旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2020年7月のしいくのぶろぐの記事

2020年7月30日 しいくのぶろぐ

【採血】

【採血】

 動物の体調が悪いときや、健康診断の時に採血を行います。私たちヒトの採血と言えば肘の内側の血管から採るのが一般的です。では動物たちはどこから採血するのでしょうか?

 まずはジェンツーペンギン。さてどこから採血するのか。

 写真は足の血管から採血しているところです。うつぶせに保定して足の親指の上にある血管から採血します。で、血管は見えているのかというと、ほとんど見えません。指で触ってみて血管の部分が「ぷっくり」しているので、そこに針を刺します。

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ジェンツーペンギンの採血

 次はライオン。さてどこから採血するのか。

 写真は太ももの裏側の血管からから採血しているところです。

 こちらの血管は良く見えるのですが、ネコの仲間の血管は弾力があり、針を刺す時に「プリン」ってなることがあります。これを通称「血管が逃げる」といいます。逃げないようにしっかりと皮膚を張り採血します。

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ライオンの採血

最後はシロテテナガザル。さてどこから採血するのか。採血場所は腕、足、首なのですが、このときはことごとく失敗し、採血できそうな血管は無いかと全身を探したところ、え?こんなところに?という場所にありました。写真はわきから採血しているところです。

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テナガザルの採血

 思い出せば12年前、動物園に入って初めて採血したのはシンリンオオカミのマースでした。そのときは中々採血ができず、採血って難しいなと感じたことを思い出します。

 これからも安全に正確にかつ早い採血ができるように経験を積んでいきたいと思います。

(獣医師・きりん舎担当:佐藤 伸高)

【オオコノハズク誕生】

 6月24日 人工繁殖により、オオコノハズクが一羽孵化しました。

 産まれた翌日から餌である”ひよこの肉”を食べ始め、すくすく成長中です。

 綿羽から生え変わり、もうすぐ巣立ちを迎えます。

 園内のなるほどガイドなどで皆さんにお披露目できればと思いますので、是非お楽しみください。

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【孵化】嘴打ち後48h経過も自力で殻を割ることができず、殻を割るのを手伝う

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【孵化直後】元気な鳴き声で誕生。

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【翌日】表面が乾き、ふわふわ綿毛に。

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【2週間後】目つきが鋭くなってきた。

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【3週間後】生え変わりが進み、しっかり立てるようになった。

今シーズンは「自然繁殖(親鳥にヒナを育てさせる)」と「人工繁殖(人が育てる)」の両面からの繁殖を試みました。

現在は親鳥も3卵を温めており、こちらの孵化予定は7月下旬です。

無事に孵化するよう願っています。

(フクロウ担当:荒木地 真美) 

【レッサーパンダが出産しました】

 先日「しいくにゅーす」でお伝えしましたとおり、6月29日にレッサーパンダの双子の赤ちゃんが生まれました。

 母親は渝渝(ユーユー)で父親はプーアルです。

 現在は渝渝の寝室の中にある産箱ですくすくと育っており、育児に関しても、ベテラン母ちゃんの渝渝がしっかり面倒を見ています。

 産まれて3日目位までは、渝渝は飲食と排泄以外は産箱に籠もりきりで、授乳と毛づくろいを行っていました。食事中だろうと、仔が鳴き始めればすっ飛んで戻っては毛づくろいをして、眠っては仔が泣き始めると起きて毛づくろいをしてと、大忙しな様子でした。

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生まれたての双子

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疲れて爆睡する渝渝

 ただいま生後2週間が過ぎ、まだ目も開いておらず、レッサーパンダの模様も出ていません。

 しかし、生後4日目で240gほどだった体重も500gほどまで増えて、渝渝も産箱の外でゆっくり休める時間も増えてきました。

 性別はもう少し仔が落ち着いて、はっきり観察でき次第改めてお伝えします。

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担当者の第一声「ラッコじゃん!」

 担当者として、これから元気に動き回る仔の様子を静かに見守っていくのがとても楽しみです。

 もちろん親子の成長や体調を優先した上にはなりますが、仔が放飼上に出るのはだいたい秋~冬になると思います。

 それまでの間はHPやSNS、モニターによる映像等で成長をお伝えしていきますので、楽しみにしていただければと思います。

 【小獣舎・両生類ハ虫類・ゲテモノ担当:鈴木 達也】

夏のあざらし館

 7月も下旬に入り、連日暑い日が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか?
 あざらし館では3月末に2頭のこどもが誕生してから、早いことにもう4ヶ月が経とうとしています。
 うるち・もち丸ともにすくすくと成長しています!
 1日数回に分けて魚をあげているのですが、最近はその魚を巡って魚争奪戦が繰り広げられています。
 アザラシは子育て期間が終了すると、親子関係も終了してしまうため、こどものエサであろうと親、兄弟関係なく奪いに来てしまうのです。

 最初の頃は他の個体に為すすべもなく奪われる状態だったのですが、最近は他の個体を頑張って追い払いながら魚を食べています。2頭の成長に驚く毎日です。

 来園した際には、ぜひ2頭の勇姿を見届けてください!

