第8次旭川市総合計画 骨子(案)

情報発信元 政策調整課

最終更新日 2016年2月24日

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(ご意見を伺う範囲はここからです。)

目次

計画策定に当たって

1 名称 ページ1

2 構成及び期間 ページ1

3 役割及び機能 ページ2

基本構想(将来ビジョン)

1 計画策定の趣旨

(1)これまでのまちづくりの歩み ページ6

(2)まちづくり基本条例に基づく初めての計画 ページ6

2 基本構想の目的及び期間 ページ7

3 まちづくりの展望

(1)本格的な少子高齢・人口減少社会への対応 ページ8

(2)地域コミュニティの創生 ページ9

(3)安全・安心な暮らしの確保 ページ10

(4)地域経済の基盤強化とグローバル化への対応 ページ11

(5)自治の進展と厳しさを増す財政運営 ページ12

4 まちづくりの基本的な考え方 ページ13

5 目指す都市像 ページ14

6 都市像の実現のために ページ15

7 都市構造の方向性 ページ19

(参考資料)

  • 主な策定経過 ページ21

計画策定に当たって

目指すまちの将来像の実現に向けて、市民や行政をはじめ、多様なまちづくりの担い手が、それぞれの役割と責務を果たしながら、相互に協力し合いまちづくりに取り組むとともに、本市の有する地域資源や拠点性を最大限に生かし、住民福祉の増進を図り、北北海道の拠点都市としての更なる発展を目指すまちづくりを進めるための指針として新たな総合計画を策定します。

この総合計画は、総合的かつ計画的な市政運営を図るための分野別各種計画の基本となる最上位の計画です。

1 名称

第8次旭川市総合計画

本市では、これまで7次にわたり、その時代ごとの将来を展望して総合計画を定め、市民や行政などが共にまちづくりに取り組んできたところであり、その歴史的経過を踏まえた表現としました。

2 構成及び期間

総合計画は、「基本構想」と「基本計画」で構成します。

さらに、総合計画に掲げる目標に向けた施策を具体的に推進するための「推進計画」を合わせて策定します。

(1)総合計画

ア 基本構想(将来ビジョン)

基本構想は、「旭川市まちづくり基本条例(以下「条例」という。)」に掲げる理念等に基づき、市民や行政などが目指す都市像とその実現に向けた基本的な方向性(基本目標、基本政策の概要等)を共有し、総合的かつ計画的にまちづくりを進めていくための「将来ビジョン」です。

条例第17条第3項の基本的事項に該当し、議会の議決が必要です。

(期間)

平成28年度(2016年度)から平成39年度(2027年度)までの12年間とします。

イ 基本計画(基本政策プラン)

基本計画は、基本構想に掲げる目指す都市像や基本目標の実現に向けて、基本政策ごとの取組の方向を体系的に明らかにした「基本政策プラン」です。

さらに、基本政策に掲げる目標の達成度合いを客観的に計る指標を設定するとともに、本市の諸課題の解決に向けて「選択と集中」を図り、特に重点的に取り組む「重点施策」を新たに設定します。

(期間)

基本構想と同様に、平成28年度(2016年度)から平成39年度(2027年度)までの12年間とします。

なお、基本計画の実効性をより高めるため、社会経済情勢の変化等を踏まえて原則4年ごとに見直します。

(2)推進計画[推進プログラム]

推進計画は、総合計画で示す基本目標、基本政策、重点施策等を踏まえ、これらの目標達成に向けた施策を着実に進めていくための取組や事業を明らかにした「推進プログラム」です。

なお、推進計画は、原則4年間の計画とし、財政収支の見通しをはじめ、目標の進捗状況や施策・事業の効果を見極めながら、最適な手段を選択するため、毎年度見直します。

3 役割及び機能

第8次旭川市総合計画は、目指す将来の都市像と、その実現に向けた取組を総合的かつ体系的に明らかにした中長期的なまちづくりの方向性を示すものであり、次の役割を担います。

  • 市民や行政をはじめ、多様なまちづくりの担い手が、協力してまちづくりを進めるための指針
  • 市政運営における最上位の計画として、市各部局がその使命と役割を踏まえ、様々な施策や事業を構築し、推進するための指針
  • 国や道をはじめ、圏域自治体、関係機関に対して本市のまちづくりの方向性を明示し、必要な施策や事業の推進に当たり調整、連携を図るための基本的な指針

