あさひばし 平成30年6月号「特集 地域で支え合う 安心して暮らせるまちに」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2018年6月15日

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旭川の高齢化の現状と課題

人口減少や少子高齢化が進み、旭川市でも人口が減少する中、高齢者数がピークを迎える2025年には、市内の65歳以上の高齢者数が2015年の104,807万人と比較して約1万人増加し、高齢化率は35.9%になると推計されています。また、2015年の高齢者がいる世帯は、10年前と比較して約1万6千世帯も増加しており、高齢者のいる世帯の中でも1人暮らしの高齢者が占める割合が増加する傾向にあります。

このような現状の中で、地域における住民同士のつながりが弱まることなどにより、社会から孤立する高齢者の増加が懸念されています。

住み慣れた地域で暮らすために

今後、人口減少や少子高齢化がさらに進むと予想される中で、多くの高齢者が、元気であっても、医療や介護が必要になっても、「住み慣れた地域で安心して暮らしていきたい」と望んでいます。

そのためには、高齢者一人一人がそれぞれのニーズに合った適切な福祉サービスの提供を受け、安心して生活が送れる環境を整備するとともに、地域において互いに支え合う仕組みを構築し、支え手としても活躍できる元気な高齢者を増やしていくことが重要です。

こうした中、市では、団塊の世代が75歳以上になる2025年までに、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援の各分野が互いに連携して高齢者を支える「地域包括ケアシステム」を構築できるように、現在、様々な取組みを進めています。

地域包括ケアシステム

地域包括支援センターを含めた各分野が連携して高齢者を支えます。

介護

訪問介護や、地域密着型のサービスを整備

  • 介護保険サービス事業所
  • ケアマネジャーなど

生活支援

困っている人と生活支援の担い手による支え合いを促進

  • 地域のボランティアなど

住まい

自宅のバリアフリー化や生活基盤の整備

  • 自宅
  • サービス付き高齢者住宅など

医療

地域のかかりつけ医を中心とした在宅医療を推進

  • かかりつけ医
  • かかりつけ歯科
  • かかりつけ薬局
  • 訪問看護・訪問リハビリなど

介護予防

介護予防教室など地域の取組みを支援して、介護予防を推進

  • 町内会
  • 老人クラブ
  • 地域ボランティアなど

システムの構築を進めるために

市では、システムの構築を進めるため、今年3月に策定した第7期旭川市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づき、今年度から医療・介護など地域の様々な分野が連携して高齢者を支える、新たな事業に取り組んでいます。その中で、この仕組みをより効果的に機能させていくためには、行政や医療機関・介護事業所などの専門機関だけではなく、町内会などの地域活動やボランティア活動を担う市民の力が必要不可欠です。

また、住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、高齢者の皆さん自身が、日頃から運動や趣味等に取り組み、生きがいを持って元気に過ごすことが大切です。それとともに、これまで培ってきた知識や経験を生かして、ボランティア活動などに積極的に参加し、住民同士が互いに支え合っていくことも重要です。市内の各地域では、高齢者の皆さんによる支え合いの輪が広がり始めています。

地域包括ケアシステム構築に向けた新しい事業

在宅医療・介護連携推進事業

あさひかわ安心つながり手帳

(介護保険サービス利用者向け)かかりつけの医療機関や介護保険サービスなどの連携が、円滑に進むよう支援するための手帳。介護保険サービス利用者に、ケアマネジャーを通して8月頃から順次配布

在宅医療・介護連携相談窓口の開設

(医療・介護関係者向け)高齢者支援に携わる医療や介護関係者からの在宅医療や介護などの相談に応じて、情報提供や助言を行う。市立旭川病院に開設

認知症総合支援事業

認知症初期集中支援チーム

認知症の疑いがある方などを、適切な医療や介護につなげるため、認知症サポート医や認知症疾患医療センターの医師等と、薬剤師・作業療法士・地域包括支援センターの専門職で構成されたチームが支援

生活支援体制整備事業

生活支援コーディネーター

高齢者が日常生活を送る上での困りごとなどに対して、地域の活動やボランティアの情報を提供し、困っている人と生活支援の担い手をつなぐ他、その担い手を養成

できることから支え合い

地域でボランティア活動に取り組む高齢者の皆さんを紹介します。

ふれあいサロンを企画・運営(新旭川)

小山隆(こやまたかし)さん 74歳

サロンを運営するお手伝いとして参加したのがきっかけです。サロンにはゲームや体操などを取り入れ、みんなが楽しめるように工夫しています。どのような内容にするか企画するのは大変ですが、自分のできる範囲で楽しみながら取り組んでいるし、自分の認知症予防にもなっていると思います。

除雪や買い物のお手伝い(緑が丘)

舟田純一(ふなだじゅんいち)さん 78歳

定年退職後に、健康な体を生かそうと思ってボランティアを始めました。外出が困難な方から買ってきてほしいものを聞いて代わりに買ってきたり、近所の除雪を手伝ったりしています。感謝の言葉をもらったときは、とてもうれしいです。人のため、社会のためと思って活動しています。

行方不明の高齢者を探す仕組みを(永山)

永山南SOSネットワーク 山田幸作(やまだこうさく)さん 76歳

電波信号による近距離探知機を利用して、認知症などで帰宅できない高齢者を捜索する仕組みをつくっています。地域住民が同じ目標に向かって考え、協力し合うことで、結束を強めることができていると思います。住み慣れた地域で、安心安全に暮らせることを目指して取り組んでいます。

