旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2016年7月のしいくのぶろぐの記事

ぺんぎん館の水がきれいな理由

 先日、ぺんぎん館ではプールの水を全て入れ替える大掃除を行いました。

 水の入れ替えの目的は、循環濾過は24時間行っているので、一定のきれいさは保っているのですが、壁面についている汚れや藻を落とすことが目的です。

 プールの大掃除は、春、夏、秋の年3回行います。春と秋は休園中のため、午前中から掃除に取り替えることができますが、夏の場合は開園中なので、閉園後(17:30~)から始めます。

 まず、ペンギンをみんな室内展示場に入れます。

 そして、プールの水抜きをしながら、マリンエリアの飼育員たちで、プールに浮かびながらゴシゴシと壁をこすっていきます。全て終わり、水を張ることができるまでには21時を過ぎています。

 翌日、キレイになったプールでペンギンたちをみると、いつも以上に気持ち良さそうに泳ぎでいるなーっと感じます。

プールの底です

プールの底です

 

水のない水中トンネル

水のない水中トンネル

 

 ところで、ぺんぎん館からのお知らせがあります。

 気温の高い日はジェンツーペンギンたちは室内の涼しい部屋で過ごすため、みなさんにお見せすることができません。しばらくは気温の様子をみながらの展示となりますが、ご了承ください。

 ジェンツーペンギンたちは元気に過ごしていますので、ご心配なく!

ジェンツーペンギン

ジェンツーペンギンは元気です

ぺんぎん館担当:杉村尚美

2016年7月27日 しいくのぶろぐ

ベッド

ベッド

 雨が続いたり、気温が上がらず夏らしくない天気が続いていましたが、最近、やっと夏らしい天気になってきて、外に干した麻袋が、早く乾くようになってきました。

麻袋

使った麻袋は、洗濯して綺麗にしてからチンパンジー達に使ってもらいます

 

 麻袋って?
 野生のチンパンジーは樹上に木の枝を折りたたんで、ベッドを作って寝ます。
 旭山動物園のチンパンジー達は、木の枝の代わりに、この麻袋を使いベッドを作ります。
 毎日、夕方電気を消して帰るときに渡すと麻袋を敷布団のようにして寝ます。

チンパンジーの寝ている姿

寝る準備万端の『ピースケ』

 

 普段、チンパンジー達が寝ている様子を見ることはできませんが、もうすぐ『夜の動物園』が始まります(8月9日~15日)。
 チンパンジー達が寝ている様子がバッチリ見られます、是非、チンパンジー達の寝ている姿を見に来てください。
 

チンパンジー・飼育担当主査:丸一喜 
 

モユク☆カムイ90号が完成しました!!

表紙のシマフクロウ
今回の表紙はシマフクロウ

 今回の表紙は、シマフクロウです!

 「モユク☆カムイ」は、飼育展示スタッフ手作りの情報誌です。

 日々、変化していく動物たちの様子や動物園のできごとなど、現場のスタッフだからこそ知ることのできる情報が盛りだくさん。

 動物園に遊びに来た際には、ぜひ手にとってみてください!

 

 モユクカムイ90号へのリンクはこちら

もくじ

 1.ぼくは動物大使  「村の守り神 シマフクロウ」
 2.特集       「雨でも楽しい動物園」
 3.飼育研究レポート 「キングペンギンの仮親を用いた育雛について」
 4.動物園の裏側紹介 「動物園の台所「調理棟」編」
 5.主なできごと・もうじゅう館 出産ラッシュ!

入手方法

 夏期開園(4月29日~)以降は、動物園東門管理事務所、園内サポートセンター、動物図書館で入手することができます。
 また、郵送での取扱いも行っています。詳しくは旭山動物園までお問い合わせください。

  

 モユクカムイについての詳細はこちら

2年連続(スズメ)

北海道産動物舎で暮らしている「スズメ」が昨年に続き、今年も繁殖して無事に巣立ちました!

よく、「スズメもいるの!?」と驚かれたり、笑われたりしていますが、スズメだって「身近な野鳥」です。

スズメの抱卵期間は約2週間で、孵化後、約2週間で巣立ちを迎えます。巣立つ頃には親とほぼ同じ大きさにまで成長しています。短期間でどんどん大きくなるので、子育て中の親はエサを運ぶのに大忙し。子育ての様子を間近で観察できるのも、動物園ならではです。

巣の中のヒナ
(写真1)巣立ち前のヒナたち。
大きく口を開けてエサをねだります。
巣立ちまであと5日くらい?


 

 ヒナたちはほっぺとのどの黒い部分の色が薄く、くちばしの付け根が黄色いのが特徴です。

巣立ってすぐ
(写真2)巣立ってすぐは上手に飛べないので、地面にいることが多いです。


 ヒナ同士で一緒にいることが多いので、どこにいるのかさがしてみてくださいね。

巣立ったヒナたち
(写真3)巣立ちから数日。
ヒナ同士で集まってエサを食べてました。


北海道産動物舎(小動物・野鳥)担当 佐藤 和加子

【まもろうPROJECT ユキヒョウ】

少し前ですが、6月16日に京都大学と東京都市大学の研究者の方々と協力して、ユキヒョウの子の体長測定を行いました。

モンゴルやインドのユキヒョウ生息地に直接赴き、ユキヒョウ保全のための調査をされている方々です。

ユキヒョウ画像1

この時で59日齢。まだ展示訓練中の時期です。

保定するときはいっちょ前にガウガウうなっていますが、首を持ってしまえば「運搬の硬直」といわれる無抵抗な状態になります。

そんな動画はコチラ → <ユキヒョウの子・59日齢の保定>

動画の最期に見切れてるのは・・・坂東園長!?(笑)

 

体長から胸囲や足幅まで16項目の計測。

ユキヒョウ画像2

耳の長さや・・・

 

ユキヒョウ画像3

足の長さまで計測されちゃいました。

 

動物園のユキヒョウのデータを採ることで、野生のユキヒョウの子を目撃した時におおよその日齢を推定する、という目的だそうです。

旭山で生まれたユキヒョウの子が、野生のユキヒョウを保全する何らかのお役に立てるかもしれない、というわけですね。

 

もうじゅう館・ユキヒョウ舎の横に、研究者の方々が取り組んでおられる「まもろうユキヒョウPROJECT」についての展示看板を貼りました!

ユキヒョウ画像4

QRコードを携帯で読み取れば、野生のユキヒョウを捉えた画像もご覧いただけますよ。

 

ユキヒョウの子が公開され、はやくも来園者の人気者になっています!大変うれしいことです。

でもそんなユキヒョウが、野生下では人との関わりの中で絶滅の危機に追いやられている。

その事実にまで思いを馳せてくださっている方は、意外と少ないのではないでしょうか。

 

動物園のユキヒョウの魅力から、野生のユキヒョウを保全する大切さを感じていただければうれしく思います。

  

もうじゅう館担当:大西敏文