あさひばし 平成30年3月号「動物園からの手紙」
いつかは解けて消える雪ですが・・・
雪あかりの動物園も終わり、春が待ち遠しくなってきました。雪あかりの動物園にも、海外のお客さんの姿が増えてきました。海外から来る人もいる雪あかりの動物園をもっと多くの地元の人に楽しんでほしいなと思います。
今年は毎日雪が降っている印象があります。つい最近気付いたのですが、管理用通路に来園者が入れないように張ってあるトラロープの高さが雪面から10センチメートルもなくて、下手をすると地面を這わせているような…。ここは、雪がなければヨイショとまたがなければいけない高さだったのです。でも不思議とこれで機能はしているのです。
昔の話ですが、ポニーを飼育していた放飼場の柵は大人のおなかくらいの高さがありました。この年も、今年と同じように毎日じわじわと雪が降り積もり、雪かきはしていても、ポニーの放飼場の積雪も増えていきました。ふと気付くと柵の高さが雪面から30センチメートルくらいになっていました。もはや障害物ともいえない高さです。でも、ポニーは外に出ようともせず、来園者も中に入ることはありませんでした。日常の習慣や慣れとはこんなものなのかもしれませんね。もしかしたら皆さんの家も、窓から出入りできるくらいに雪が積もっていませんか?下手をしたら屋根に上れるかもなんてことにも…。もしも夏に土の山が積まれて同じような状態になったら…一大事ですよね。
アッ、だからといってトラやホッキョクグマの放飼場がそうなっていることはないのでご心配なく。
日常の慣れや習慣が思わぬ落とし穴になることもありますが、案外大丈夫なことも。省エネ時代ですから、解けて消える雪に膨大なエネルギーをかけない工夫も、近未来の大きな課題なのだと、トラロープを見て考えさせられました。それにしても、今年はキレンジャクとツグミがずっといます。鳥たちにとっては穏やかな冬なのかもしれません。