので、建物の形は少し変わるかもしれないが、部分的に残すという方向もあっていいと思った。

(委員)

もともとはばらばらだった庁舎を1か所にし、駐車場が狭いので、市役所を使う市民としてはそこが良くなればいいと考えている。

1期棟、2期棟ということで、13年もかかると、2期棟が建ったときに、それが本当に必要なのかという話が出ないのか。また、第二庁舎を残す話であるが、第二庁舎は一番最後に整備され、2期棟が建った13年後以降にという話だと思うので、そのときに第二庁舎が本当に必要なぐらい、市役所の機能がそこに集中している必要があるのかどうか疑問になってきた。1期棟と2期棟はどうつながるのかもわからないので、今年度に入って疑問が出てきている。

また、窓口部門と書かれているところは1万6千平方メートルが必要で、今、1期棟の面積としては1、750平方メートルと記載されており、真っすぐな形で建つとしたら、10階ぐらいは必要なのかなど、疑問なところがたくさんある。

規模の算定として、1期棟を2万3千平方メートルで建てるというのは妥当だと思うが、2期棟は7千平方メートル必要ということで、10年後にその面積に建てる建物が要るくらい旭川市民がいるのか、そもそもインターネットで手続ができるだろうから、そのような箱が必要なのか疑問が出てきた。

(委員)

私は、現庁舎に文化財として残すだけの魅力があるのか、疑問を感じている。

また、市庁舎を建てるのと文化財として残す現庁舎を少し分けて考えている。文化財として残しても、老朽化しているので、今後、耐震改修なり直すこともあり、維持管理をしていくのにお金が非常にかかると思う。文化財として残すのはとても大変なことではないかと思うので、市庁舎と切り離して考えながら、どうすべきかというのが今の思いである。

(委員)

古い建物を維持、保全していくのにお金がかかるということは確かにある。今、旭川市彫刻美術館になっている旧陸軍第7師団の偕行社という建物は木造であり、最近、改修工事をしたが、そうしてでも残すべき建物は残していくというのが、この提言書にも書いたとおり、成熟したまちのあり方だと私は思っている。

先ほど委員から、私たちの上の世代にとっては思い出がある建物かもしれないが、私たちにとってはそれほどの感覚を持てないという話があった。私は、むしろ、私たちの後の世代、子どもや孫の世代に、このまちの歴史を物語る建築物をきちんと残すことこそ私たちの役割だと思っている。

(委員)

現庁舎を残すかどうかという話だが、私個人の考え方では、まるで何もなくすわけではなく、名残など、現庁舎の歴史的価値があるところは今後も残していかなければいけないと思う。

しかし、これから旭川市に人が来てもらうためには、歴史的な建物に魅力を感じて来てもらうよりも、新庁舎に魅力を感じて市外から来てほしいというのが私の考えである。歴史的な建物を魅力として観光客に来てもらうということもあると思うが、今後、人が住んでいくことを考えたら、新しい庁舎を建てて、利便性を高くすることを重視すべきだと思う。

ただ、歴史を残していくことも大事だと思うので、新庁舎を建てた際には、今の庁舎のレンガ造りの一部を見られる形にするなど、歴史的な部分はしっかりと残してほしい。

(委員)

私は古いものは残す必要がないという考えである。もし新しいものを建てるのであれば、旭川の顔として、今後、50年、100年通じるような建物を建てていくべきというのが私の意見である。

(委員)

観光に携わる者として、自分の中で意見が分かれており、うまく説明できない。

古いものを残して、観光にも十分につなげるというような話があったが、一部、そういったところもあるだろうという気持ちがある。逆に、新しくても魅力のあるものができれば、観光客に新庁舎を見ていただくなど、人を呼べるようになるのではないかと思う。

まだ、どちらがいいということの意見を言いかねている。

(会長)

私どもも個人の立場で意見を申し上げたいと思う。

(副会長)

委員が言う市民の文化度ということもよくわかるが、偕行社は旧陸軍施設で現存している中では一番大きなものである。また、ここの建物や、歴史的意義のあるものは保存してくれていると思うが、現庁舎は当時の日本建築学会賞を受けているが、それはデザインの面での評価だと思う。

日本建築学会賞というのは、毎年、日本中のどこかの建物に与えられて、それらの建物が、その後、保存されてきているのかどうかはよくわからないが、それだけで残していくというのはいかがなものか。むしろ、模型という話もあったが、そのようなコーナーを新庁舎内に設けて、現市庁舎を形として残していくということでどうかと思う。

また、新庁舎というのは、半世紀に一度建替えが巡ってくる、市民にとっては最もシンボライズな施設であるので、悔いを残さないように、市民に親しまれる市庁舎にできればいいと思っている。

(会長)

