あさひばし 平成30年12月号「特集 地域の魅力で人を呼び込む~大雪カムイミンタラDMOの取組み」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2018年12月15日

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旭川とその周辺地域は、豊かな自然環境や四季折々の情景、安心安全な農作物、家具や木工をはじめとするものづくり技術、独自の文化や歴史などこの地域ならではの様々な魅力にあふれています。大雪エリアの1市7町で構成される「大雪カムイミンタラDMO」では、こうした地域資源にさらに磨きをかけて効果的に発信し、観光客を呼び込む力にしようと取り組んでいます。

観光で「稼ぐ力」を高める

観光地経営の視点に立って

本格的な人口減少社会を迎え、交流人口の拡大による地域経済の活性化や地域力の向上が全国共通の課題であり、その有効な対策の1つが「観光」です。観光庁では、平成28年度の訪日外国人消費動向調査等からの算出により、観光がもたらす経済効果として、外国人旅行者の8人分の消費額が、定住人口1人当たりの年間消費額に相当するとしています。

大雪山連峰の様々な恩恵を受ける大雪エリアは、自然や食、歴史や文化など多様な魅力にあふれています。観光客が何度でも訪れたくなる地域となるためには、こうした魅力を大事な資源と捉え、これらを磨き、発信するとともに、住民が地域に誇りと愛着を持って、観光客を受け入れていくことが重要です。

そのためには、観光地経営の視点に立って、データに基づくマーケティングと検証、自治体の枠を超えた、地域や事業者などの様々な連携が必要です。この舵取り役を担うのが、大雪カムイミンタラDMOで、同29年10月に設立されました。

大雪エリアの観光の現状と課題

大雪エリアでは、同25年度以降、宿泊延べ数が増加傾向にあり、これを牽引しているのは外国人観光客です。同29年度の圏域宿泊延べ数のうち、中国や台湾などの東アジア圏からの観光客が外国人宿泊延べ数の73・83%を占めており、日本人観光客は、ほぼ横ばいで推移しています。また、月別の宿泊延べ数は、夏季に比べて、冬季が減少傾向にあります。

一方で、大雪エリアは、初心者から上級者までのニーズに対応できる多様なスキー場があり、アフタースキー(食や温泉などのスキーをした後に楽しむ活動)が充実しています。これらのことから、DMOでは、冬季観光の底上げと、東アジア圏だけでなく、冬季の来訪や長期滞在が見込める欧州や豪州などからの外国人観光客の増加を目指し、冬季観光と外国人観光客の受け入れ体制の充実に重点的に取り組んでいきます。

まちもゲレンデも楽しめるスノーリゾートへ

カムイスキーリンクスを中核に

大雪エリアのスキー場には、さらさらとしたパウダースノーが降り積もり、その雪質は、世界各地のスキー場を経験したプロのスキーヤーからも高く評価されており、インターネットなどを通じて広く認知されつつあります。

また、宿泊先からスキー場へ短時間で移動できるため、ゲレンデとともに、まちなかでのアフタースキーも楽しめる、スノーリゾートとしての魅力を備えています。さらに、高い就航率を誇る旭川空港などの交通アクセスも充実しています。

こうした強みを生かしてDMOでは、都市型のスノーリゾート形成を目指して、カムイスキーリンクス(神居町西丘 電話0166-72-2311)を中核施設と位置付け、今年度は、次に紹介する取組みを行います。

アフタースキーの充実

デジタルサイネージの設置や、外国語が話せるコンシェルジュの常駐により、アフタースキーの情報を提供します。

また、地場の食材を使った新メニュー「うまいっス、カムイめし」を、カムイスキーリンクスとホテルWBFグランデ旭川(宮下通10)で、期間限定で販売します。

コンシェルジュの笠原優奈(かさはらゆうな)」さん

外国人スキーヤーに、このエリアならではのアフタースキーを楽しんでいただけるよう、親身にご案内します

快適な環境でスキーを楽しむ

快適に過ごしてもらうためにセンターハウスを改修し、フリーWi-Fiや、ICカード(リフト券として導入。インターネットで事前に購入すれば、チケット引換機でリフト券を受け取れる)を身に着けてスムーズにリフトに乗れるICゲートを整備。また、スキー場へのアクセス向上のために、旭川空港や旭川駅などを巡る予約制のシャトルバスを運行しています。

外国人観光客へのおもてなし

海外から講師を招き、ホスピタリティ向上のための研修を実施している他、スキーに不慣れな外国人観光客のために、日本語学校の留学生をスキーインストラクターのアシスタントとして養成しています。

昨シーズン、スキーインストラクターのアシスタントをした台湾出身の陳宛瑄(チンエンセン)さん

スキーが初めての観光客に母国語で説明すると、とても喜ばれます。もっとスキーの楽しさを伝えたいです

北海道スノートラベルエキスポを2月に旭川で開催!