 
もち丸

もち丸


うるち
うるち


 そんなあざらし館ですが、先日プールの全抜き掃除を行いました。水を全部抜き水圧で汚れを落としていきます。深いところはドライスーツを着用し水にプカプカと浮きながら作業をします。

汚れたプール
数ヶ月の間に溜まった汚れを
きれいになったプール
ピカピカに落としました



 アザラシ達も気持ちよく泳いでくれてました!

(あざらし館担当 森田 瑠奈)

【傘なのか餌なのか】

 先日小雨が降っている日にオランウータン舎に向かって歩いていると、道ばたに生えている巨大なフキを見つけました。

 このような巨大なフキを見ると、子どもの頃にフキを傘に見立てて遊んでいたことを思い出します。

 そしてこれをオランウータンに渡すとどうなるのだろうという興味がわいてきました。

 オランウータンはチンパンジーほどではありませんが道具を使うことができる動物で、野生でも葉っぱを器にして水を飲む姿が確認されています。また、オランウータンは雨で身体が濡れることを嫌がります。

 これはオランウータンもフキを傘にするのではないかと思い、フキを採って外で雨宿りをして過ごしているジャックのもとに向かいました。ジャックは私がフキを持っているのを見るとすぐに雨宿り場所から出て近づいてきました。これは良い写真が撮れるかもと思い、カメラを構えながらフキを与えてみました。

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あっ、傘だ!

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 そう思った瞬間、根元の方からボリボリと食べてしまいました。

 ジャックは「フキは傘ではなく餌である」タイプのオランウータンみたいです。

(おらんうーたん舎・オオカミの森担当:佐橋 智弘) 

コロブスベビー

 5月1日に生まれたアビシニアコロブス「アビ」のこどもは順調に成長し、だんだんやんちゃになっています。


 生まれたとき真っ白だった毛は、少しずつグレー→黒の部分が増えています。

 (生後3~4ヶ月で大人と同じ毛色になります)

 5月4日コロブス

<5月4日>


 アビシニアコロブスは同じ群れのメスが子育てを手伝うことがあり、前回の出産の際にはアビの義理の母である「カトリーナ」が手伝ってくれていたようなのですが、昨年カトリーナが亡くなり、今回はアビひとりでの子育てになるかと思っていました。

 が、ヘルパーがいました!

 アビの息子の「アル」です。

 こどもを構いたいようで、さわってみたり、ときどきだっこもしています。

 (こどもは落ち着かないようで鳴くことがありますが、母は慌てることなく子供を抱きにいきます)


 こどもの父親は昨年秋に来園した「ギガース」です。

 ギガースはこどもが近づくとどう扱っていいかちょっと戸惑っているようにも見えます。

6月12日ギガース 

<6月12日ギガースと母仔>

6月12日コロブス

<6月12日>


 こどもの様子だけでなく、個体同士の関係の様子を観察するのもおすすめです。

 今のところ、展示時間は毎日13:30~16:30です。

 日々の様子はSNSにも投稿していますので「#アビのこども」でチェックしてくださいね。

6月20日コロブス

<6月20日 母の食事中にまわりで遊んでいます>


 そうそう、お隣の仔ワオたちも順調に成長しています。

 まもなく生後4ヶ月になります。まだまだおっぱいも飲んでいますが、大人たちに負けずによく食べます。

 おいしいものをあげるときにも母から離れて取りに来るようになりました。

 こちらも「#ナスカのこども」でチェックしてくださいね。

こどものワオキツネザル 

<仔ワオたち>


 まだまだ「見に来てください!」と大きな声で言える状況ではありませんが、ご来園の際にはぜひご覧ください。


サル舎・北海道産動物舎担当:佐藤和加子

53回目の開園記念日

 今年も開園記念日である7月1日がやってきました

 さて、今回はちょっと本を紹介させて下さい

 本当は、しいくのブログで特定の商品や企業を紹介するのは営利目的になりはばかられるのですが、この本ならいいのではと思います(理由は後に出てきます)


↓今から23年前の1997年発行の「きたの動物園」です

 本


 この本は一昨年(2018年)になくなった菅野浩元園長が開園30周年に書かれた本です

 開園準備段階の動物移動の話などもあり、今働いている飼育スタッフは知ることのできない情報が満載です


 初めて私がこの本を読んだのは動物園で働き始めた14年前に旭川市の図書館で借りた時なのですが、旭山動物園の歴史を感じ、動物たちと先輩方が築いてきた物語をわくわくしながら読み進めたことを覚えています

 今も続く、ワンポイントガイドやサマースクール、機関誌のモユクカムイができたころの話などもあり、今では当たり前に行っていますが、苦労があったことがうかがえました


 その後、購入しようと思ったのですが、残念ながら初版のみのようで絶版、、、、

 最近やっとネット経由で札幌の古書店にあるものを取り寄せて、手元におくことができました


 もし読みたいと思った方は動物園の動物図書館にはもちろんありますし、旭川市内でしたら各図書館の分館にも蔵書がありますからぜひ手に取って下さい


 結婚記念日や誕生日、交際記念日、サラダ記念日などいろんな記念日がありますが、みなさん記念日にはどのようなことを思い出すでしょうか?(ちなみに結婚記念日はだいたい忘れ気味です、、、)


 今年の開園記念日は開園当初の苦労を思って、この本を再読したいと思います。


てながざる館担当・獣医師:中村亮平