旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2022年9月のしいくのぶろぐの記事

最近のシンリンオオカミの様子

 朝、事務所から外に出ると温度計が10度ちょっとしかないことが多くなりました。

 北海道に住む私たちですが、冬に近づくにつれ空気が冷たくなってくると、体がまだ慣れていないため寒い寒いと言いながら外に出て行きます。

 オオカミのヌプリとアオイがいる獣舎のところにはマユミの木があります。

 この木の実が赤くなり、パカっと割れると「秋が来るなー」と感じます。

 シンリンオオカミたちは毛で覆われているためこの程度の寒さなら全く平気で、日が出ている日は気持ちよさそうにチップの上で寝ているアオイが見られます。

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ヌプリとアオイの獣舎にあるマユミの木

 さて、最近のレラ・ワッカ・ノチウの様子はと言うと。。。

 レラがノチウのお尻を嗅ぎに行くと、ノチウはそのまま匂いを嗅がせ、その後下からペロリとレラの顔を舐めることがありました。また他の日には、投げ入れたおやつを取り合い、ノチウとワッカがケンカになりましたが、最初ノチウが尻尾を上げてアピールしていましたが、その後スッといなくなり、ワッカが残ったおやつを食べていました。

 朝様子を見に行くと3頭で寝ており、ノチウとワッカはすぐにこちらに気がついて耳をたてたり顔を上げますが、レラは反応することなく寝ていることが多いです。

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レラ(左)とノチウ(右)

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レラ(左)ワッカ(上)ノチウ(右)

 これからオオカミたちは冬毛に衣替えをします。保温のための毛足の短い毛とそれを覆うように毛足の長い毛で全身が覆われます。首の周りがたてがみのようになり、体が一回り大きくなったように見えます。そんな凜々しい姿への変化も楽しみながら、これからもしっかり観察していきます。

(オオカミの森・ととりの村担当:原田 佳)

9年ぶりのヤギの出産

 4月の中旬、美瑛にあるファームズ千代田さんに「こむぎ」を連れていき、オスと交配させていただきました。そして約5ヶ月の妊娠期間を経て、無事に9月10日の14時頃に出産しました。
 旭山動物園でヤギが産まれたのは、今最年長の「はなこ」と「まるこ」以来9年ぶりのことです。産まれた子どもはオスとメスの双子で、オスを「かえで」、メスを「あかね」と愛称をつけました。
 ヤギの成長はとても早く、体重は生後2週間で産まれたときの約2倍になりました。すでに他のヤギやヒツジ達と一緒に展示をしており、放飼場で兄妹で遊んでいる姿を見ることができます。
 子どもの時期はあっという間に過ぎていってしまうので、お早めにこども牧場の子ヤギの姿をぜひ見に来てください!


ヤギのこども

左:「あかね(メス)」 右:「かえで(オス)」

こども牧場担当:泉こはる

【ゴマフアザラシの体を知ろう!】

 いきなりですが、みなさんはアザラシの体をじっくり観察したことはありますか?

 正直泳いでいたり、水中にいることが多いのでじっくり観察することはちょっと難しい生き物かもしれません。

 ですが多くの方にアザラシについて知ってもらいたいと思うのが飼育担当だと思うので、私がブログ担当の時は普段見ることが難しい体の部位や、あまり知られていないアザラシのことを紹介していこうと思います!

 さて今回は1番みなさんが観察しにくい場所だと思う「口の中」を紹介します!


まずはゴマフアザラシの麦に協力してもらって撮影した口の中をみてください!

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 どうですか?

 私たちとちょっと違うところがいくつかあったのではないでしょうか?

 全部話しているとすごく長くなってしまうので今回は2つに絞って簡単にですが話していきます。


 1つ目は歯の形が違います。

 私たち人間は前歯で物を噛みちぎったり、奥歯ですり潰したりしますよね?

 アザラシは犬歯という尖った歯で魚を捕まえてすり潰すことなく丸呑みで食べていきます。

そのため人のようなすり潰す形の歯がないんです!


 2つ目の違いは舌の形です。

 写真をみてもらえると分かると思いますが、先が少し割れています。これは魚を丸呑みにする時に喉奥へ魚を入れていく時の支えのように使うそうです。

 ちなみに丸呑みで食べるので味覚がほとんど発達していません。そのため私たちが食べて美味しいホッケも残念ながら味が分からないんです…


 今回は簡単にでしたがアザラシの口の中の紹介をさせていただきました。

 第2弾があれば違う体の場所を紹介しようと思うのでお楽しみに!!

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 最後に気持ちよさそうに寝ているアザラシを載せておきます。

(あざらし館担当:大村 凌也)

鳴き虫を展示しています

今年のこども牧場は、夏に行っていたクワガタ・カブトムシ展が大盛況に終わり、秋の訪れを感じる身近な「鳴き虫」を展示していきます。

旭川で見られるキリギリスの仲間やコオロギの仲間を現在9種類展示しています(今後10種類に増える予定…)。


コオロギ
コオロギの仲間
キリギリス
キリギリスの仲間

 昼間でも「鳴き虫」たちの声は聞こえてきますので、どの鳴き声がどの「鳴き虫」なのか、鳴き声の解説看板を参考にしながら、 ゆっくり足を止めてご覧ください。鳴いていない場合は、看板で鳴き声を覚えてくださいね。

第2こども牧場の建物内で展示していますので、ぜひ身近な「鳴き虫」を感じに足を運んでもらえればと思います。


ハネナガ
ハネナガキリギリス
イブキヒメギス
イブキヒメギス

こども牧場・教育担当:佐賀真一
 

コロブス近況

すでにしいくにゅーすでお伝えしましたが、8月10日にアビシニアコロブスの「アビ」が出産しました。

今回はアビの過去の出産間隔よりも1ヶ月早い出産でした。

朝、室内の出血の跡を見て「ギガースとアルが大げんか?そのわりには2頭とも落ち着いてる…」なんて思いながらコロブスたちをよーく見ていたらアビのお腹にくっつく白いものが!びっくりしました…。

8月18日

                     <8月18日撮影>

こどもは生後2日目には母以外のものに興味を示し、現在は母の近くならひとりで遊ぶようになっています。ときどきアル・あんず・アクイラもこどもの相手をしていて、あんずはだっこもしています(あまり上手ではありませんが)。

アビシニアコロブスは同じ群れの他のメスが子育てを手伝います。あんずはアクイラが生まれたときよりも積極的にこどもに関わっています。「こうやって子育てを学ぶのだなぁ」と見ていてほほえましいです。

9月2日

                  <9月2日撮影 弟を抱くあんず>

きょうだい3頭(もしかしたらアルも加わって4頭?)で遊ぶ日もそう遠くなさそうです。こどもの毛色はこれからだんだんと変化して、生後4~5ヶ月頃にはおとなと同じ配色になるので、その様子にも注目しつつ観察してみてください。

ちなみに、性別はオスでした。名前は考え中です。

                            アル

<おまけ:とある日のアルの寝姿。室内では丸太の上で休むことが多く、このポーズはなかなか見られません。>

サル舎・狸狐担当:佐藤和加子