旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2023年9月のしいくのぶろぐの記事

クジャクのヒナが自然ふ化しました!

 9月10日と11日にクジャクのヒナが2羽ふ化しました。8月12日に母クジャクが卵を温め始め、28日間の抱卵を終えて今回無事に誕生しました。

ふ化して間もないヒナ
ふ化して間もない頃のヒナ
 

 産まれてすぐはお腹の中に黄身に栄養が残っており、1~2日は何も食べなくても生きていけますが、生後2日程経ちますと大人のクジャクと同じようなご飯が食べられるようになります。
 今回誕生した2羽のヒナたちも、ハクサイやチンゲンサイを突く姿や、飛び上がって塀を渡る姿など見られています。

野菜をつつくヒナ
ハクサイやチンゲンサイなどを突くヒナたち


 旭山動物園では、クジャクのヒナが誕生したのは約2年ぶりとなります。まだ雌雄は不明ですが、頭のパヤパヤ(冠羽)は生後1ヶ月程度で生え始めます。母クジャクがヒナたちを連れて子育てをしている様子がご覧いただけますので、動物園へお越しの際は是非クジャク舎にお立ち寄りください!

母親の背中に乗るヒナ
母クジャクの背中に乗って遊ぶヒナ
 

こども牧場担当:永澤琴音

ブラッザベビー2023

 先日しいくにゅーすでお伝えしたとおり、9月2日にブラッザグエノンの「モモ」が出産しました。
 8月中頃からお腹が目立ってきていましたが、過去の出産間隔を参考に出産予定は9月後半かなと考えていました。想定よりも少し早い出産になりましたが、とても落ち着いて仔を抱いている様子を見て安心しました。

 モモの様子・天気・気温が問題なかったので、出産当日から放飼場へ出ています。
 こどもは少しずつ周りに興味を持ち始め、モモの手の届く範囲でモモから手を離すことがあります。

 いまブラッザは1歳違いの兄弟が4頭になったので、こどもからおとなへの毛色の変化を観察することもできます。おでこの三日月・鼻の周りの皮膚の色・しっぽの毛色あたりを見比べるとわかりやすいです。

 日々の様子はSNSでアップしますのでチェックしてくださいね。

9月14日撮影

9月14日撮影

サル舎・キツネ・タヌキ担当:佐藤和加子
 

担当動物の近況

 やっと涼しい時間が増えてきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 夏の間の担当動物たちの様子ですが、カバは暑い地域に暮らしている生き物なので、真夏の暑さもあまり気にしていないようでした。ただ、人間と違い汗をかくための汗腺が存在していないため、体温が上がりすぎないよう暑すぎるとプールに潜って寝ていることが多いので、涼しくなり始めた今時期の方が活動している様子に出会いやすいかもしれません。
 昨年から外の放飼場の陸に、大きめの木の枝を牙を削ったり遊んだりするための道具としていれているのですが、三頭とも毎日のようにかじって振り回して、水の中まで持って行って利用しています。
 人間には活動が辛く感じる暑い日でも夏バテとは無縁な遊び回ってバクバクと餌を食べる姿に、生物としてのスペックの違いを感じました。

 一方、猛禽類たちは涼しくなってきて過ごしやすそうにしています。
 夏鳥であるチゴハヤブサなどはあまり気にしていないような一方、冬鳥であり体も大きなオオワシなどは暑さが心配でしたが、無事夏を乗り越えて、最近は毎朝気持ちよさそうに日光浴している姿が見られます。特に全身が淡い茶色のオジロワシは水浴び後に日光を浴びていると体が輝いているようでとても美しいです。
 暖かい間は頻繁に水浴びしている様子が目撃されますのでぜひ何度も足を運んでみて欲しいですね。

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 今年はチゴハヤブサのヒナが保護で収容されました。最初はモサモサアフロヘアーのようだった綿羽が今はすっかり換羽し、立派なチゴハヤブサの姿となっています。

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 皆様の前にお目見えできるかどうかは未定ですが、今の時期は野生のチゴハヤブサたちも渡りの練習のため親鳥と一緒に飛び回っている姿がよく見られます。チゴハヤブサはカラスの使い終わった巣を利用して営巣する鳥であるため、実は我々人間のすごく近くで暮らしている猛禽類です。
 動物園では東門から下りてくるゆっくりロードでチゴハヤブサの成鳥二羽を展示しています。夏鳥であり寒さには弱いため、夏季限定の展示となっていますのでぜひ夏期開園のうちに会いに来てください。

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ワシ・タカ・かば館担当:高橋ひな

チンパンジーの近況

 お盆時期も終わり北海道らしく涼しくなると思いきや猛暑日を記録するなど暑い日が続きました。9月に入り残暑を感じながらも一歩一歩季節は秋へと近づき緑の葉も色づき始めます。
 さて、旭山のチンパンジーは暑い日々のなか元気です。ピースケ(21才)の群れとキャロ(15才)の群れで夏期開園中は基本、屋内と屋外の1日交代展示しています。
 7月から各群れの雄と雌を分けての飼育とし、経過を観察しています。
 2021年12月26日にキーボ(53才)が亡くなり、雄の個体は青年期を迎えディスプレイ行動も頻繁になり、雌は高齢化が進み、群れ編成をどうすべきか考えてきたところです。
 キーボが健在だった2015年7月から今の11頭が2つの群れで過ごしニナが成長に伴い群れを変わったことがありました。しかし、2つの群れに分けてきた根本はキーボの存在でありました。旭山で約47年間過ごしたキーボ、天国からチンパンジーたちを応援してくれていると思います。現時点では雄と雌を分けていますが、個体間の関係を見ながら今後の方向性を探っていきますので、見守っていただければ幸いです。
 雌の高齢化もありますが近親交配を避けて避妊など行ってきましたが、近親交配を避けていた群れの中で、フルト(43才)が8月14日に赤ちゃんが産まれました。母子共に健康で、授乳も問題なくベテランの母親らしくしっかり赤ちゃんを朝も夜も離さず抱きしめています。生まれてから3才半から5才くらいまで母親のお乳を吸っていますので母子はいつも一緒で深い絆で結ばれます。母親は約5年周期で次の出産ということになります。展示はいまのところ未定です。

フルトと子ども

フルトと子ども

ちんぱんじー館担当:髙井正彦