旭川市総合計画市民検討会議第2分科会第2回会議の記録
日時 |
平成26年7月9日(水曜日)18時30分~20時30分 |
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場所 |
旭川市1条8丁目フィール旭川 7階 |
出席者 |
委員9名 青木委員、泉澤委員、太田委員、大橋委員、片岡委員、佐藤委員、鈴木委員、竹内委員、横田委員(50音順) |
欠席委員 |
森田委員、吉田委員 |
会議の公開・非公開 | 公開 |
傍聴者の数 | 0名 |
会議資料 | 次第(PDF形式 40キロバイト) |
会議内容
1 座長あいさつ
- 座長からあいさつと、前回会議の振り返りを行った。
- 「旭川を良いまちにする」ために協力するということと、目標は高めに設定するが、実現可能な案にするという共通認識を持って提言を行う。
- 本日の提言発表の進め方を確認。持ち時間は一人15分で発表10分質疑応答5分とした。
2 提言発表
提言発表(1)
(委員)
- 団塊世代のリタイヤ人材の活用について、同期会で友人に聞いてみたところ、リタイヤした人たちは、自分の能力を社会のためにどこかで発揮することを望んでいるが、どこに接触したら良いか分からないという人たちが多くいた。
- 社会の第一線で活躍していた人たちに、できる範囲でボランティアなどで活躍してもらうべきである。
- 実際には、そういった情報については、色々調べないと分からないため、情報の一元化が重要だと思う。
- 市役所の庁舎整備に合わせて交流の場を設けてはどうか。若い人が何かあると思って来れば、リタイヤ世代との交流も生まれ、何か手伝えることもあると思う。問題は誰がやるかということ。これからは、リーダーの養成が必要で、公的機関も協力しながら色々な世代の人材を育てていく必要がある。
- 資金についても、自分たちで考えて確保していくことが重要である。市内にNPO法人が多くあるが、どのように作ったら良いのか分からないので、人材育成や活動支援などに取り組んでいくことが大切である。
(委員)
大学でも高齢者を招いての交流会などを行っており、民生委員とも交流する機会がある。大学をもっと活用してもらい、共に学び合うことができればと思う。
(委員)
そこに行けば何があるか分かり、市民が集える拠点となる場所ができ、市民に情報として広がり、共通認識となれば良いと思う。
(委員)
キャリア教育は、学校だけではなく、地域の人たちの協力も必要である。
帯広では、リタイヤ世代の方がコーディネーターとして活躍しているため、今後旭川でもできれば良い。
(委員)
若い世代は忙しいため、校長や教頭をやっていた人や、企業でバリバリ働いていた人に出てきてもらって、人材育成していくことが重要であり、ある程度の年齢になり悠々自適に暮らしている人に活躍してもらわなければ、人口減少が進む中、社会がうまく回っていかなくなる。
(委員)
そういった人たちに講義をお願いしたい場合に、どこに行けば良いのか分からない。
(委員)
情報が集中する場がないと、せっかくの活動が生かされずもったいない。リーダーをまとめていくと更に良いことができると思う。
(座長)
情報集約やコーディネーターの育成が重要だという意見だったと思う。教育・文化においてリタイヤ世代はどのようなことができそうか。
(委員)
市民の誰もがいつでも集える場を作り、サポートすること。
若い父母への援助、適齢期の男女への援助を、人生経験やキャリアがある学識経験者や、公的な役所にいた職員も担ってくれればと思う。
(座長)
本分科会のテーマである教育・文化のレベルを上げるにはどうしたら良いか。
(委員)
自分の分野であれば、子育てのアドバイスや情報等を伝えることなどができる。
また、教師であれば、得意分野を生かし問題行動やいじめなどの問題へのアドバイスをすることができる。
(座長)
親に対する教育ということや悩み相談などでリタイヤ世代が活躍できるという趣旨の意見だと思う。
(委員)
各種相談窓口について、知らないところには行きにくいということがあると思うので、リタイヤ世代がいる場であればフランクに相談できると思う。
(座長)
子どもを育てることについてはどうか。
(委員)
子どもを生んで育児休暇を取っている教員などがいれば得意分野を生かして支援できると思う。
(委員)
相談窓口は既に色々存在しており、子育て相談や預かりの情報は知っているはず。広報に問題がある。そこに行くかどうかは本人次第である。
(委員)
ただ、行きにくいということ。
(委員)
行きやすいように相談窓口を新たに作るということではなく、利用する側の意識の問題だと思う。
(委員)
今あるものを大事に使っていくのも一つの方法だが、情報が一元化された場所があれば便利だと考えた。
