旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2019年12月のしいくのぶろぐの記事

今年もありがとうございました!

 朝起きると雨、雪も極端に少なくもうあと数日で雪解けかと思うような景色でした。昼からは吹雪、こんな大晦日もあるのかと外を眺めています。
 今年、動物園界で一番多く話題に上った言葉は「福祉」だったと思います。
 身の安全と食べることを保証した環境下での飼育下野生動物の福祉、飼育面積もさることながらとても考えさせられることが多い、議論のつきない言葉です。
 目の前にいる個体の福祉が注目されがちなのですが、もう一つとても大切なのが種の福祉なのではないでしょうか。命は生まれて死ぬから命です。だから命を繋ぎます。世界中の動物園が協力して現在飼育している個体群で健全な種を未来に繋いでいくこと、遺伝的な管理も含めとても緻密で、時に大胆な決断も必要かもしれません。
 動物園は自然を知る玄関口。個の福祉と種の福祉、そのバランスをどのように取っていくのか?宿題が大きく膨らみ今年が終わります。

 みなさま、今年一年ありがとうございました。よいお年を迎えてください。


年内最後のペンギンの散歩
 今年最後の散歩

「野菜の時間」

 今この部屋には46匹のモルモットが暮らしています。
 いつもは隠れ家の中に隠れていることが多いですが、1日の中で1番活発に動く時間が、野菜をあげる時です。扉のカギを開ける音やタッパーと野菜がぶつかり合う音に反応して、一斉に動き出します。
 ピーマン、サツマイモ、チンゲンサイ、コマツナを毎日あげていますが、ほとんどのモルモットが、ピーマンから食べ始めます。
 不定期ではありますが、モルモットのもぐもぐタイムがあれば、野菜を食べる姿を見ることができます。
こども牧場の室内には他にもカイウサギとイヌがいるので、ぜひ遊びに来てください。お待ちしております。


こども牧場担当:安田恵里

野菜食べる前のモルモット
野菜をあげる前
食べています
野菜を食べています

『たぬき・タヌキ・TANUKI』

 もうすぐ2019年も終わりですね。

 みなさんにとって、今年はどんな1年でしたか?

 私にとって2019年は「たぬき」な1年でした!

 2018年の年末に公式twitterに投稿した「ただただ雪に吹かれるタヌキ」がバズった(このとき「バズる」という言葉を知りました…)のを始まりに、タヌキ関連のいろんなことがあった1年でした。

 まず、春の閉園期間中にゆっくりロードにエゾタヌキ舎が完成し、自然に近い環境で暮らすエゾタヌキを見ていただけるようになりました。

エゾタヌキ舎にて 

(エゾタヌキ舎にて)

 4月後半には新たな個体が仲間入りしました。この個体(「たぬきち(オス)」といいます)は左後脚がありません。交通事故に遭ったところを保護され、旭川市内の動物病院で手術を受け、動物園に来園しました。

 残念ながら北海道では「生きているタヌキ」よりも「交通事故に遭って亡くなっているタヌキ」を見たことがある方のほうが多いのではないでしょうか。

 たぬきちは野生出身ということもあり警戒心が強いですが、同居している「やえ(メス)」とは仲が良く、ふだんの生活では左後脚がないことでの支障はなさそうです。

たぬきちとやえ

(やえとたぬきち)

 海外からのお客様にもタヌキは人気です。不思議なことに英名の「racoondog」よりも「TANUKI」のほうが伝わることが多いようです。

 おびひろ動物園さんのtwitterでエゾタヌキが話題になったことも今年嬉しいことのひとつです。実は飼育されている2頭のうちの1頭(メスの「あん」)は旭山生まれの個体です。

 他園に行った個体が人気者になり、元気な姿が見られるのは嬉しいことです。

 そして、以前よりも「タヌキ好きなんです」と言ってくださる方も増えました!

 タヌキ好きさんたちのおかげでtwitterやinstagramで検索するとたくさんタヌキが出てきて、見ているとあっという間に時間が…。

 地元に普通にいて(なかなか出会えないですが)、取り立てて何かすごい動きをすることもない動物ですが、こうしてたくさんの方に見ていただいて、彼らの魅力が広まっていくことがとても嬉しいです!

 もちろん、2020年も引き続き推して行きます!!

 ちなみに、冬のほうがモフモフでタヌキの魅力が増し増しです。

冬毛

(冬毛のタヌキ)

 ときどきtwitterinstagram(どちらも@asahiyamazoo1)でエゾタヌキも投稿しているのでそちらもチェックしてくださいね!

 最後にとっておきの一枚を。

とっておき

(なかなかいい顔が撮れました)

(北海道産動物舎・サル舎担当:佐藤 和加子)

【ユキヒョウ愛称集計中】

 11月23日~12月1日まで、ユキヒョウの子の愛称(名前)を募集しました。

 みなさんたくさんのご応募ありがとうございました!ただいま鋭意選考中です。

1

子は放飼場のオーバーハングにも登れるようになりました。

 さてどんな愛称になるでしょうね??

 開票・集計作業は大変でもありますが、みなさんが書いてくれた投票用紙を読むのは飼育係のひそかな楽しみでもあります。

 お子さんが考えてくれたほほえましい愛称や、凝った愛称。思わず笑ってしまう愛称(まじめに考えてくれたとしたらスミマセンね)などなど・・・。

 そんなみなさんの投稿の一部を、こっそりご紹介しちゃいましょう!

