あさひばし 平成28年3月号「特集『障害者差別解消法』って何?」

情報発信元 広報広聴課

最終更新日 2016年3月15日

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「障害者差別解消法」って何?

トビラ写真 筆談で注文を請ける店員
4月に施行される、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」。
今回は、障害のある人の声を紹介するとともに、障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会のために今、一人一人ができることを考えます。

障害について理解し必要な配慮を

私たちの社会には、様々な障害のある人がいます。市では、障害の種類に応じて、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を交付しています。手帳を持っている人は、平成27年3月末現在、市内に延べ24,320人。
これらの手帳を持つ人たちをはじめ、障害のある人が安心して毎日を送るためには、障害のない人も障害について理解し、必要な配慮をしていくことが求められます。上の写真のように、筆談でやり取りすることも必要な配慮の1つです。こうした考えを基に施行されるのが「障害者差別解消法」です。
今回は、障害のある人の声を紹介しながら、この法律の内容をお知らせします。

各手帳の所持者数(平成27年3月末現在)
身体障害者手帳18,280人
療育手帳3,575人
精神障害者保健福祉手帳2,465人
延べ24,320人

障害のある人の立場になって考えよう

市内には様々な障害のある人がいます。障害のある人の多くは、「まずは障害について理解してほしい」と話します。

障害者向けの駐車スペースに一般の人が車を止めると

車椅子同士が激しくぶつかり合うウィルチェアー(車椅子)ラグビーのチーム「神威」。メンバーの矢島勇作さんと三田地政則さんは、共に40歳代。交通事故により、20歳代から車椅子を使用しています。「車椅子を使い始めた当時と比べると、社会的な環境は整ってきたと思いますが、まだまだ不便なことは多いです」と矢島さん。自分で車を運転して移動する矢島さんにとって、障害者向けの駐車場が塞がっていると非常に困ります。矢島さんは「『車椅子の人は、きっと来ないだろう』と安易に考えて、必要もないのに駐車する人がいます。悪意がなくても、こうした無理解が私たちを苦しめていることに気付いて欲しいです。ちょっとした意識が、社会を良くするきっかけになると思います」と理解を求めます。
三田地さんは「車椅子使用者がどんどん外へ出て、理解を求めて行くことも必要だと思います。でも、それができずに、家に閉じこもっている障害者がたくさんいます。ぜひ外に出ようと呼び掛けたいです」と話します。

ラグビーチームの写真
前列左から、矢島勇作さん、三田地政則さん、
後列左から、サポートスタッフの矢島洋子さん、小森由美絵さん
車椅子ラグビーの練習風景の写真
車椅子ラグビーチーム「神威」は、毎週、おぴったで練習しています

外見からは分からない障害だからこそ

一方、外見からは障害のあることが分からない人もいます。
大橋美智子さんは27歳のときに突発性難聴になり、72歳の現在は聴覚障害者として、旭川中途難失聴者協会の会長を務めています。
中途難失聴の人は、かつては耳が聞こえていたため、話している人の声は聞こえなくても、自ら話すことに不自由がない人がほとんどです。「だからこそ、中途難失聴者は理解されづらい」と大橋さんは話します。同協会の会員には手話を身に付けていない人も多く、会話は、間に入った要約筆記者の筆記に頼る場合が多い状況です。大橋さんは「要約筆記者がいない時代は、相手の話が分からず、自分の言いたいことを伝えることが難しかったので、とても苦しかったです。まだ、要約筆記という方法があることを知らない人もいるので、もっと多くの人に知ってほしいです」と話します。同協会では、毎月、要約筆記サークルと合同で勉強会を開くなどして、聴覚障害への理解を深めてもらうよう活動しています。要約筆記者養成講座も開催しているので、興味のある方は、旭川中途難失聴者協会(電話31・5250)へ。