(委員)
気楽に行けるような環境づくりが重要だと思う。
(座長)
既存のものをどのように活用するか。現状について情報を集め、分析しながら良い方向に変えていくという提案がこの分科会でできればと思う。
提言発表(2)
(委員)
「旭川市」と「看護大学教育」を結ぶ―次世代をつなぐ医療の人材育成に向けて
- 大学教育と旭川市をどうつなぐかが課題であり、旭川市にしてほしいこと、自分ができることを提言したい。
- 看護教育は、古くは職業教育から始まったもので大変厳しいもの。医療人の育成のためには、学生の意欲、自信を育てることが重要で、それが自らの専門職を決定づけるものとなる。そのためにどのように学生を育てるべきか常に考えている。
- 准看護師は看護師と同様に医療に関わる。看護では、深い人間理解と豊かな人間性、正しい倫理観が重要であり、大学教育によることが必要ではないか。
- 最近の学生は、社会人基礎力が低いが、見方を変えて良い面を見てあげることが重要
- 学生を学内に留めるのではなく、地域や市町村等とのつながりといったネットワークが重要視されるべきである。今できることは、学生に様々な見本を見せることで夢を抱いてもらえるように、学生を旭川市内に出していくことである。大学や臨床のみならず、他の分野の人と出会い、人間関係を築き、学習の場を拡大していけたら良い。そうすれば旭川のことも好きになると思う。
- 看護職としての資質向上を目指して今後とも学生の育成に取り組んでいきたい。
(委員)
学生の現状はかなり深刻な状況でどうにかしなければ、5年後、10年後に子どもが社会の中心を担う時には大変になると思う。
(委員)
親の立場からすると耳が痛い。地域とのコミュニケーションは大学教育に限定するものではなく、大学に行かない子どもたちにももっと早い段階で行っていくべきである。
(委員)
中高生も大学に来てもらえればと思う。地域も含めみんなで学び合えればと思う。
(委員)
今の学生は人と人との関わり合いが薄い状況、機械があればやっていける社会で、一般常識も変わりつつある。
上手にやっていかないと押しつけでは難しい。
大震災で人と人とのつながりの重要性が見直されたが、人は人、自分は自分というところがあり、大学はそうした社会背景を意識しているとは思うが、状況が変わっていることを認識しておくことが重要。
(委員)
互いに議論しながら何が正しいのか導き出すこと、すなわち「対話」が重要だと思う。「対話」から生まれることがある。
(委員)
人間としての絶対的なものがあり、それが崩れてきているのかは分からないが、その辺をうまく捉えていかないといけない。
今の子どもは物質的に豊かであるが、心は多少冷たいというところもあるかもしれない。
社会がどう受け皿となっていくのか。人と人とのつながりを上手に築きながら目的を達成できるような人材育成を目指すべきである。
提言発表(3)
(委員)
- 「旭川市の教育・文化に関する提言」
- 提言1 キャリア教育の推進
- 提言2 学校改革の推進
- キャリア教育は、文部科学省では更なる充実という方向性が示されているがいっこうに進んでおらず、市の教育方針にも記述がない。
- キャリア教育とは、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促す教育
- キャリア発達とは、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程
- 普通科の高校生が就職できないという問題がある。総合大学に行き、希望ではないところに就職し、やめてしまうことがある。
- コミュニケーション能力はそんなに低くないというデータがある。自分達で考えない、言われたことしかやらないことが最大の問題点
- 引きこもりが全国で63万人。3年離職率は、全国平均は753。中学が7割、高校が5割、大学が3割。北海道は8・6・4。
- キャリア教育には学校内での取組と学校外での取組がある。学校外は結構進んでいるがお金のある家、親の意識が高い家しかキャリア教育を行えないという問題点があるので、学校内での取組が重要
- 学校での職場訪問などイベント型の教育が不足しており、更に責任を持って行動するといった教育が行われていないのは、教員や学校、市教育委員会に問題がある。
- 旭川で育った子どもに期待する未来像は、高い知識や技術を身に付け、日本や世界に寄与できる存在になってほしい、または、旭川に還元できる存在になってほしい、地元旭川で仕事をして、結婚して、子育てをして旭川を盛り上げる存在になって欲しい。
- そのためには高い技術や知識に触れる機会がなければならないが、キャリア教育は進んでいないし、旭川らしさも教育に取り入れていない。
