旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2022年2月のしいくのぶろぐの記事

はじめましてと新アイテム

 はじめまして!
 昨年11月より旭山動物園にて勤務しております、こども牧場担当の志子田と申します。

 自宅でイヌ1頭、ネコ4頭に、鳥1羽、そして魚を飼育している大の動物好きです。

 現在、こども牧場の中でも「ニワトリ・アヒル舎」を担当しております。
 小さい頃から慣れ親しんだ、大好きな旭山動物園で働くことができ、毎日楽しく過ごしています。
 見かけた時は気軽に話しかけてみてくださいね!


 さて、先日よりアヒル舎室内へ新アイテムとして子供用プール(人間用)を導入しました。

 冬場だとどうしても凍結が避けられないため、外のプールへは水を入れず、室内になる小さいプールでの展示を行っています。
 アヒルは「水鳥のマガモ」から作られた家禽です。そのため、小さいプールでは水鳥としての本来の動きを制限されてしまうのでは?と頭を悩ませておりました。

 冬場でものびのび羽を広げ、思いっきり水浴びを楽しんでほしいという思いがあり、この度、子供用プールの導入を決意しました。

 結果は、と言うと…………見事大成功でした!

アヒル水浴び

 「周りなんてお構いなし!」
 派手に水しぶきをあげるアヒルたち。見ていてこっちも楽しくなりました(私もビチャビチャになりました)。
 驚くほど撥水する羽や、目を開けたまま水中に潜る姿等を観察し、アヒルのことをもっと知ることができる絶好のチャンスですので、ご来園の際は、ぜひとも「ニワトリ・アヒル舎」へお立ち寄りいただければと思います。

アヒル

ゆったりと泳ぐ3羽のアヒル


アヒル2

外の放飼場へ歩いて遊びに行くこともあります

こども牧場担当:志子田紗希

【今も変わらない大切なこと】

 先日SNSで北九州にある到津の森公園の岩野園長が退任されることを知りました。

 岩野園長で思い出すことがあります。私が動物園で働き始めた16年前、到津の森公園で行われた動物園水族館獣医師の研究会に参加した時のことです。懇親会の挨拶で「これからが本番です、ぜひ親睦を深めて下さい」とおっしゃっていました。

 私は先輩飼育係から、当時園長だった小菅前園長と同じ研究会に参加した際に、前泊の夜に電話がかかってきて「今何をしているんだ!」と聞かれ、「○○動物園の人と飲んでいます」と答えると「よし!!なら良い」と言われたというエピソードを聞いていたので、同じようなことをおっしゃるなぁと思ったものです。その夜は二人の言葉を実行して、朝まで親睦を深めました。

 昔は今ほど海外や他園館の情報も得ることが難しかったこともあり、横のつながりを作る大切さを教えてくれたのだと思います。昨年末、円山動物園から旭山動物園に研修に来ていた飼育員に「小菅前園長は旭山で何を見てこいとか言っていましたか?」と聞いたところ、「とにかく飼育係とつながりを作ってこい!と言われました」とのことでした。時代は変われど、今もその大切さは変わりませんね。


 岩野園長が退任すると、当園の小菅前園長や上野動物園の小宮元園長、富山市ファミリーパークの山本前園長、天王寺動物園と宇部市ときわ動物園の宮下前園長など、いわゆる団塊の世代前後の名物園長たちが園長という一線を退くことになります。動物園の役割が変わっていく時代のなかで、動物園を支えていた世代の皆様のおかげで今の動物園があると思います。コロナ禍で動物園も大変な時代ではありますが、私たち現役世代には動物園をよりよいものにしていく責任があると感じています。

私が言うのもおこがましいですが、岩野園長長い間お疲れ様でした(旭山動物園一同)

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お近くにお住いの方ぜひ参加してみてください。

(獣医師・トナカイ・テナガザル担当 中村 亮平)

【もうじゅう館の近況】

 なかなかもうじゅう館全体のことをお伝えする機会もないので、今回は近況をお伝えしようと思います。


 まず、1月中旬にユキヒョウのジーマが繁殖のために引越しをしました。それまで一緒に生活していた娘であるユーリはジーマがいない環境にまだ戸惑っているようですが、徐々に今の状況に慣れてもらい、ゆくゆくはジーマのように立派な母親になってもらえればと思っています。


 昨年新しく仲間入りしたライオンのイオ。今のユーリのように新しい環境に戸惑いを隠せない様子でしたが、今ではすっかり慣れてくれたようで、雪が降り積もる放飼場に出て遊んだりしています。寒さには強くはないので、外に出てる時間はまだ短いですがたくましくなっています。


 アムールトラは、あっという間に大きくなった3頭の仔が今の悩みのタネで、もう親から独立させてそれぞれ単独で分けてやりたいのですが、部屋数や放飼場の関係から父、息子2、母と娘の3グループで展示しています。これがなかなか大変で両親を合わせて5頭のトラをどうやって部屋を入れ替えたり順番に放飼場に出してあげられるか?という点に苦労しています。


 ヒグマのとんこはもうじゅう館での生活も残りわずかとなってきました。新施設では土の地面や小川があったりするようなので今まで出来なかった新しい行動を見せてくれると思います。「えぞひぐま館」での活躍を期待しています。


 そして最後にアムールヒョウ。メスのみらいはアムールヒョウの個体数がとても少ないこともあり、繁殖相手が現れるのを待っているような状況です。そして昨年からバックヤードに移動したキン。まだまだ元気はありますが、やはり股関節は徐々に思うように動かなくなってきているようで、後肢を引きずることが当初よりも増えてきました。なるべくキンの思うように過ごして欲しいので放飼場と寝室は開放したままで自由に行き来できるようにしていますが、寒さのためか最近はすぐに寝室に戻りたがっています。

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 また機会をみて近況をお伝えしていければと思います。

(もうじゅう館担当:大内 章宏)