中途難失聴者協会と要約筆記サークルの写真

中途失聴の大橋美智子さん(中央)、
市内の要約筆記サークルの
新井あい子さん(左)と奥山美智子さん

要約筆記の様子の写真
相手の言葉を筆記して聴覚障害者に見せる
中途難失聴者のための講座の写真
中途難失聴者のための講座

障害の種類を理解して、適切な配慮を

障害には様々な種類があり、個人によっても違いがあります。外見からは分かりにくい障害も多くあります。まずは、障害を正しく理解し、障害のある方はどのような配慮や支援を必要としているのかを知り、適切なコミュニケーションを心掛けましょう。ここでは、知っていただきたい主な例を紹介します。

視覚障害のある方

障害の特性
全く見えない方と見えにくい方がいます

こんな配慮を
  • 自分から声を掛ける
    周りの状況が見えないため、声を掛けられなければ、会話を始めることができないので、困っている様子のときは、こちらから声を掛ける
  • 「これ」「そこ」などは使わない
    場所を伝えるときは「30cm右」などと、物は具体的な位置を説明したり、触れてもらったりする
  • 歩行を妨げない
    点字ブロックの上に、自転車や物を置かない

発達障害のある方

障害の特性
広汎性発達障害(自閉症など)、学習障害、注意欠陥多動性障害など、脳機能の発達に関係する障害です

こんな配慮を
  • 笑顔で対応する
    不安の強い方や感覚が過敏な方もいるので、適度な声の大きさで、笑顔で穏やかに会話する
  • 具体的に分かりやすく伝える
    抽象的な表現や否定的な言葉を使わず、具体的に説明する
  • 落ち着く時間を取る
    たくさんの人がいる場所や狭い空間などで、パニック症状を起こす方もいるので、場所を変え落ち着く時間を取る

肢体不自由のある方

障害の特性
上肢や下肢の麻痺や欠損などにより、日常の動作や姿勢保持が困難な方、脳性麻痺の方などがいます

こんな配慮を
  • 車椅子を使用している方の移動を手伝う
    段差がある場所などでの移動を手伝ったり、高い所にある物を手渡したりするなどの手助けをする
  • 聞き取りにくい場合は確認を
    脳性麻痺の方の中には、書くことや話すことが困難な方もいるので、会話が聞き取りにくいときは、一語一語確認する

内部障害のある方

障害の特性
心臓機能、腎臓機能、呼吸器機能、ぼうこう・直腸機能、小腸機能、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能、肝臓機能の7種類の機能障害の方がいます

こんな配慮を
  • 負担を掛けないよう配慮する
    疲れやすく、集中力や根気が続かないなど、外見からは分かりにくい症状があるので、できるだけ負担を掛けないようにする
  • 携帯電話等の使用のルールを守る
    携帯電話などの電磁波により誤作動を起こす医療機器を身に付けている方がいるので、バスや公共の場でのルールを守る

精神障害のある方

障害の特性
統合失調症、うつ病、てんかん、アルコール依存症などの様々な精神疾患により、外見からは分かりにくいが、日常生活や社会生活のしづらさを抱えています

こんな配慮を
  • 笑顔で対応する
    不安の強い方や感覚が過敏な方もいるので、適度な声の大きさで、笑顔で穏やかに会話する
  • 本人の話を否定せずに聞く
  • ストレスに弱くコミュニケーションが苦手なので、無理に励まさない

知的障害のある方

障害の特性
発達期に知的機能の障害が現れ、生活上の特別な支援を必要とします

こんな配慮を
  • 内容が理解できるように、具体的に分かりやすく伝える
  • ゆっくり、やさしい言葉で伝える
  • 一度に多くのことを伝えると混乱する場合があるので、小さく区切って 丁寧に説明する
  • 困っている様子の人には「どうしましたか」、「何かお手伝いしますか」と穏やかな口調で声を掛ける

難病等である方

障害の特性
難病とは、原因不明で、治療がきわめて困難であり、後遺症を残すおそれが少なくないことや、症状が慢性化し、長期にわたり生活面に支障を来す疾病をいいます。平成25年4月の障害者総合支援法の施行により、障害福祉サービス等の対象になりました