欧州やアジアなど世界各国のメディア関係者などが参加し、冬の魅力を体験。世界へ発信する一大イベント

地域・事業者・住民が連携して

旭川を、スキーホリデー都市に~スキーホリデーで冬季滞在型観光を振興する会 西野俊典(にしのとしのり)さん

当会には、医療関係や旅館業、交通関係など様々な事業者が加盟しており、セミナーの開催や外国人観光客への聞き取り調査等を行ってきました。今後は加盟者をさらに増やし、観光客が希望する場所や体験にすぐに案内できるよう、ネットワークを広げていきたいです。また、スノーリゾートになれば、コートや靴等の観光に必要な品を扱う店が買物公園にできるなど、新規ビジネスにもつながるでしょう。

アフタースキーの楽しさを~星野リゾートOMO7 旭川 日生下和夫(ひうけかずお)さん

当ホテルでは、まちなかのホテルに泊まってアフタースキーを楽しむ、スキー都市の推進に挑戦。スキー都市宣言1年目の取組みとして、ホテルからスキー場への直通バスを整備し、快適な移動をサポートします。また、地元の人しか知らない店など特別な場所や体験を、ホテルのスタッフが案内する「ご近所専隊OMOレンジャー」の活動に力を入れており、今冬は買物公園や旭橋を巡る「朝ガイド」も開催します。

スキーの楽しさと地域の魅力を発信~旭川在住のプロスキーヤー 浅川誠(あさかわまこと)さん

国内外の様々な場所で滑りましたが、このエリアの降雪量と雪の軽さは、ここでしか味わえない感覚です。私がスキーの虜になったのは、この素晴らしい環境で育ったからです。毎年、スキー関連のイベントを行っていますが、スキーの楽しさ以外にも、この環境や人、まちの風景にほれ込んで何年も参加してくれる人もいます。旭川がスノーリゾートになったら、世界一になるでしょう。

観光客が大雪エリアに求めるものは?

DMOでは、観光客が大雪エリアに求める要望などについてのアンケート調査を行いました。調査結果から見えてきたことや、それに対する取組みについて、DMOの島要介(しまようすけ)さんに聞きました。

調査から見えてきたものは?

冬季の外国人観光客の傾向として、滞在時間が長くなることや、ファミリー層が多くなること、アウトドア活動や温泉を楽しみたいと考える方が多くなることが分かりました。また、近年は、団体旅行から個人や小グループの旅行に変化していて、自然環境や食など地元住民の「日常」を体験したいという観光客が多くなっています。

今後の取組みは?

調査によると、外国人観光客は冬季の「食」への期待感が低くなることから、季節を問わず、おいしいものが食べられることを発信します。また、冬季以外にも長期滞在してもらうため、関係機関が連携して魅力をPRし、エリア内で滞在してもらうための仕組みづくりを行う必要があります。年間を通して、外国人観光客に人気の高い、自然と健康・保養を組み合わせた体験等の充実が重要です。DMOでは、データの収集や分析結果を事業者の皆さんに還元し、エリアが一体となって、観光地域づくりを行っていきます。

私たちができることは何?

この地域は素晴らしい資源に恵まれています。私たちが普段生活していると気付かないことが、訪れた観光客にとっては非日常の体験になります。観光客は、その地域やそこに住む人との交流にも期待しているので、私たちがおもてなしの心で迎えると、交流の輪も広がり、人や経済の好循環が生まれる原動力となります。


DMOでは、観光客が何度でも訪れたくなる地域づくりなどに、エリアの事業者や住民と共に取り組んでいきます。

【詳細】大雪カムイミンタラDMO 電話0166-73-6968

お問い合わせ先

旭川市総合政策部広報広聴課広報係

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