私は、この後、この審議をまとめていかなければならないが、委員個人として申し上げたいと思う。

委員の方々が発言されるのを聞いて、気持ちとしてはわかっているつもりである。私は、大学教員の身であり、その立場から文化財についてそれなりの考えはある。旭川で生まれたわけではないが、ここに住民票を出しにきたときから、この建物が高名な建築家の設計による建物であることを知っていた。それが意味することや建物が存在することの価値の高さを思うとともに、その建築家による建物は旭川ばかりではなく、全国にあることも知っていた。

ここに来て、その建物にかかわってどうしていくのかということを個人の立場で申し上げるとは夢にも思わなかったが、外から見ている部分と、先ほども住民としてはという言葉があったが、いわば、皆さんが生まれるずっと前から住んでいて、この後も住み続けるという形の中での捉え方には違いを感じる。両者の目線に立って今、新しく建てるのがいいのか、昔を残して、これから100年、200年と文化を引き継ぐのがいいのかと問われたときに、大変難しいものがある。

結果私は、住民の目線に共感するところである。何よりも職員の方々が現実に働いて、地震はないと思うが、これが本当に潰れてしまったらどうしたらいいのか、誰が責任をとってくれるのかと言われたときに、多分、どなたも反論ができないと思う。

低層の2階建てをつくり、狭いフロアで垂直線を立ち上げたという設計思想はモダニズムの一つの象徴的な現れのように思うが、その構成自体がモダニズムなのであって、実際の使い勝手についてはどうだったのかということは、今、考えなければならないと思っている。

保存を訴える委員の気持ちは十分分かりながらも、住民の目線を考えなければならないと思うというのが私の意見である。

(委員)

今日の私は多勢に無勢であるが、もう一言。現庁舎が日本建築学会賞を受賞した1959年に、学会賞にノミネートされた作品は37件あった。実は総合庁舎と同時に受賞した庁舎がもう一つあった。千葉県の大多喜町役場である。今は人口1万人ぐらいの小さい町の役場で、千二百平方メートル程度の建物なのだが、実は、その建物も学会賞を受賞している。設計したのは、今井兼次という早稲田で長く教べんをとっていた先生だが、その建物が同じ年に学会賞をとった。総合庁舎とほぼ同じころにできた建築だが、6年ぐらい前に、保存を決め、増築し、新しい庁舎として生まれ変わり、ユネスコ文化遺産のアジア太平洋遺産賞を受賞している。その賞の受賞理由にはこう書いてある。

「1959年に建設されたモダニズム建築の大多喜町役場は、その価値が見過ごされ、一時は解体の危機に瀕したのであるが、この度、大変きめ細かな取り扱いのもと、修復され、その結果、歴史ある公共空間を地元で継続して活用できる形で再生された。修復工事では、劣化したコンクリートや鉄骨の構造材の補修に焦点が当てられ、今日の建築基準法に適合するように耐震補強も導入された。本事業の成功は、複数の公共及び民間関係者による尽力と、日本建築家協会の先見性によってもたらされたものである。この町役場が救われたことにより、国内で存続の危ぶまれる他の20世紀日本建築の置かれている状況にも目が向けられることになると思う」。

大多喜町役場も価値が見過ごされて解体の危機に瀕していたが、結果的には残された。もちろん耐震補強をし、リファインして、新たに造られた建築とともに今も活用されている、そういう事例もあることを紹介しておきたい。

(会長)

一つの議題として、2万3千平方メートルはいかがなものかということを糸口にしながら、重要な議題であった建物を残すのかどうかについて時間を十分に割いてきた。この後、この議題を打ち切ってしまうわけではないが、これだけの時間を費やした審議について、一つの区切りを打ちたいと思っている。

先ほどお聞きしている中では、ここにいる委員は、乱暴に壊すというわけではないが、そちらをとらざるを得ないと考えている方が多いように思う。

今日、2万3千平方メートルについて決をとる形になるが、私自身、そう受け取ったのだということは言いたいと思う。いわば、この後、審議を進めていく中で、そういう意向が大変強く、その中で議論を進めていくことが建設的だろうと思っている。

議題に戻るが、1期工事の2万3千平方メートルについて、強い反発があったとは思っていない。むしろ、経緯をさかのぼっていただくと、窓口機能であったり、議会機能であったり、市庁舎として基本的に設けなければいけないものを考えると、この面積がどうしても必要なのだということは、昨年度のデータで十分語られている。先ほど、いろいろな窓口が1か所にないと困るだろうということは十分是認できるということを指摘された。実際に、改めて、この議論の正当性はどうだということは説明できないが、委員の方々は、その面積で1期工事を進めていくという考えには賛成であると受け取ってよろしいか。

(各委員)

<委員了承>

(会長)

それでは本日の議題である新庁舎規模について、資料5に示される記載を前提として、今後の各部会での検討をお願いしたい。

(各委員)

<委員了承>

次回の審議会について

第1部会は 7月27日(水曜日)

第2部会は 7月28日(木曜日)

時間はいずれも午後6時30分から開催し、場所は今後調整し、改めて事務局から案内することで了承された。

閉会

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