プログラムシート目次
初期研修プログラム
市立旭川病院における初期研修プログラムの特徴
平成12年11月に省令として初期研修の目標が以下のように定められました。
「医師が医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野に関わらず医学、医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷または疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身につけることのできるものでなければならない。」
この目標のもとに当院では当初から1年次に内科、外科、救急、2年次に小児科、産婦人科、精神科、地域医療をローテートする7科必須の総合診療方式(スーパーローテート)にて行う研修を基本としています。また2年次の自由選択については、院内のその他の診療科はもちろん、当院にない診療科を他院で研修することも可能です。
研修医が医師として必要な身体疾患に関する基礎知識・基本手技だけでなく、心理社会的側面も含めた患者中心の医療を提供するための技術や態度を身につけることを目標としています。将来どんな診療科に進んでも、必要なのはスペシャリストとしての知識・技術だけではありません。外来や病棟、当直でさまざまな病態に直面するため、初期研修で培った基本的臨床能力は必ず役に立ちます。
2年間の初期研修期間だけで、あらゆる疾患を経験し初期対応を習得するのは不可能ですが、医師として必要なのは、未経験の疾患や病態であっても、それらに対応するために進んで学び、習得しようとする態度や、さまざまな心理社会的問題を抱えた患者・家族に信頼される医療を提供したり、地域社会に貢献しようというプロフェッショナリズムを習得することです。
ローテーション例
1年目
内科1 |
内科2 |
内科3 |
麻酔科 |
救急 (麻酔科) |
救急 (ICU) |
救急 (CCU) |
外科 |
内科:循環器、呼吸器、消化器、糖尿病・代謝、血液、総合内科、神経内科、腎臓内科から選択
救急:救急(ICU)ではICUでの全身管理を研修します。
救急(CCU)は救急当直強化月間で、CCUで循環器疾患の全身管理を研修します。
2年目
小児科 |
産婦 人科 |
精神科 |
地域医療 |
結核研修 |
自由選択 |
- 地域医療:枝幸町国保病院、道立羽幌病院
- 結核研修:旭川医療センター、旭川市保健所
- 自由選択:市立旭川病院
循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、糖尿病・代謝内科、血液内科、神経内科、腎臓内科、
総合内科、小児科、外科、胸部外科、耳鼻咽喉科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科、眼科、精神神経科、
麻酔科、放射線科、放射線治療科、救急科、病理診断科
旭川医療センター(神経内科、呼吸器科、膠原病内科)
旭川医科大学病院(整形外科、脳神経外科、腎臓内科)
旭川赤十字病院(救急科、脳神経外科、腎臓内科)
北海道大学病院(整形外科)
札幌医科大学病院(全科)
市立旭川病院における初期研修プログラムの特色
1.充実したプライマリ・ケア
院内にプライマリ・ケア指導医*3人を抱え、旭川市内基幹病院で唯一の入院診療を行っている総合内科がある当院では、プライマリ・ケアに力を入れています。
総合内科研修
外来初診をはじめ、研修期間内では外来フォローアップ研修も行っています。
午後外来研修
内科系ローテート期間内には、時間外受付した患者さんを領域に関わらず診療する午後外来研修があり、各科指導医も自分の専門領域以外の診療も指導します。
地域医療研修
道立羽幌病院、枝幸町国保病院で毎日のように外来診療を行う機会があります。
豊富な外来診療の機会に、病歴聴取や身体診察をもとに臨床推論を行う力を養うことは、病棟研修とは一味異なる臨床の醍醐味です。
*プライマリ・ケア指導医:日本プライマリ・ケア連合学会の認定する指導医
(日本専門医機構の総合診療領域における特任指導医は2人)
2.高度な専門医療や救急診療
各科ローテートで様々な疾患に対する専門研修を行うことはもちろん、医師として必要な基本手技を身につけます。初期研修のうちに修得すべき基本手技の多くはこの期間内に経験できます。
Procedures on call
未経験の手技をローテート科以外の診療科からオンコールで経験できるシステムで、基本手技を効率的に身につけることができます。
新⼈当直医独り⽴ちプラン
研修医は2次救急当番日の当直を担当し、指導医のもとで救急診療研修を行います。病歴聴取に始まり、段階的に自分で検査を組み立てたり、初期治療を行ったり、専門科にコンサルトしたり、当直PHSを持って救急車受け入れから全てのマネジメントをできるように指導します。
3.症例カンファレンスでの振り返り
症例をたくさん経験すれば良い医師になれるわけではありません。経験した症例を振り返り(reflection on action)、他者と共有し、討論することで理解が深まります。当院ではoff-the–jobtrainingの機会を複数設けています。
救急症例検討会
月1回開催。当直で経験した印象に残る症例、典型的症例、ヒヤリハット症例などのcase discussion。プレゼンテーション作成の練習にもなる。
救外レビュー
隔週開催。準備は気になった救急症例リストだけ。At homeな雰囲気で指導医たちとともに行う振り返り。
Clinical TIPS
2, 3週毎に開催。外来や病棟で遭遇するちょっとした疑問に指導医がお答えする双方向カンファレンス。
総合内科カンファレンス
総合内科の外来や病棟で経験した診断困難症例や、診療科に関わらず日常的に経験する臓器非特異的な問題に焦点を当てたcase conference。不定期開催。
4.研修を支えるメンター制度
初期研修中は、日常業務や将来に対する不安、悩みもつきものです。当院では2012年度より、道内初のメンターシップ制度を導入し、安心・充実した研修生活を送っていただくためのサポートシステムを整えています。
・ マッチングにより希望のメンター(先輩医師)を決定します。
・ 意欲促進・課題達成・キャリアアップのための支援とfeed backを提供します。
・ 悩み事の相談・解決、医学的・技術的相談にも対応します。
研修医の声
・ 将来どのような医師になるかという目標になる先生がメンターで指針になっています。
・ メンターの先生と新たにWebレクチャーの視聴を始めたりよりよい研修を行っています。
・ いろいろな経験があり、知識もより多い上級医といつでも相談できる関係性をつくるきっかけとなっています。
各科の概要
- 循環器内科
- 消化器内科
- 代謝内科
- 呼吸器内科
- 血液内科
- 総合内科
- 神経内科
- 腎臓内科
- 外科
- 胸部外科
- 耳鼻咽喉科
- 産婦人科
- 泌尿器科
- 眼科
- 麻酔科
- 小児科
- 精神神経科
- 放射線科・放射線治療科
- 皮膚科
- 救急科
- 病理診断科
令和3年度基幹型臨床研修病院年次報告等
01_2_1 様式10別表(年次報告)(PDF形式 106キロバイト)
01_2_2 様式10別表(研修プログラム変更届出書)(PDF形式 108キロバイト)
01_3_1 様式10別紙1(年次報告)(PDF形式 253キロバイト)
01_3_2 様式10別紙1(研修プログラム変更届出書)(PDF形式 264キロバイト)
01_5_1 様式10別紙3(年次報告)(PDF形式 387キロバイト)