旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2019年9月のしいくのぶろぐの記事

【ヒツジの展示スペースが移動しました】

 ヒツジの展示スペースが変わりました。

 お客さんとの距離も近くなり、触ってもらえる機会が増えたかなと思います。

 お立ち台も、前回あった場所から一度解体し、岩の上に新しく建てました。

 最初、ヒツジたちは岩を登るということもあって、どうやって行くのか少し困っていましたが、私が足をかける場所を教えてあげると、持ち前の素直さで5分くらいで登り方を理解して、トコトコ登れるようになりました。

 意外と高い身体能力も見てもらえたらいいなと思います。

 これから先、冬に突入してくるので、ヒツジの毛がさらにモコモコになってきます。

 こども牧場に来たときは、モコモコのヒツジにも会いに来て、さわってみてください。

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(こども牧場担当:塚部 匠)

【実習生がやってきた】

 いま動物園では、獣医の学生実習が行われています。

 大学の夏休みを利用するため例年8から9月に行っています。今年は1名の参加者が14日間の実習を行います。

 動物園の獣医師が日頃どんなことをやっているのか、実習を通して学んでもらえればと思います。

 また、この実習は学生のためだけではなく、私自身も日頃の診療を振り返る貴重な機会になっています。

 思い返せば私も大学の6年生の時に、動物園実習に行ったことがありました。毎日が刺激的で、現場の獣医さんスゲーって感じました。まさか、その逆の立場に自分がなるとは、、、人生何があるか分からないものですね。

 まずは楽しく、ケガなく、たくさんのことを吸収してもらえればと思います。

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麻酔をかけたアムールトラの聴診

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アムールトラから採血

(獣医師・きりん舎担当:佐藤 伸高)

年老いたサル

 今年の四月からサル山を担当している高橋です。

 実は以前にもサル山を担当していたことがありまして、ここの担当になるのは17~8年振りです。


 以前と大きく変わった点と言えば、サルとイノシシの共生展示ですが、今回はその話では無く、自分が今ひいき目に観ている1頭のサルのことです。

 そのサルは自分が初めて担当したときから目立っていた個体で、名前は「シロザル」。

 白い毛並みは優雅に映え、メスの中では飛び抜けて気合いの入った個体でしたので、体の大きなオスに対しても飛びかかっていくほどでした。サルのエリートってこんな感じなんだろうなと思った個体でした。


 その個体が今でもサル山にいます。もう御年31歳。サルの平均寿命は野生化で25歳くらい、飼育下では30歳くらいです。数年前には体に麻痺が残るような大病もして、少しの段差すら上るのが辛そうなときもありました。今は少し良くなりましたが、それでも俊敏さは他のサルたちの半分以下です。餌を採るのも遅いです。ですが、他の大人のサルたちはシロザルの目の前の餌を採ることはあまりしません。なぜなら以前のシロザルの強さを覚えているからです。ただ、2~3歳の子ザル達は平気でシロザルの背中にに飛び乗っていきます。シロザルも一応は怒るのですが動きが遅すぎて子ザルに遊ばれている感じに見えてしまいます。それが可笑しくも哀しく思えるのです。


 これから秋になり、冬がやってきます。サルたちにとって厳しい季節となるため、秋のうちにいっぱい食べて体に栄養を蓄える時期なのですが、シロザルは高齢のためか、なかなか体重が増えません。どうにか今期の冬も乗り越えてほしいという想いから、シロザルにだけ手渡しで、バナナなどの消化が良く、カロリーの高い物を与えています。


 久々にサル山を担当し、思い出の強い個体に会えた気がします。これからどれだけの年月、シロザルの姿を観られるのか判りませんが、健やかに過ごせるよう努力したいと思います。

シロザル

さる山・タンチョウ担当:高橋伸広