入居者と楽しい時間を過ごす(忠和)

岡本忠義(おかもとただよし)さん 74歳、和子(かずこ)さん 68歳

認知症講座の受講をきっかけに、夫婦でボランティアを始めました。グループホームを訪問し、入居者の将棋やオセロなどの相手をしています。昔の歌を一緒に歌うと、当時の話で盛り上がります。これは、高齢者同士だからこそ楽しめること。たくさんの人と知り合えることもうれしいです。

参加者同士の交流を支援(末広)

中美美代子(なかみみよこ)さん 67歳

市が主催する認知症予防教室で、参加者が積極的に交流できるよう支援しています。元々ボランティアに興味があり、私にもできるかなという気持ちで始めました。教室では、優しさと笑顔を忘れずに参加者に接しています。私が知らなかったことを教えてもらうことができて、勉強になります。

認知症の方の自宅を訪れて話し相手に(中央)

小林安子さん(こばやしやすこ) 69歳

社会福祉協議会の旭川認知症サポートセンターに提供会員として登録しており、認知症の方の自宅で、話やゲームをするボランティアをしています。自分の介護予防になり、相手にも喜ばれるので、やりがいを感じます。相手とその家族の笑顔を見られたときが一番うれしいです。

2人で一緒に寄り合いやカフェのお手伝い(大成)

大浦かづ子(おおうらかづこ)さん 77歳

寺田桃子(てらだももこ)さん 70歳

2人で、高齢者の寄り合いや認知症カフェなどのボランティアを行っています。私たちを頼って相談してくれたときや、閉じこもりがちだった高齢の方が外に出られるようになったときはうれしかったです。ボランティアをしてみたい方は、近くで取り組んでいる方に声を掛けてみてください。

みんなで、楽しい集いをつくる(東光)

渋谷 満(しぶやみのる)さん 77歳、由紀子(ゆきこ)さん 76歳

高齢者が集まって歌を歌ったり、昼食を食べたりする「どんぐりの会」を企画・運営しています。道端で出会ったときに挨拶を交わす地域にしようと始めました。運営側と参加者の技術や知識を生かして、みんなで楽しく取り組んでいます。自分たちのできる範囲で地域のために貢献したいです。

高齢者を地域で支える仕組みづくりを

生活支援コーディネーターとは

今年度から新たに配置された生活支援コーディネーターは、地域包括支援センターや関係団体と連携しながら高齢者を支える仕組みづくりを行っています。4人のコーディネーター(小山祐司(こやまゆうじ)さん、九里道子(くりみちこ)さん、長岐信孝(ながきのぶたか)さん、堀川沙織(ほりかわさおり))さんの1人、長岐信孝さんに話を聞きました。

コーディネーターはどんなことをするのですか?

高齢になっても住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように、町内会や市民委員会、地区社会福祉協議会など身近な住民組織や関係団体と連携して、支え合う活動を進める他、地域の高齢者が生活する上での困りごとの相談に対して、解決する糸口となる様々な情報を提供します。

どんな情報を提供するのですか?

地域で行われているサロンや見守りなどの住民活動、有償の生活支援サービス、福祉事業所やボランティアによる支援などを調べて情報発信します。市内には、有償・無償を含めて様々な支援がありますが、必要な人に必要な情報が届くことが重要です。困りごとがあれば、まずは、地域包括支援センターに相談してください。

また、地域の活動やボランティアなど支援の担い手が不足する場合には、ボランティア講座などを開催して担い手を養成し、支え合いの仕組みづくりを支援します。

どんな担い手が求められますか?

人との交流や関わりを求めている高齢者が多いようです。閉じこもりがちな人に声を掛けたり、話を聞いてあげたりすることが、相手にとっては大きな支えになります。70歳代や80歳代の方で、高齢者支援の担い手となって活動している方もいらっしゃいます。高齢者を支援するボランティアには、年齢の制限や特別な技能などは必要ありません。できることから取り組んで「お互い様の支え合い」をすることが重要です。ボランティア登録を希望する方は、旭川市ボランティアセンター(電話0166-21-5550)に連絡してください。 

地域包括支援センターにご相談ください

医療や介護など高齢者が抱える様々な悩みについては、まずは地域包括支援センターに相談してください。生活支援コーディネーターと連携して支援します。高齢者に関することであれば、高齢者本人だけでなく、家族や地域の方も相談できます。

  • 中央(1の9 マルトクビル2階 電話0166-23-6022)
  • 豊岡(豊岡3の3 東部まちづくりセンター内 電話0166-35-2275)
  • 東旭川・千代田(東旭川北1の6 東旭川支所内 電話0166-36-5577)
  • 東光(東光5の2 東部住民センター内 電話0166-76-6020)
  • 新旭川・永山南(永山2の5 電話0166-40-3003)
  • 永山(永山3の19 永山市民交流センター内 電話0166-40-2323)
  • 末広・東鷹栖(東鷹栖4の3 東鷹栖地域センター内 電話0166-76-5065)
  • 春光・春光台(春光5の4 北部住民センター内 電話0166-54-1165)
  • 北星・旭星(川端町6の10 電話0166-46-6500)
  • 神居・江丹別(神居2の10 電話0166-76-5511)
  • 神楽・西神楽(神楽岡6の6 電話0166-66-5351)

市では、地域住民が共に支え合い、高齢者が生きがいを持って、できる限り住み慣れた地域で、自分らしく生き生きと暮らすことができるまちづくりに取り組んでいきます。

【詳細】長寿社会課 電話0166-25-9797

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