あさひばし 平成29年2月号「市立旭川病院からのお知らせ~子供の食物アレルギー診断」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2017年2月15日

ページID 059340

印刷

アレルギー検査だけでは分からない。子供の食物アレルギー診断について

小児科の外来で依頼の多い検査に、「アレルギー検査」があります。実は、アレルギー検査だけでは、食物アレルギーを診断できません。自己判断の食物制限は、不要な制限になるかもしれません。今回は、誤解されることが多い食物アレルギーの診断について説明します。

食物アレルギーとは

食べたり、触ったり、吸い込んだりした食物に対して、体を守るはずの免疫システムが過剰に反応して、有害な症状が起こることをいいます。鶏卵や牛乳、小麦はアレルギーを起こしやすい食品ですが、他にも様々な食品が原因となります。

症状としては、じんましんや目の充血、くしゃみなどがあり、これらは緊急性の低い症状ですが、呼吸困難やおう吐、意識がもうろうとしている場合などは、すぐに医療機関で診察を受けてください。

アレルギー検査では、食物アレルギーを診断できない

アレルギー検査では、RAST(ラスト)という血液検査をすることが多いのですが、実は、この検査だけでは、食物アレルギーであるかどうかの診断はできません。こう説明すると保護者の方は、びっくりされます。

検査の結果が陽性でも、アレルギー症状の出ない人がいる一方、陰性でも、ある食品を食べるとアレルギー症状を起こしてしまう人もいます。つまり、アレルギー検査はアレルギー体質かどうかを判断するものなので、アレルギー症状の有無とは必ずしも一致しないのです。

食物アレルギーの診断は経口負荷試験で

食物アレルギーの診断は、実際にその食品を食べてアレルギー症状が出たか、問診によって確認することから始まります。この問診が診断に最も有効な情報源なので、日頃からアレルギー症状が出たときに、何をどのくらい食べたかなど記録しておくと、診断に役立ちます。その後アレルギー検査を行い、さらに経口負荷試験で診断を確定します。アレルギー検査は補助的なものなのです。

経口負荷試験では、疑わしい食物を病院で実際に食べ、アレルギー症状が出るかを確認します。症状が出なければ食物アレルギーではないと診断します。症状が出れば食物アレルギーと診断し、どの程度の量まで食べて良いのかも判断できます。

過去のアレルギー検査の結果が陽性だったために制限していた食品を、初めて食べようとするときなどは、まず経口負荷試験をお勧めします。また、何種類かの食品を一度に食べてアレルギー症状が出たときも、この検査を受けると、原因となった食品の特定に役立ちます。

なお、経口負荷試験では、重篤なアレルギー症状が出ることがあり、医療機関で安全に配慮して行わなければなりません。家庭で「試しに食べてみる」など、自己判断で行うのは危険です。詳しいことは、かかりつけ医や専門の医師に相談してください。

【詳細】市立旭川病院地域医療連携課(金星町1、電話0166-24-3181)

お問い合わせ先

旭川市総合政策部広報広聴課広報係

〒070-8525 旭川市7条通9丁目 総合庁舎6階
電話番号: 0166-25-5370
ファクス番号: 0166-24-7833
メールフォーム
受付時間:
午前8時45分から午後5時15分まで(土曜日・日曜日・祝日及び12月30日から1月4日までを除く)