こんな配慮を
  • 支援してほしい内容を本人に確認
    外見からは分かりにくく、体調の変動が激しいので、症状や体調に応じて、支援してほしい内容を確認しながら、できるだけ負担を掛けないようにする

聴覚・言語障害のある方

障害の特性
全く聞こえない方と聞こえにくい方、言語障害を伴う方と伴わない方がいます

こんな配慮を
  • 会話する方法を確認する
    筆談、手話、手の形を文字言語に対応させた指文字、口の動きから読み取る読話や、それをまねて口の動きで意思を伝える口語のうち、どの方法が良いか確認する
  • 聞き取りにくい場合は確認する
    本人の話が聞き取れないときは、聞き返したり、紙などに書いてもらったりして確認する

障害のある方に関するマークの一例

盲人のための国際シンボルマーク障害者のための国際シンボルマーク身体障害者標識ハート・プラス・マーク(内部障害・内臓疾患を示すマーク)
障害のある方に関するマークの一例の画像

「障害者差別解消法」の内容は?

法律を制定した目的

国や市町村といった行政機関や民間事業者による、障害のある人への差別をなくし、障害のある人もない人も、互いに人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会をつくるための法律です。 不当な差別的取扱いの禁止 行政機関も民間事業者も、正当な理由なく、障害があるという理由で、サービスなどの提供を拒否したり制限したり、また、障害のない人には付けないような条件を付けたりすることはできません。 合理的配慮の提供 行政機関は、障害のある人から何らかの配慮を求める意思表示があった場合は、負担になり過ぎない範囲で、合理的な配慮をしなければなりません。 民間事業者は、合理的配慮への努力義務があります。

不当な差別的取扱いとは?

〈事例〉
車椅子の利用者が入店を断られた
障害を理由にアパートを貸してもらえない

合理的配慮の提供とは?

〈事例〉
メニューを分かりやすく説明したり、写真を活用したりする
筆談・読み上げ・手話などによりコミュニケーションを行う
必要のない人が障害者向けの駐車スペースを利用しないように、注意を促す

手話の理解と普及に向けて

聴覚障害のある方には、文字を読むことが苦手な方も多くおり、このような方々は、手話で広くコミュニケーションがとれるようになることを望んでいます。このため、市では手話を言語として位置付け、手話の理解と普及を進める基本条例の制定を目指しています。

ご意見をお寄せください

手話言語に関する基本条例素案

ろう者が安心して暮らせるまちづくりのための条例です

資料の配布場所

障害福祉課(7の10 第二庁舎1階)、市政情報コーナー(6の9総合庁舎1階)、各支所・公民館、おぴった(宮前1の3)、意見提出手続のページ

資料の配布・意見の提出期間

3月25日(金曜日)から4月25日(月曜日)まで

【詳細】障害福祉課 電話0166・25・6476

障害のある人もない人も安心して暮らせるまちに

誰もが病気や加齢、事故などで、障害者になる可能性があります。今回取材した矢島さん、三田地さん、大橋さんも人生の途中で障害者になりました。そして、障害者になってみると、これまでの生活では当たり前と感じていたことも、大きな障壁になると声をそろえて話してくれました。また、障害への理解が乏しい人の無神経な発言や対応で、心が傷つけられることも少なくないそうです。 障害のある人が社会生活を送る上での障壁は、様々な形で存在していますが、当事者や周囲の人が声を挙げることで変えていくことができます。 こうした声に耳を傾け、障害のある人への差別をなくし、適切な配慮や支援の輪を広げていくことが大切です。 市では、障害を理由に差別的な扱いを受けたり、合理的な配慮を拒否されたりした場合には、窓口で相談を受け付けています。法律の施行を機に、一人一人が改めて、障害について理解し、障害のあるなしで分け隔てることなく、互いに尊重し合いながら、共に安心して暮らしていけるまちについて考えてみませんか。
【詳細】障害福祉課(電話0166・25・6476、ファックス0166・24・7007)

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