- 自分が教えた子ども達が社会で通用しないのは自分の責任だと思う。同僚には自分が校長になってやれば良いと言われるが、そのような時間はない。旭川市の教育にけんかを売るような提言だと思うが、旭川市の教育は慎重なのであえて主張したい。全国ではもっと積極的なところがある。
(委員)
キャリア教育については、学校が関わって小学校低学年から事細かくやっており、キャリア教育自体の必要性はある。
以前は進路指導という取扱いだったが、実際に体験的なものは少なかったため、今後も進めていくべきである。
提言2については、個人的な思い入れであり、分科会からは発信できないと思う。民間校長など実際には失敗した事例もある。
昔の看護養成所では、看護だけではなく、アルバイトを通じて社会性を学んできたと思う。
根本は家庭教育である。未熟な大人が指導しており、本来の家庭教育の在り方が欠けているため、人と対応する常識が欠けるようになったのではないか。
(委員)
家庭教育が一番だとは思うが、親が平均的なところまで成長していない。家庭教育を今後どのようにやっていけばいいかということ。
高い技術というが、旭川市には刺激がないと思う。市政が悪いとは言わないが、根本的なところをしっかり対応していかないといけない。
(委員)
私たちが知らないだけで旭川には世界を相手にするような技術はある。民間校長の事例は、問題になったところだけが大きく取り上げられている。
成功しているところは多い。
校長や教育委員会が未来像を描き、市に貢献できる人材を育成しなければならない。
(委員)
東京で広告業をやっていた立場から、旭川はデザインや家具で有名だが、ある時、市のポスターを見たところ、デザイン力が皆無であり、デメリットになるので使うのはやめた方が良いと言ったことがある。
広告には伝達力、やる気を起こさせるパワーがある。広報誌もそうだが、色々なことにもっと取り組むべきである。
(委員)
広報力がなければ、宝の持ち腐れになるという話だったと思う。
キャリア教育については、具体的に効果を上げた事例を紹介した方が良いと思う。積極的に取り入れるべきと言うことが伝わってこない。
ある意味広告力、プレゼン力が問われる。キャリア教育に時間をかけすぎると他の時間が減るので要はバランスの問題だと思う。
提言発表(4)
(委員)
PTA連合会の立場から
- 各学校のPTAとしてできること。
- 家庭・学校・地域との連携による地域の活性化
- 積極的な地域行事への参加
学校行事、地域のおまつり、町内会とのかかわり
- 地域の方との安全・安心なまちづくり
町内会と一緒にこどもの見守り、お年寄りの見守りなどのボランティア、
防犯・除雪の取組に積極的に参加
- 学校行事への参加
- 各家庭教育の充実について付け加えたい。
- 市PTA連合会としてやっていること
- イベントへの積極的な参加
市のイベント(烈夏みこし、冬まつり)や大きな行事への参加
体験活動などの主催
- 歴史や伝統の親子共有
- 地場産業の職場体験(JAの田んぼアート)
- 自然を生かしたイベント主催(冬のファミリームーブメント)
子どもたち主体(企画・運営)のイベントを親が支えることは、郷土愛を育てることにつながる。
地域企業との職場体験イベント主催・共済することは、地元の職場を知り興味を持ってもらうことで就職につながる。
歴史や伝統を伝えるイベントを企画し、郷土愛を育てるための学びの場を創出
- 親・先生への学びの場をつくる
- 地域連携・子育てにおける学び(研究大会・母親研修会)
- テーマをより良いまちづくりとし、内容を考え、多くの親と一緒に考えることで家庭教育の充実につながる。
- 教育環境の整備
少子化問題など様々な課題について、市教委との懇談会やOBの先生と共に考えている。
限られた予算を有効により良く使われるように市に訴えることが、PTAの仕事でもある。
- 家庭教育について自分も耳が痛いが、研修の場で気づきを得られることが多いので、そういった親の教育の場所が重要と感じている。
(委員)
自分は親としてPTA活動に参加できなかった。一部の人たちがやっているという印象があるが実際はどうか。
(委員)
PTAも仕事を持ち忙しい人ばかりだが、やろうと思えばできる。活動は分野で分かれており、みな忙しい中取り組んでいるが、各学校では担い手不足であり、サポーター制度で全員に役割を持たせるといった取組も行っている。実際には、PTAをやって良かったという声が多い。
(委員)
キャリア教育では、学校と地域とを結ぶ人材(コーディネーター)が必要と言われており、リタイヤした人かPTAがやっていることもある。
先生方が分からないことをPTAで話をつなぐシステムができているところもある。キャリア教育推進にはPTAの役割が重要だと思う。