また、これらを踏まえ、次の点を考慮し、計画を策定します。

(1)重点施策を明確にした計画

今後も厳しい財政運営が予想される中、これまで以上に選択と集中により施策の推進を図る必要があるため、諸課題の解決に向けて、計画の施策分野の中から、特に戦略的、横断的に推進する取組を「重点施策」として明らかにします。

(2)実効性のある健全な市政運営を進めるための計画

目標の達成に向けて、行政外からの意見を反映する評価体制を構築し、透明性と実効性を高めるとともに、限られた行政資源(ヒト・モノ・カネ)を効果的、効率的に活用する仕組みづくりにより、健全で安定した市政運営の推進を目指します。

(3)社会経済情勢の変化等に柔軟に対応できる計画

昨今の著しい社会経済情勢の変化や国の施策の動向等に柔軟に対応するとともに、市長任期との連動性の観点から、基本計画を原則4年ごとに見直します。

(4)市民・地域主体の新たな自治を目指す計画

条例や旭川市地域自治推進ビジョンに基づき、市民や行政をはじめ、多様なまちづくりの担い手がそれぞれの役割を果たし、相互に連携、補完し合う新たな地域づくりを進めることにより、市民主体、地域主体のまちづくりの充実を目指します。

(5)目標中心型の計画

「どのようなまちにするか」という目標を明示し、その実現に向けて、最適な手段である施策・事業を創意と工夫によって構築していく「目標中心型」の計画とします。

(6)まちづくりの成果が見える計画

目標の達成度合いを客観的に計る指標を設定し、計画の進捗状況や取組の成果が市民に分かりやすい計画とします。

(第8次旭川市総合計画の概要)
第8次旭川市総合計画の概要

第8次旭川市総合計画

基本構想(案)

(将来ビジョン)

1 計画策定の趣旨

(1)これまでのまちづくりの歩み

本市では、昭和31年度に策定した「大旭川建設計画」以来、「第7次旭川市総合計画(平成18年度~平成27年度)」まで7次にわたり市政運営の長期的な方向を示す計画を策定し、総合的、計画的にまちづくりを進めてきました。

また、昭和35年の「市民憲章」の制定をはじめ、「安全都市宣言」、「平和都市宣言」、「健康都市宣言」、「長寿都市宣言」を行い、質の高い暮らしの確保やより良い地域社会づくりに取り組んできました。

平成12年4月には中核市に移行し、保健所を設置するなど事務権限の拡大により、更なる市民サービスの充実に努めてきたところです。

さらに、平成14年には「旭川市市民参加推進条例」を制定し、市民と行政の協働を基本とした市民参加のまちづくりを推進しています。

平成22年には「旭川市議会基本条例」が制定され、また、平成26年にはまちづくりの基本的な考え方や仕組みを定める「旭川市まちづくり基本条例」を制定し、この条例の前文において、

私たちのまち旭川は、北海道のほぼ中央にあり、大雪山連峰をはじめとする雄大な山々に囲まれ、石狩川など多くの川が流れる、豊かな自然と四季折々の情景に恵まれた美しいまちです。古くから自然と共生し暮らしていたアイヌの人々と、開拓のために移り住んだ人々をはじめ多くの先人が、たゆみない努力を積み重ね、北国独自の文化と多様な産業を育むとともに、北海道の交通の要衝として、経済、医療・福祉、教育などの都市機能と自然が調和したまちを築いてきました。

こうした自然や歴史、文化、産業などの多くの地域資源は、かけがえのない財産であり、私たちにはこれらの財産を守り、育て、次の世代へとつなげていく責任があります。(中略)

このまちを育てていくのは、私たち自身です。私たちは、このまちに誇りと愛着を持ち、より一層活力と安心に満ちた、支え合って暮らせるまちに向かって、市民の力とまちの素晴らしさを信じ、力強く歩んでいきます。

と、本市の歴史や特徴、まちづくりに関する市民の思いや決意を述べています。

第8次旭川市総合計画は、この条例の趣旨を踏まえ策定します。

(2)まちづくり基本条例に基づく初めての計画

昭和44年以降は、地方自治法に基づき市町村には基本構想の策定義務がありましたが、平成23年にその規定が廃止され、基本構想の策定については市町村の判断に委ねられました。

