あさひばし 平成29年7月号「動物園からの手紙」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2017年7月15日

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「動物のための動物園」であるために

7月1日は開園記念日でした。50周年記念誌発行のために過去の資料を調べていて、様々なことを改めて考えさせられました。

大きなくくりで言うと、「珍しい動物」がいない旭山動物園の50年には、客寄せパンダに始まる全国的な「珍しい動物」のブームの中でも、動物本来のすごさを伝えるという自らの理念を具体化してきた歴史があります。タヌキが「何でパンダに生まれてこなかったんだ」と日々悩んで生きているわけではありません。だから「パンダが何だ、ラッコが何だ、みんなそれぞれ素晴らしいんだ!」を具体化してきました。動物園はヒトのエゴで動物を閉じ込めている場であるという原罪は背負い続けますが、目の前の命を預かった責任として、「パンダやラッコのいない動物園なんて面白くない」で終わらせてはいけないという強い思いがありました。

これからの50年を見据えた中での僕の明確な夢は「動物のための動物園」であること。

具体化を進めていることの1つに共生・共存飼育があります。環境破壊、生物多様性の危機…今のままでは悪い方向にしか進みません。例えば自然を守ろうといいますが、そこで暮らす生き物がどんな暮らしをしているのかを知らなければ何を守るのかが見えてきません。本質的な生き方や感性を、動物園は伝えていかなければいけないと思います。多種多様な生き方の生き物が、同じ空間の中で調和を保っているのが自然です。仲良くではありません。認め合う生き方です。異種動物を同居させて、1種類だけでの飼育では発現することがなかった感性や行動を引き出していきたいと考えています。

「命が目の前にいること」、剝製や映像からでは絶対に伝わらないものがあるはずです。

「動物のための動物園」を具体化するために旭山動物園には、もっと大きな具体化したい夢があります。またの機会に書かせていただきます。

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