2017年10月のしいくのぶろぐの記事
しいくのぶろぐ「秋の恒例企画」
動物園内の紅葉も落ち葉に変わり、天気予報では初雪の言葉も聞こえていきました。
北海道の秋は本当に短くて、あっというまに冬になってしまいそうです。
レッサーパンダの双子の写真
レッサーツインズの外デビューはもう少し後かな?
雪が積もる前には出したいのですが…
そんな過ぎゆく秋の最後の企画が、11月3日の閉園日に行われる「わくわくゲーム大会」です。
参加者は基本3人一組になって、園内さまざまな場所に設置されたクイズやゲームに参加します。上位のチームには豪華賞品が、それ以外のチームにも参加賞やブービー賞まであるという空前絶後超絶怒濤の企画です。
そんなゲーム大会のクイズやゲームは私たち飼育スタッフが考えています。
黒板の写真
どんな問題にしようかな?
クイズは難しすぎず、簡単すぎずのさじ加減が重要。何でも知っている常連さんが上位になってもつまらない(常連の方々すいません)ので、ちょっとひねってみたり、子供でもわかるようにしてみたりと毎年頭を悩ませます。
そしてゲームはお絵かきクイズや動物の餌はかりクイズなど運と勘が重要な内容で、毎年この点数が順位を分けている気もします。
もう一つこのゲーム大会で重要なのが、飼育スタッフによる問題決定会議です。みんなが出し合ったアイデアを内容や他とのバランスをみながら投票(挙手)によって決定していくのですが、やはり自分のアイデアが採用されるとうれしいもので、みんなわきあいあいとした中にそこはかとない殺気を感じる会議となることが多いです。
さて、今年はどんな問題が出てくるでしょうか?
興味がある方は下記案内を参照して、ぜひ参加応募して下さいね。
(小獣舎担当・獣医師 中村亮平)
わくわくゲーム大会について
2017年10月18日 | しいくのぶろぐ
モユク☆カムイ95号が完成しました!!
モユク☆カムイ95号が完成しました!!
「モユク☆カムイ95号」が完成しました!!
今回の表紙は、今年の動物児童画コンクール、旭山動物園賞を受賞された作田季穂さんが描かれた「ボルネオオランウータン」です!
モユク☆カムイは、飼育展示スタッフ手作りの情報誌です。日々、変化していく動物たちの様子や動物園のできごとなど、現場のスタッフだからこそ知ることのできる情報が盛りだくさん。
今回は鳥に関する特集が中心です!
動物園に遊びに来た際には、ぜひ手にとってみてください!
モユクカムイ95号へのリンクはこちら
もくじ
1・ぼくは動物大使 おしどり夫婦って本当? オシドリ
2・特集 鳥たちが手にした「羽毛」のあれこれ
3・飼育研究レポート レッサーパンダの繁殖生理に関する研究
4・動物園裏側紹介 こども牧場からのお手紙 オープン20周年を迎えたこども牧場
5・主なできごと 50周年開園記念日を振り返る
入手方法
モユク☆カムイは、動物園東門管理事務所、園内サポートセンタ-、動物図書館で入手することが出来ます。また、郵送での取扱いも行っています。詳しくは旭山動物園までお問い合わせください。
モユクカムイについての詳細はこちら
2017年10月17日 | しいくのぶろぐ
パックから考える動物園動物の死
しいくのぶろぐ【パックから考える動物園動物の死】
しいくにゅーすでお伝えした通り、ヒョウ黒変種(いわゆるクロヒョウ)のパックが死亡しました。いきものを扱う動物園、生もあれば死もある。パックの死は触れなければならないでしょう。
<写真1>在りし日のパック
パックの黒い体に黄色の瞳、高台に登るしなやかな動き、そして日の光を浴びて浮かび上がるヒョウ柄の斑紋。来園者の中にもパックのファンが多くおられたようです。
飼育係に向かって檻越しに飛びかかってくる野性味を最後まで保ち続けたパックには、飼育係の中にも隠れファンがいました。
「クロヒョウは別種ではなく劣性遺伝による変種である」というのをパックから知った人も多いのではないでしょうか?(じつは僕もその一人です)
最後は左ほおに腫瘍ができ、そこからの感染症によって死亡したと考えられます。
5月に発見した腫瘍は実質、摘出不可能で、獣医と協力して投薬などの緩和ケアをおこなってきましたが、10月4日に死亡しました。
もうじゅう館と共に歴史を歩んできたパックが死んでしまったことは寂しく感じます。
しかしヒョウの飼育下寿命が15年程度といわれる中、19才8カ月まで長生きしてくれた、ともいえます。
パックの腫瘍を発見した5月に、奇しくもアムールヒョウの交尾も確認していました。担当者として、アムールヒョウ妊娠の経過とパックの病状の経過を同時進行で見守ってきました。動物園にたくさんの命がある中で、こうした状況も起こり得るのです。
動物の命の尊厳を最後まで尊重し「看取る」。それも飼育係の仕事です。「命を伝える」という意味では、老いや死も生の一部です。ありのままを伝えるのが「旭山らしい」と言えるでしょう。
<写真2> アムールヒョウのツインズは元気に成長しています。
生まれ、育ち、子を産み、そして老い、死んでいく。でも次につながる新たな命もある。
命は継続するもの。繁殖や死は大きな出来事ですが、動物飼育にゴールはありません。
現在もうじゅう館には16頭の動物がいて、長寿な個体、繁殖可能な若いペア、生まれたばかりの幼い命などさまざまです。それぞれの命を、担当者としてこれからも見守っていきたいと思います。
(もうじゅう館担当:大西 敏文)
2017年10月16日 | しいくのぶろぐ
怖すぎてpart1,part2
しいくのぶろぐ「怖すぎてpart1,part2」
みなさんこんにちは。
クモザル、カピバラの飼育を担当している白木です(再登場!)。
前回「日々のできごと」と題して、カピバラとのできごとを4コマで書いてみましたが、
好評につき(?)、第2弾を書いてみました。
今回は、タイトル「怖すぎて・part1」「怖すぎて・part2」の2話構成です。
どうぞご覧ください!