このため、本市では、条例第17条で総合計画を定めることを規定し、この条例に基づく初めての計画として、第8次旭川市総合計画を策定します。

2 基本構想の目的及び期間

基本構想は、条例に掲げる理念等に基づき、市民や行政などが目指す都市像とその実現に向けた基本的な方向性(基本目標、基本政策の概要等)を共有し、総合的かつ計画的にまちづくりを進めていくための「将来ビジョン」です。

条例第17条第3項の基本的事項に該当し、議会の議決が必要です。

(期間)

平成28年度(2016年度)から平成39年度(2027年度)までの12年間とします。

3 まちづくりの展望

本市の持続的な発展を目指していく上で、次の5つの観点から、これからのまちづくりを展望します。

(1)本格的な少子高齢・人口減少社会への対応

(展望)
計画最終年度の平成39年度における人口は、31万2千人と現在(平成26年10月1日)よりも約3万5千人減少する一方、世帯数は17万7千世帯と1千世帯増える推計となっており、高齢化率も29.3パーセントから36.5パーセントとなるなど、今後、本格的な少子高齢・人口減少社会を迎えます。
このため、人口減少の抑制に向けて、市民が生き生きと学び、働くことができる環境づくりや安心して子どもを生み育てられる環境を整えるなど、まちの活力の創出と次代を担う人材の確保などの中長期的な対応が求められています。
また、高齢化が進行する中、誰もが住み慣れた地域で生きがいを持って暮らせる社会環境づくりが重要です。
将来推計人口と世帯数の推移の図

(参考(現状と課題))
我が国の総人口は、平成17年に初の減少に転じ、その後一旦増加したものの、再び減少傾向にあり、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、今後も更に減少していくとされています。
本市の人口(住民基本台帳人口)は、昭和58年に36万人を超え、昭和61年の365,311人をピークに長く36万人台を維持してきましたが、死亡数が出生数を上回る自然減と転出が転入を上回る社会減による人口減少が続き、平成18年に36万人を割り、平成25年には更に1万人減少して34万人台となり、現在も減少傾向にあります。
また、本市の合計特殊出生率注意1は平成20年以降1.2台に上昇したものの、改善の見通しは不透明な状況にあります。さらに、高齢者人口の増加に伴い、介護・福祉サービスを受ける人数が増加し、ニーズが多様化する中、従来の行政サービスだけでは、このような状況に柔軟に対応することが困難となってきています。
少子高齢化、人口減少の進行は、地域コミュニティの衰退、経済活力の低下、社会保障関係費の増大や税収減少による財政悪化等、市民生活や社会経済活動、行政運営等への大きな影響を与えることが懸念されています。
注意1 調査年次の15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が、仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に子どもを生むと仮定したときの子ども数に相当します。

(2)地域コミュニティの創生

(展望)
地域の魅力や課題は、そこに住む人が最も熟知していることから、地域住民やNPOなどの新たな公共の担い手の力を生かし、温かなつながりの中で安心して暮らせる地域を、多様なまちづくりの担い手が共に創り上げていくことが求められています。
このため、町内会や市民委員会、地域まちづくり推進協議会、NPOなどが、主体的にあるいは行政との協働により課題解決に取り組むとともに、地域ごとの魅力や特性を生かした取組を進めていくことが重要です。
町内会加入率とNPO法人数の推移
(参考(現状と課題))
少子高齢化の進行や世帯構成の変化等により、市民ニーズや家族形態、ライフスタイルが多様化、複雑化する中、人と人との結び付きが弱まり、地域コミュニティ機能の低下が懸念されています。
また、町内会や市民委員会などの地縁団体が、地域の課題解決や特性を生かした様々な公共的な活動を行っていますが、昨今、そうした活動を支える担い手不足が課題となっており、こうした状況に対応した住民自治注意2や行政サービスの提供が求められています。
このため、本市では、平成22年度から住民が地域の課題を共有し、解決策を検討しながら、個性ある多様なまちづくりを推進していくことを目的とした地域まちづくり推進協議会を7支所地域に設置し、平成24年度からは市内全地域に拡大するとともに、各支所にまちづくり相談窓口を設置するなどの取組を行っています。
また、平成26年度には、地域住民や団体等が主体的に考え、行動できる地域づくりを一層推進するため、今後の地域自治の仕組みや方向性等を示す「旭川市地域自治推進ビジョン」を策定し、「地域力の向上」に取り組んでいます。
注意2 住民自らが、主体的に地域づくりを進めることをいいます。