(委員)
親からの意見の方が市教委が尊重しやすいという面もあると思う。
(座長)
組織づくりがうまくいけばと思うが、多忙の中でどこまでやれるかということ。
(委員 )
他の市町村では、市長がリーダーとなり声かけを行っており、そのようなところはうまくいっていると聞く。
(座長 )
体験活動が重要だと思う。三浦綾子作文コンクールの応募作品の中に、小学生が百人一首で高齢者と交流する話があったが、普段は合わない世代との交流でかわいがられ、話す機会も増え、コミュニケーション能力も高まると思う。
どの分野でもいいが、できれば継続的に、単発でもそういった仕掛けが必要。場は市から公民館を提供するなどの支援を行うことも考えられる。
色々な人に関わってもらえば子育ての間接的な支援にもつながるし、リタイヤした人たちから職業の話も聞ける。幅の広い見方ができればと思う。
各PTAでいつでも紹介可能な高齢者の人材バンクなどを設けるのはどうか。
(委員)
近文小では社会福祉協議会が主体となり、子どもの見守りを行っている。PTAの研究大会でも取り上げる予定だが、親も学ぶことが重要である。
親は忙しいので地域に頼る。そして親は世話になった分だけ、地域に恩返しする。そういった考え方が重要だと思う。何か課題があれば地域で良い循環が生まれると思う。
(委員)
旭川の学校では、それぞれ良い取組がたくさんあるが、知られておらず活動がつながっていない。
そのため、集まって情報収集できる場が必要である。キャリア教育は、5年、10年かけて作り上げたものであり、まさしく教育そのものだと思う。
社会に通用する人材を育てることが教育であり、教育の立て直しが必要
(座長)
学校現場では、キャリア教育が全てではない。本当にやらなければならないことをやらずに取り組むことには懸念がある。要はバランスだと思う。
(委員)
教員の仕事は成果が見えにくく、10年後に結果が出る。自分自身過去に反省もある。根本的に教員の考え方を見直していかないとダメだと思う。
5年後、10年後の成果に対して責任を持つべきである。
(委員)
キャリア教育が大切なのは分かるが、学校や親は「何かになりたいから勉強する」のではなく、とりあえず「勉強しろ」ということが多い。
キャリア教育については、具体的な案を出していかないと、特別な話に聞こえてしまう。どういう成果があるのか、就職につながるのか示してほしい。
そうでないと「良い大学に行かせたい」というのが親の気持ち
(委員)
自分は自分が担当した子どもたちへの教育に自信を持っている。キャリア教育は、学校教育の一部分であり、全てではない。
(座長)
社会に適応できる人間を育てるのが学校であるということではなく、家庭事情、得意な分野、発達状況など、その子どもによって状況は異なる。
それらを総合的に踏まえた上で、グローバルな視点に立たなければならないと思う。
その中で何ができるのかを考えていくことが大事なのではないか。企業で教育をするということも取り戻さないとならない。
教育ではなく社会そのものに問題があるようにも思える。そういったことを幅広く考えていく必要がある。
(委員)
キャリア教育について、一分野を捉えてはいるが、全体を見過ごしてはいけないと思う。
いつの時代もしっかりしている子どもとそうでない子どもがいる。
日本の教育が今あるのはこれまで教育の現場が努力して底上げを図ってきたから。教育と学習の違いを考えるべきで、自ら学習することが重要である。
なぜキャリア学習にしなかったのかが疑問・自分の好きな道は自分で探すのが良いと思う。自分でやりたいことがあれば、必ず自分で探すと思う。
今の若者は自分たちの世代に比べて圧倒的に優れていると思う。
3 本日のまとめ
- 相談窓口や地域拠点、キーパーソンを作ることなど、提言につながる話があったと思う。
- 第4回のまとめはKJ法的にまとめる予定
4 次回以降の予定について
- 第3回(提言2)、第4回(まとめ)という流れで進めることを確認。
- 第3回(提言2)は、残りの5名から提言発表を行う。
- 多岐に渡った部分は、他の分科会とも調整するが、落としどころは「教育・文化」なので、幅広く「教育・文化」に絡めつつ得意な分野からの提言をお願いしたい。
5 その他
- 日程調整の結果、次回第3回は8月25日(月曜日)とし、第4回は9月12日(金曜日)の方向で本日欠席されている方に伝えて決定したい。
- 第4回は分科会の最終回なので、できるだけ全員が参加できるように調整したい。
- 事務局から地域活性化モデルケースについて概要説明
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