「美雪」

 なるほど~。美雪、雪子、ユキ、スノウなど、ユキヒョウの「雪」を使った案はけっこう多かったですね。

「れいちゃん」

 新元号にちなんだ案も多くありました。メスだから合うかもね!

ただ動物園業界では、今年生まれの動物に「レイ」とか「レイワ」と名付けられる率がめっちゃ高いようです(笑)。

「マヤ」

 ヤマトとジーマから文字をもらって、という案もありました。「ヤジマ」なんてのもありましたが(笑)、もはや苗字になっちゃってますかね。

「リープ」

ドイツ語、アイヌ語などにちなんだ愛称も多くいただきました。2016年に生まれた「リヒト」もドイツ語由来でしたね。ジーマはスラヴ語。さて今年生まれのユキヒョウは何語になるでしょうか?

「アサユキ」

「アナと雪の女王」にちなんだ愛称もいただきました。

「アサユキ」ですか(笑)。なかなか盛り込んできましたね。

「トマト」「いちご」「メロン」。

 おいしそうな名前ですね~!。お子さんたちが頑張って考えてくれた愛称です。

 ご家庭で飼ってるネコの名前だったら採用間違いなしでしょう。

みんな野菜も果物も大好きなんですね。ビタミン豊富で身体にもいいですからね!

「ユキノビジン」

 壮年男性のアイディアです。ちょっと長いような(笑)

 おそらくですけど、この方きっと競馬好きなのではないでしょうか。

「大外からユキノビジンきた、ユキノビジンきた」みたいな・・・

 個人的に一番印象に残った投稿はコチラ!↓↓

「キャーちゃん」

「フハフハしているから」との理由でしたが、われわれ汚れた大人には理解できないセンスを感じました。投稿者の子には、このセンスを持ったまま成長していただきたいものです。

 以上、投票の一部をご紹介させていただきました。

 飼育係の楽しみである開票作業をみなさんにも共感していただきたくて記事を書きました。

 思わずいろんな想像をしながら開票作業に没頭してしまいます。決して投票者のあげ足を取る気持ちはありませんので、ほほえましく読んでいただけたら幸いです。

2

 はたして当選の愛称は今回ご紹介した中にあるのか、それとも別のアイディアになるのか??

 当選発表をお楽しみに!

(もうじゅう館・フクロウ担当:大西 敏文)

【冬のくもざる・かぴばら館】

 冬、特に雪が積もるくらいの気温になると、クモザルとカピバラは屋外での展示ができなくなります。野生の彼らは中南米の暖かい地域に生息している動物で、寒さが苦手です。

そのため、次の春が来るまで暖房のきいた屋内での生活となり、やはり多少は窮屈な思いをさせてしまうのは心苦しいところです。

 さて、そんな冬のくもざる・かぴばら館ですが、屋内観察ならではの良いところもあります。それは「近さ」。

 屋外でダイナミックに動くクモザルやスイスイ泳ぐカピバラは見応えがありますが、観察するにはちょっと遠いですよね。その点屋内ではガラス越しではありますが、目と鼻の先くらいの近さで彼らを観察できることも多いです。屋外では細かく見ることが出来ない彼らの体つきや毛並み、エサの食べ方や筋肉の動き方、息づかいなど、近いからこその観察ポイントもたくさんあります。

 1

2

 じっくり彼らの体や動きを観察すると色々な疑問がわいてくると思います。クモザルとカピバラに限りませんが、興味が出たら、展示してあるパネルを見てみたり、飼育員が近くにいたら色々質問してみたり、自分でしらべてみたりしてください。小学生のお子さんならそれらをまとめて冬休みの自由研究にも使えそうですね。

 冬のくもざる・かぴばら館のポイントとして近さをアピールしてみましたが、近いのは動物たちにとっても同じです。ガラスの向こうで人間が急な動きをしたら驚きますし、ガラスを叩かれたら怖かったり、不快に感じたりもします。そういったことは無いよう、優しい気持ちでの観察をお願いします。

(くもざる・かぴばら館・あざらし館担当:中野 奈央也)

冬のニワトリとアヒル

 4月にオープンしたニワトリ・アヒル舎。冬もその場所で引き続きご覧いただけます。
 夏は外の展示でしたが、冬は室内の展示でガラス越しですが、動物を観察することできます。
 でも、日差しがある時や気温が高い時は外にも出して、気分転換をしています。
 ニワトリたちは砂浴びがとても好きで、外に出た瞬間から砂浴びをしています。室内では、高い所に止まれる木を組むとそこが落ち着くようで、そこで休む姿が見られます。その上、夜は全羽木の上で寝ています。
 アヒルたちは、外のプールが使えないので、小さいですが簡易的なプールを設置しています。所狭しとみんなで水浴びをし、体をキレイにしています。
 これから雪が降り積もるとどのような行動を見せてくれるのでしょうか?とても楽しみな施設です!ぜひ、みなさんも足を運んでもらえればと思います。

ニワトリ
ニワトリの室内放飼場
アヒル
アヒルのプール

 (こども牧場・教育活動担当:佐賀真一)