(3)安全・安心な暮らしの確保

(展望)
現在、国を挙げて大規模自然災害等に備えた強靱な国土づくりが進められており、本市においても市民の安全・安心の確保を図るとともに、将来的な行財政運営を見据えた社会資本の適切かつ計画的な保全・運用が求められています。
このため、建築物や橋梁等の耐震化の促進や地域防災力の向上を図るなど、市民の暮らしへのリスクを最小限にとどめるための危機管理体制を強化し、安心につながる安全なまちづくりを進めていくことが重要です。
また、次代へと豊かな自然と良好な生活環境を残していくために、自然との共生を図りながら、二酸化炭素などの排出削減や資源の循環利用を促進し、環境に配慮した持続可能な社会づくりが必要です。
(参考(現状と課題))
本市には、豊かな緑や多くの河川、都市と農村の景観などの誇るべき資源があり、さらに、医療・福祉、教育、産業などの施設や交通網などの都市機能が集積しているほか、大規模地震などの災害の発生が少ないという特長があり、それらが市民の潤いのある安全で安心な暮らしや経済活動を支え、まちの活力を生む源になっています。
しかしながら、我が国では、近年、東日本大震災をはじめとする地震や風水害等の自然災害が頻発しているほか、新興感染症の発生や食の安全を揺るがす事件、事故・犯罪などが発生しており、本市においても、市民に被害が及ぶことが懸念されます。
また、人口の増加や市街化区域の拡大に伴い整備した市営住宅や道路、水道など社会資本の老朽化が進んでいます。
さらに、世界規模で地球温暖化や生物多様性注意3の損失等の環境問題が深刻化し、我が国では、福島第一原発事故を契機に、エネルギー政策が大きな転換期を迎えています。
このような中、本市においても、環境負荷低減に向けた意識向上をはじめ、再生可能エネルギーの活用が進みつつあります。
注意3 生物多様性基本法において、「様々な生態系が存在すること並びに生物の種間及び種内に様々な差異が存在すること」と定義されています。

(4)地域経済の基盤強化とグローバル化への対応

展望)
経済のグローバル化が一層進展し、地域経済にも様々な影響を及ぼしています。こうした状況に対応するため、本市の地域特性や資源を生かし、地域に根ざした各種の産業の充実を図り、さらには海外市場も視野に入れた地場産品の創出や販路拡大の取組の必要性が高まっています。
人口減少が見込まれる中、こうした産業を担う人材を確保するためには、若い世代はもとより、女性やシニア世代が活躍しやすい環境づくりを進めることが必要です。
また、高齢者の増加を見据え、市民の暮らしを支える地域商店街の機能を維持するため、地域住民との結び付きを強め、商店街や企業等が活動しやすい環境を整えていくことが求められています。
さらに、国内外との交流が活発化する中で、「おもてなし」の充実による観光振興や圏域全体の資源を生かした地場産品の販路拡大などを図るため、拠点都市としての役割の発揮や他自治体との連携の充実などに取り組み、本市をはじめ北北海道全体の魅力と活力を高めていくことが重要です。
外国人宿泊延数の推移
(参考(現状と課題))
本市の経済状況は、依然として低迷しており、国の景気対策の効果が実感として現れていない中、大都市圏等への人材流出が続き、そのことが労働力人口の減少や消費の縮小を招いています。
これに加えて、国境を越えて人や物、情報等の動きが一層活発になるなど、経済のグローバル化が進み、世界的な経済不安などが直ちに地域経済へ影響を与える一方で、海外市場を視野に産業活動を展開する機会も増えてきています。
そうした中、本市では、北北海道の食や農畜産物の魅力を生かした「北の恵み 食べマルシェ」やユジノサハリンスク市での「道北物産展」に代表されるように、本市が周辺自治体を含めた圏域のリーダーシップを執り、観光客の誘致や地場産品の魅力発信、販路拡大などに積極的に取り組んでいます。
一方、高齢者人口が増加する中で、地域の小売店舗が減少するなど日常の暮らしを支えるサービスの低下が懸念されるため、地域コミュニティの核となる地域商店街の再生が大きな課題となっています。

