旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2023年6月のしいくのぶろぐの記事

2023年6月24日 しいくのぶろぐ

仲間入り

仲間入り

 6月11日、旭山動物園に今年生まれの仔アザラシがやってきました。野生個体です。


カモメとご対面

まずは屋内でカモメたちとご対面


 4月29日、知床半島の漁港で衰弱して打ち上げられてた仔アザラシを保護しました。アザラシの親子関係は生後1~2週間で終わります。親元を離れたけど、うまく魚をとれず弱ったものと思われます。
 発見時はぐったりしていて体は傷だらけ、目もひどく腫れていて「一晩持つかどうか・・・」といった状態でしたが、地元「知床財団」さんのスタッフたちが懸命に治療し、なんとか一命を取り留めました。
 野生復帰をめざし飼育が続けられ海に戻せる状態まで回復しましたが、これから知床ではサケ・マスの定置網漁が始まるため、今海に帰しても魚を追い網に入り再び保護されるか、場合によっては網の中で溺れ死ぬ可能性が高いと判断し協議を重ね、旭山動物園で受け入れることになりました。
 6月11日早朝、知床から旭山に到着。まずは屋内の小さな隔離プールで様子見、とても落ち着いていたので6月14日、あざらし館の浅瀬部分を仕切り外プールデビューとなりました。

体重測定 外

   外に出す前に体重測定        外プールデビュー!   


 餌も順調に食べていますので、ある程度体格が良くなったところで群れに合流させていく予定です。名前は「ゆき」メスです。

食べている

餌も食べてます


「ゆき」の成長をあたたかく見守っていただけたらうれしいです。よろしくお願いします。

あざらし館担当・副園長:中田真一

「はじめまして!」

 はじめまして!
 こども牧場ヤギ担当の藤原真凜と申します。
 飼育員になる前は旭山動物園の管理事務所で3年間勤務しておりました。
 幼い頃から旭山動物園で動物の命を通し沢山の事を学ばせていただき、それが今伝える側になっていると思うとやりたいことがありすぎて毎日試行錯誤の連続です。
 熱い想いを持った先輩飼育員たちの背中を見て日々努力する事を怠らず、邁進して参ります。よろしくお願い致します!

 さて、ヤギの近況ですが

 冬毛から夏毛に生え変わり、全体的にスリムボディになりました。
 …のはずですが、昨年9月に生まれた「かえで」と「あかね」が急激に成長しており、夏毛でも冬の姿以上に大きくなり、「かえで」に関してはお母さんヤギの「こむぎ」とほぼ変わらないくらいになっています。

かえでとこむぎ
(左)0歳9ヶ月のかえで (右)2歳2ヶ月のこむぎ 


 ヤギは家畜動物。約8000年前から人間と共に助け合いながら暮らしてきました。

 ヤギを家畜化し食の安定を与える代わりに、人間は毛や乳をヤギから分けてもらい、ときには肉としていただくなど、たくさんの恩恵を受けています。
 ヤギの成長が早いからこそ人は共に暮らすことを選びました。そしてまたヤギたちもこの共生があったからこそ安全に子孫を生み育ててきました。

 今回の「かえで」や「あかね」の成長のスピードを目の当たりにし、昔から人とヤギお互いがお互いを必要として生きてきた意味をよくよく知り得ました。

 しかし、そんな事が頭によぎるのは少しの間だけで、ヤギたちは今を懸命に生きるため草をせっせともぐもぐし、うたた寝をし、橋をヒョイと渡ったと思いきや、急に崖をものすごいスピードで駆け降りたりしています。日々こんな姿を見て、ヤギの凄さ、美しさ、愛らしさを感じています。

ヤギ


 今年の春の休園期中に第2こども牧場をかなり改造しました。ヤギとヒツジの展示スペースを広げ、ヤギ専用の橋をルート変更や高さ調整の為、全て一旦取り壊し新たに建て直しました。放飼場前にはニレの木を、放飼場内の崖面には桜の木を植えました。

 最近は、ちょっとした菜園も始めました。
 青梗菜(チンゲンサイ)や小松菜は種まきをして1週間くらいで発芽しました。どれも成長が早くて、私を置いていかないで…(笑)となります。
 ゆくゆくは、ヤギやヒツジの糞を堆肥にして循環型菜園にしようと思っています。
 楽しみにしていてください!

菜園

菜園の写真


 3年間闘ってきた某感染症もようやくフェードアウトの段階がきて忙しい日々が続いてるかと思いますが、皆様がヤギを見ながらホッと落ち着けるような雰囲気作りをしていきたいなぁと思っております。

 皆様お一人お一人との交流を大切にしていきたいたいと思っておりますので、ご来園された際はぜひお声かけください!

ヤギ集合

旭山動物園のヤギたち

こども牧場担当:藤原真凜

マガモ・カルガモのヒナが孵りました

 6月5日にマガモのヒナが6羽孵りました。

 母鳥が見守る中、泳いだり餌を食べたり、プカプカ浮きながら寝ていたり、可愛らしい姿が見られます。

ヒナ

プカオプカ浮きながら眠るマガモのヒナ


 その後カルガモのヒナも次々と孵り、ととりの村の大池ではヒナたちの鳴き声が常に聞こえてきます。
 野生のカモたちは、地面を少し掘って巣材を運び、自分の羽を抜いて被せ、卵を産むための準備をします。
 ととりの村でも、そのようなカモたちの姿を見てもらいたいと思い、巣箱を置かずにカモたちが自分たちで場所を探し巣を作っています。
 

巣

マガモの巣


 また、巣箱を置いていた頃は、先に産まれたヒナが巣箱を飛び出すと、母鳥のところへ戻れないこともありましたが、今ではそのようなこともなくなりました。
 カモ類は天敵が多く生き残ることが難しいため、親鳥はたくさんの卵を産みます。
 天敵もカモの卵やヒナを食べることによって命を繋いでいます。
 ととりの村にもネズミやヘビがいますが、厳しい環境の中でも母鳥に見守られながら、たくましく生き抜くヒナたちの様子を温かく見守っていただけると嬉しいです。

母鳥

ヒナを見守る母鳥

ととりの村・オオカミの森担当:原田 佳

「自由研究はじめました」

 北海道は緑も増えてきて、一番過ごしやすい季節になってきました。
 動物園でも気持ちのいい青空に、シロテテナガザルの歌声がひびいています。

 さて、テナガザルの歌声と言えば、この春の開園から「みんなの自由研究」という展示がひっそりとはじまっています。
 最初のテーマがこの歌声なのですが、テナガザルがどんな時間帯、どんな天気の時に歌うのかを来園者の皆さんの観察によって調べてきました。
 結果はまだまとまっていないのですが、毎日たくさんのシールを貼ってもらったことでデータを集めることができました。この場をかりてお礼申し上げます。どんな結果が出るのかお待ちください。

 また、展示のおかげで、来園者の皆さんが以前よりテナガザルの歌声に注目してくれたような気もしています。ありがたいことです。

 今後は月替わりでテーマを変えて、皆さんにただ動物を見るだけではなく、特定の行動に注目することによって「観察」をしてもらえるようにつながっていけばと考えています。
 ちょっとバタバタしていて、6月のテーマはまだ決まっていないのですが、園内でこの看板を見つけたらぜひ参加してみてください、よろしくお願いします。

自由研究

みんなの自由研究看板を探してくださいね

てながざる館担当・獣医師:中村亮平