タイトル【怖すぎて・part1】
※画像クリックで拡大できます
タイトル【怖すぎて・part2】
※画像クリックで拡大できます
(飼育:くもざる・かぴばら館担当 白木 雪乃)
2017年10月8日 | しいくのぶろぐ
動物園でフォトジェニックな秋を
2017年10月6日 | しいくのぶろぐ
レッサー担当者の最近の悩み
レッサー担当者の最近の悩み
すっかり続報を忘れていました、すいません。
7月15日に生まれたレッサーの双子たちはすくすくと育っています。
生まれた時は推定150gだった体重も、10月4日時点で約1.5kgと10倍ほどに成長し、最近は産箱の中から時々出ては室内を探検しています。
順調に行けば11月ころから屋外に慣れていってもらう予定なので、皆さんにお見せできるまでもう少しお待ち下さい。
2017年生まれの兄弟
ちなみに性別は今年もオスとメスでした。
が、一つ困ったことがあります。
それは2頭の見た目がそっくりなこと…。
昨年の双子はオスの雷雷(レイレイ)がメスの雲雲(ユンユン)より一回り大きかったことや毛色も雲雲が薄い色だったので見分けが付きやすかったのですが、今年の2頭は大きさもほぼ一緒、毛色もほとんど同じで顔つきも今のところ違いがないように見えます。
2016年生まれの兄弟(雷雷と雲雲)
もちろん性別が違うので、もちあげておしりを見ればわかるのですがぱっと見てわかる違いがないというのは困りもの。
いつもはたくさんいるレッサーと個体紹介の看板を見比べて、個体識別に苦労している来園者の方に
「このレッサーは○○で、こっちが○○。全く違う顔つきですよ~、すぐわかるようになりますよ!」
「すごーい、さすが飼育係だね!」
などという会話でどやっていたのですが、今年はこのままではまずい…。
外デビューまでの残り1ヶ月ほどで違いが出てくるor違いがわかるようになることを祈るばかりです。
小獣舎担当・獣医 中村
キョン治療中
キョンの♂は背中のけがの治療のため、しばらく展示を中止しています。心配して下さったかたも多いと思います。
初めは小さなケガでした。現場を見ていませんでしたが、おそらくキョン同士の闘争によるものです。ケガしても、たいてい無理に治療しなくても治りますが、このケガはなかなか治らずにいました。自分でなめてしまい、薬をつけても傷口が広がるばかりでした。ケガは見た目ほど、本人にとっては痛みや障害があるわけではありませんが、傷口が開いたままになっていると、感染の危険や、機能障害につながる危険があります。
そこで思い切って麻酔をかけ、眠っているすきにエリザベスカラーを付けることにしました。
※エリザベスカラーとは、ケガした所をなめられないようにする、大きな襟のようなものです。
カラーを付けると視界が悪くて落ち着かないのでは?と思い、初めは後ろも見える透明のカラーにしました。でも柔らかい素材だったので、次の日に壊れてしまいました・・。
そして、2回目はもっと丈夫なものを取り寄せました。今回は透明ではない厚めの素材です。視界が狭く、動きにくいかもしれませんが、しばらくこれで我慢してもらいます。
ケガが治るまで寝室で過ごしています。皆様にまたお目にかかれるまで、少し時間がかかるかもしれません。でも元気にしていますよ。
背中のケガ
水色のエリザベスカラーです
てながざる館・ダチョウ・イボイノシシ担当:田中千春