(5)自治の進展と厳しさを増す財政運営

(展望)
地方分権が進む中、自主自律のまちづくりを進めるためには、多様化、複雑化する市民ニーズ等に柔軟かつ的確に対応できる市役所づくりが必要です。
また、必要な権限と財源の確保に努め、他の自治体等との連携や相互の補完による取組を推進するとともに、市民や行政などが互いの役割を担いながら、まちづくりを進めることが重要です。
そのためには、多様な手法により情報共有を図り、市民参加を推進するなど、市民の意思と力を生かした市民主体のまちづくりを推進することが求められています。
さらに、広域的な視点に立ち、自治体間の連携充実による住民福祉の増進や効率的な自治体運営が必要です。
また、今後、少子高齢・人口減少社会の進行に伴い、財政状況は厳しさを増していくことが見込まれており、将来にわたり安定したまちづくりを進めるため、次世代に過度の負担を残すことのないよう、財政規律注意4を踏まえた健全な財政運営が重要です。
(参考(現状と課題))
昨今、地方分権が進展し、国と地方の役割分担が変わるなど我が国の状況が大きく変化する中で、地方自治体は、自らの判断と責任の下、地域の実情に応じたまちづくりを進めています。
しかしながら、本市においては、依然として厳しい財政状況が続き、少子高齢化や人口減少の進行に伴い、更なる税収減少、社会保障関係費や社会資本の更新費用等の増加が見込まれており、自主自律のまちづくりのための財源の確保が大きな課題となっています。
また、本市はもとより周辺自治体を含めた圏域においても、少子高齢化や人口減少、厳しい財政状況が喫緊の課題となる中、単独の市町村だけでは、施設整備や行政サービスの提供が困難となる可能性があります。
本市では、「旭川市市民参加推進条例」の施行から10年以上が経過し、附属機関等への公募委員の参画や意見提出手続の実施、協働事業の増加など、市民参加のまちづくりが定着しています。
さらに、ICT(情報通信技術)の飛躍的な進展に伴い、インターネットなどが社会生活に欠かせないものとなっており、コミュニケーション手法やライフスタイルが変化しています。
このような社会情勢の変化に伴い、市民のニーズや市役所に求められる役割自体が変わってきています。
注意4 国や地方自治体の財政を秩序正しく運営する規律のことで、収支のバランスをとるため、市債発行額(借金)を抑制したり、収入を安定的に確保すると同時に、事業の見直しなどにより歳出を削減することも重要です。

4 まちづくりの基本的な考え方

急速に進む少子高齢化・人口減少、地域経済の低迷、厳しい財政状況など、本市を取り巻く状況に対応していくために、これからのまちづくりを展望しつつ、本市の地域資源である豊かな自然や都市機能が調和した旭川らしい暮らしの充実を目指していきます。
そのために、恵まれた地域資源を活用し、市民の意思と力を生かした市民主体のまちづくりと各地域のつながりや特性を生かした地域主体のまちづくりの深化を図ります。
生き生きとした市民や地域の力を原動力として、より豊かで質の高い暮らしが実現することで、このまちに暮らすことの喜びが大きくなっていきます。
そして、郷土に対する市民の愛着と誇りが強くなり、また、地域資源が磨かれる中で、独自の文化や賑わいが創出され、まちづくりの好循環が生まれることにより、まちの活力が増していきます。
さらに、本市の拠点性を最大限に生かし、広域連携の強化を図るとともに、本市や北北海道の魅力を国内はもとより海外へと発信し、多くの人を惹きつけ、多様な交流が生まれることで、本市の総合力が高まります。
このように、市民や行政をはじめ、多様なまちづくりの担い手による更なる好循環を生み出し、ひと・まち・世界とのつながりが広がる持続可能なまちを築きます。

5 目指す都市像

世界にきらめく いきいき旭川

~笑顔と自然あふれる 北の拠点~

(説明)
市民が郷土に愛着と誇りを持って生き生きと暮らし、恵まれた地域資源を生かした産業や経済が活き活きと展開されていることを「いきいき旭川」としています。
こうした旭川らしい暮らしや本市の様々な魅力が、国内はもとより世界へと発信されることにより、国内外の多くの人を惹きつけ、賑わいを生み、好循環となってまちの活力が増していることを「世界にきらめく」としています。
また、市民が幸せと生きがいを感じ、多くの人々の喜びと感動に包まれたまちの様子を「笑顔あふれる」とし、将来にわたって本市の豊かな自然とその恵みを享受できるまちの様子を「自然あふれる」としています。
さらに、本市が、国内外との交流が活発な北北海道の拠点都市として、圏域全体を牽引し役割を発揮している様子を「北の拠点」としています。

6 都市像の実現のために

市民や行政をはじめ、多様なまちづくりの担い手が、目指すべきまちの姿を都市像として共有しながら、その実現に向けて、共に力を合わせていくことが重要となります。
このため、本市が目指すべきまちの方向性を5つの基本目標とし、その目標を実現するために13の基本政策を掲げ、総合的にまちづくりを進めていきます。
基本目標の1から4は、福祉・子育て、教育・文化、産業・交流、環境・都市基盤などの各分野ごとの目標とし、5は住民自治や自治体経営の観点からの目標として設定します。

体系図

05_taikei1.jpg

基本目標1 すくすくと子どもが育ち、誰もが健やかに暮らせるまちを目指します
子どもが元気にすくすくと成長し、子どもから高齢者までの誰もが健康で暮らせるまちを目指します。
また、住み慣れた地域で互いに支え合い、生きがいを持って暮らせる温もりのあるまちを目指します。

  • 基本政策1 子育てに希望を持ち、子どもの成長を支える環境づくり

誰もが希望を持ち、安心して妊娠、出産、育児ができるよう、子育てと仕事の両立をはじめ、子どもの成長過程や家庭環境などに応じた支援に取り組みます。
また、子ども一人一人が家庭の中で愛情を受けながら健やかに育つことはもとより、社会全体で子どもの成長を支え、共に喜びを感じることのできる環境づくりを進めます。

  • 基本政策2 生涯を通じて健康に暮らせる保健・医療の推進

市民一人一人の「自分の健康は自分でつくる」という意識を高めながら、疾病予防を重視し、それぞれのライフステージに応じた主体的な健康づくりをはじめ、職場や地域ぐるみによる取組を推進します。
また、健康で安全・安心な暮らしを支えるため、衛生的な生活環境を維持するとともに、質の高い医療や救急医療の確保に取り組みます。

  • 基本政策3 互いに支え合う福祉の推進

高齢者や障害者などへの適切な福祉サービスの提供をはじめ、人と人との支え合いによるセーフティネットを構築し、自立を支援しながら、誰もが住み慣れた地域で安心と温もりを感じることができる福祉を推進します。

  • 基本目標2 たくましく未来を拓く人材を育み、生涯を通じて学べるまちを目指します

次代を担う子どもや若者が、知識や技能などを磨き、たくましく未来を拓く人材へと成長するとともに、誰もが自らの意欲に応じて生涯を通じて学び、互いに高め合いながら心豊かに暮らせるまちを目指します。

  • 基本政策4 次代の担い手が、生き生きと学ぶ教育の推進

次代を担う子どもや若者が、安全・安心で快適な教育環境の中で生き生きと学び、確かな学力、豊かな心、健やかな体を育む質の高い教育を進めるとともに、家庭・地域との連携を図り、地域に開かれた学校づくりを推進します。
また、社会で自立的に生きていくための力を育み、個性に磨きをかけ、まちの発展を担うとともに、世界で活躍する人づくりを進めます。

  • 基本政策5 スポーツや文化に親しみ、学びを深める環境づくり

生涯を通じて主体的に学ぶ機会の充実を図り、学び合いによる成果を生かしながら、地域の教育力を高めます。
また、個性豊かで北国らしい文化の振興や郷土意識の向上を図るとともに、スポーツ・レクリエーションに親しめる環境の整備や各種大会・合宿等の誘致を進め、競技力の向上やスポーツのすそ野の拡大、スポーツを通じた地域活性化を図ります。

  • 基本目標3 活力と賑わいにあふれ、経済が力強く発展するまちを目指します

地域の魅力を発信し、地域の資源と特性を生かした産業を展開するとともに、まちの機能を強化することにより、地域内はもとより国内外の都市との連携や交流が活発で、多彩な人材が活躍する活力と賑わいにあふれたまちを目指します。

  • 基本政策6 魅力と活力のある産業の展開

地場産品の競争力の強化、国内外への販路拡大や企業誘致を推進するなど、本市の持つ強みを生かし、地域産業の活性化を図ります。
また、地域産業の持続的な発展を担う人材の育成、確保に取り組むとともに、新規就農や新規創業をはじめ、意欲のある人や企業等に対する支援を行うなど、地域産業の基盤強化を図ります。

  • 基本政策7 温かなまちの賑わいと国内外との多様な交流の創出

中心市街地や各地域の個性を生かし、人が集い、感動につながる取組を進めるとともに、交通機能などの充実を図り、まち全体の魅力を高めます。
こうした魅力を広く発信し、新たな人の流れを作り出し、まちが人を呼ぶ温かな賑わいづくりを進めます。
また、拠点機能の強化や広域連携による観光振興などに取り組み、多様な交流を世界に広げ、本市はもとより北北海道全体の活性化を図ります。

  • 基本目標4 自然と共生し、安全・安心な社会を支える強靱なまちを目指します

水と緑に抱かれた四季折々の美しい自然と快適な生活環境を次代へと引き継ぎながら、様々な危機に対して強靱な都市を築き、市民がいつまでも愛着を持ち、安心感に包まれたまちを目指します。

  • 基本政策8 四季を通じて暮らしやすい快適な都市の構築

市民や地域、行政などがそれぞれの役割を担い、自然と調和した景観づくりを進めるほか、効果的な雪対策を推進し、四季を通じて快適な住環境の創出を図ります。
また、人口や社会ニーズの変化を見据え、市営住宅や道路、水道など社会資本の計画的かつ効率的な運用を図り、暮らしの安全を支える都市の構築に取り組みます。

  • 基本政策9 環境負荷の低減と自然との共生の確保

豊かな自然環境を損なうことなく次代に引き継ぐことができるよう、環境に対する市民意識を高め、野生生物の保護など生物多様性の保全を進めます。
また、快適な生活環境の確保はもとより、3R注意5の推進や地域特性を生かしたエネルギーの有効利用の促進など、環境負荷の低減を図り、環境に配慮したまちづくりを進めます。

  • 基本政策10 安心につながる安全な社会の形成

防災・消防・救急体制の充実をはじめ、地域の安全を担う消防団の強化や自主防災組織の育成を進め、広域的な連携の下、大規模災害等に即応できる総合的な防災力の強化を図ります。
また、悲惨な交通事故の根絶や多様化する犯罪の撲滅を目指し、市民の安心につながる安全な社会づくりを進めます。

  • 基本目標5 互いに支え合い、共に築くまちを目指します

市民や行政などが互いの役割と責任を自覚し、自分達のまちは自分達でつくる自主自律のまちづくりを進めます。
また、広域連携を進めるとともに、本市の拠点性を発揮し、北北海道の活性化を目指します。
さらに、まちづくりを担う市役所が総合力を高め、経営の視点に立ち、将来にわたって健全で持続可能な自治を目指します。

  • 基本政策11 市民、地域、行政が結び付き、心が通い合う環境づくり

市政情報の効果的な発信や市民ニーズの的確な把握に努めるなど、市民や地域、行政などがそれぞれの役割や責任を自覚し、協力して課題解決に取り組むことができる環境づくりを進めます。
また、男女が互いに尊重し、責任を分かち合う男女共同参画社会の形成を推進します。

  • 基本政策12 広域連携によるまちづくり

北北海道全体の活性化を目指し、地理的特性や都市機能等を生かすとともに、上川中部圏域や北北海道の自治体をはじめ、国や道などの他の機関との連携や相互の補完を進めます。

  • 基本政策13 機能的で信頼される市役所づくり

市政課題の多様化や様々な危機にも迅速かつ的確に対応できる人材を育成するとともに、組織の簡素化を図り、柔軟でより機能性を発揮する体制づくりを進めます。
また、市民に信頼される公平・公正な市政を推進し、限られた行政資源の最適な配分と協働の視点により、サービスの質の充実と効率化を図り、将来の世代に責任の持てる行財政運営に努めます。

注意5 廃棄物の削減に係る取組として、リデュース(排出抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の3つを指します。

7 都市構造の方向性

本市は、旭川駅を中心に都市機能や住宅地が形成され、その周囲には豊かな田園地帯と雄大な自然を有する大雪山連峰が広がり、水や緑が都市部に溶け込んでいるような特徴的な都市の形態となっています。
このような都市と自然が調和した本市の特徴を生かし、市民と行政などが共に地域の魅力を高めながら、持続可能な都市づくりを進めていくための方向性を示します。

方向性

人口や社会ニーズの変化を見据え、地域特性を最大限活用しながら、コンパクトで効率的な都市構造の構築に向けた取組を計画的に進めるほか、市民一人一人のライフスタイルの転換を図り、持続可能で低炭素なまちを目指します。
中心市街地では、北彩都あさひかわと駅南北との機能連携や回遊性の向上などにより賑わいを創出するとともに、各地域が持つ個性を生かした活動の促進や市内外の効率的な交通ネットワークの充実などに取り組み、まち全体の魅力と利便性の向上を図ります。
また、都市計画の適正な運用を進めながら、将来のまちの発展を見据え、地域産業を支える都市の基盤強化を図ります。
さらに、空港機能の充実など拠点性を向上させ、本市のみならず、北北海道全体の発展や国際化を推進します。
地球規模で生物多様性の損失が懸念される中、景観や環境、防災など多面的な役割を担う自然を次代に引き継ぐため、自然環境の保全とともに、都市部においては、緑の効果的な活用を進めながら、郊外の農地や森林、河川などとネットワーク化し、市街地を囲む「緑の回廊」として保全・活用を図り、暮らしの豊かさや地域への愛着が感じられるまちづくりを進めます。
また、これまで地震など大規模災害に見舞われることの少なかった本市の特性に油断することなく、総合的な防災力の強化を図り、市民一人一人に支えられた「災害に強いまち」を目指します。
これらの取組を一体的に進め、将来にわたり市民の暮らしを支え続けることができる都市を構築していきます。

現状と課題

本市は、周辺に広がる農業地帯や丘陵地帯を背景に、旭川駅を中心として、ほぼ同心円状に行政・商業など様々な都市機能が集積する中心市街地が形成され、その周縁部には快適な生活圏が形成され、産業・流通機能が発達しています。
比較的コンパクトに都市が発達しているものの、旧町村との合併や郊外地域への宅地造成などに伴い徐々に市街化区域が広がっており、中心市街地では空洞化への対応が課題となっています。
中心市街地は、北彩都あさひかわの整備により質の高い都心空間が形成され、今後も引き続き、中心市街地全体の活性化への取組が求められています。
また、本市の交通体系は、2環状8放射道路注意6を中心とした地域交通体系と、空港、鉄道4線、国道4路線及び2高速1連携道路注意7などの広域交通体系が整備されていますが、誰もが使いやすい地域内公共交通の構築のほか、航空路線の更なる国際化への対応や道内外の各都市を結ぶ交通体系の利便性向上など、拠点性の強化が課題となっています。
今後のまちづくりは、身近な生活圏や農村地域などが持つ地域資源を再認識し、地域の魅力を高めながら、都市計画、都市基盤整備、環境保全、地域コミュニティの強化、賑わいの創出や交通体系の充実など、まちの発展に向けた取組を進めていくことが重要です。
(ご意見を伺う範囲はここまでです。)
注意6 2環状は、内環状道路(道道旭川環状線)及び外環状道路(道道鷹栖東神楽線)、8放射は、国道12号、39号、40号、237号、道道旭川多度志線、旭川幌加内線、瑞穂旭川停車場線、旭川旭岳温泉線をいいます。
注意7 2高速は、北海道縦貫自動車道及び旭川紋別自動車道、1連携は、地域高規格道路(旭川十勝道路)をいいます。

(参考資料)

主な策定経過

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