2016年3月のしいくのぶろぐの記事
「春遠からじ」
いつもGW開けに春の総括と題し、ぶろぐを記してきました。今回は少し早めにいつものアングル(シマフクロウ舎前の桜)の今の状況をお伝えします。
いつものアングル
残雪も多く「春はまだ遠いなぁ・・・」って感じです。3月9日に釧路市動物園から搬入したシマフクロウが小さく写っています。食欲も旺盛で順調に新しい環境に馴れてきています。
もう一つは、3月13日に放飼場の擬木に首が挟まってしまったキリンの「ゲンキ」ですが、怪我もなく翌日も普通に外に出て行き、普段と変わらない様子で一安心です。
ご心配をおかけしましたがゲンキは元気です。
3月21日の「ゲンキ」
厳しかった冬ももうすぐ終わります。次回は満開の桜と土の上を優雅に歩くキリンの姿をお伝えしたいと思います。
「は~るよ来い!」
きりん舎・飼育担当主査:中田真一
2016年3月15日 | しいくのぶろぐ
あっという間の8ヶ月
あっという間の8ヶ月
ぺんぎん館では昨年生まれのキングペンギンのヒナたちが順調に成育しています。先に生まれた39番は今まさに大人への階段を上っています。茶色のヒナの羽が日に日に抜けてきて、下から大人の羽が見えてきました。
39番は7月13日に孵化しました。このときは羽が生えていない灰色の姿で、体重は約200グラムで生まれました。
その後に茶色い羽になり、今は大人の羽に換わっています。体重は約18キログラムで、孵化した時から比べると90倍になりました。孵化した日からずっと見ているので「本当に大きくなったな~」としみじみと感じます。あと半月もすれば完全に大人の羽に換わります。皆さんも大人への階段を上っているヒナたちをぜひご覧ください。
現在の39番。クチバシで羽を抜いています
だいぶ羽が抜けてきました
獣医師・ぺんぎん館担当:佐藤 伸高
ライオン夫妻
夫婦仲良くツーショット
ライオンの老夫婦、ライラとレイラ。
寒い日は外に出たがらない2頭ですが、3月に入り、自発的に外に出る日も増えてきました。
ライオンも春の足音を感じているようです。
毛球症の病歴がある2頭。月一回、予防としてラキサトーンという薬を投与しています。
じつはこの薬、ネコの毛球症治療薬です。
動物の治療には家畜用の薬を使用します。キリンは反芻獣なのでウシ用の薬を使うとか。
イヌ科・ネコ科の動物なら、イヌ用・ネコ用の薬をそのまま使えるので、さまざまな症状に対応しやすかったりします。
もちろん体の大きさは全然違うので、そのぶん大量に使います。
猫ならラキサトーンを一回3gほど与えるのですが、ライオンに対してはライラに50g、レイラに50g。一回にチューブまるまる一本を使い切ってしまいます。
なになに、「3.適用上の注意」には・・・?
箱の裏を見ると、投薬方法のアドバイスも書いてあります。
「気難しい猫に与える際は、指にとって猫の口に入れるか、鼻先に塗るなどしてください。」
んー
うちの子たちには無理ですね!(笑)
ぼくの指がなくなっちゃいます。
一応、猫が食べやすいようにシロップのような甘い味が付いています
でも大丈夫。↑こうやって肉に塗れば、ライラもレイラもちゃんと食べてくれます。
なんかいつもと違う味がするな~??
ちょっと顔をしかめて「マズそう」ですが・・・(笑) 食べてくれるだけエラい!
投薬がスムーズな動物は飼育係としては非常に助かります。
気難しいライオンじゃなくて良かった。
最高気温がプラスの日が増えれば、ライオン夫婦が外に出る日も増えることでしょう。
老いても元気なライオン夫妻。
みなさんぜひ会いに来てください。
もうじゅう館担当:大西 敏文
きんきょうの春
しいくのぶろぐをご覧の皆さんはじめまして。
前回の中野さんと異なり、けっこう前から飼育スタッフになったロン毛です。
ぼくが担当するインドクジャクは冬期開園中にご覧いただけません。
クジャクたちは、あたたたたたたたたたたかいお部屋で過ごしています。
オスのクジャクには、飾り羽がキレイに生えてきました。
美しいですなぁ
気の早い個体は、メスたちにアピールを開始!
でも、メスたちは、まだオスよりもエサにご執心のようです。
ディスプレイする一昨年生まれのヴァラーハセンパイ
夏の開園(4月29日から)では、美しいインドクジャクたちを改めてご堪能いただこうと思っています。
放飼場内や看板など、展示もリニューアルしますよ。お楽しみに!
インドクジャク・教育活動担当:奥山 英登
2016年3月4日 | しいくのぶろぐ
冬もあとすこしで終わります
冬もあとすこしで終わります
しいくのぶろぐをご覧の皆さんはじめまして。
前々回の池谷さんと同じく、昨年の4月から飼育スタッフになった中野です。旭山動物園に配属されたのは一昨年の4月からですが、飼育に関しては昨年からです。ぶろぐは今回が初めてです。よろしくお願いします。
ぼくの担当動物はエゾシカの森、フラミンゴ、両生類・は虫類舎です。現在来園者の皆さんが見られる動物もいれば見られない動物もいますが、飼育作業はもちろん毎日行っています。
フラミンゴは冬期間の展示はありませんが、室内で元気にしています。
フラミンゴ寝室の様子
フラミンゴ好きな方も多いようで、フラミンゴどこー?という声もよく聞きます。寒さが苦手なので、春がくるまでもう少し待っていてくださいね。
次にエゾシカですが、彼らは冬でも元気。寒さにはそれなりに強い動物です。
北海道に住む動物は、差の激しい四季の変化に対応するために、季節ごとに見た目が変わるものが多いです。エゾシカがまさにそうで、季節ごとに色々な姿を見せてくれます。
オスのマカロニ
写真でも分かるようにオス鹿にはツノが生えます。
ツノのせいなのか、第一声で「あ、トナカイがいる!」と言われることも多く、担当としてはせつない気分になることも。
シカのツノは毎年生えかわるため、現在のツノは春先に根元からポロッと落ちてしまいます。その後新しいツノが成長してきますが、完成するのは10月頃。
つまりこの姿はあと1ヶ月ほどで見納めになっちゃうんですね。見ておきたい方はお早めにどうぞ!
夏には毛皮の鹿子模様がとても美しくなり、こちらも見逃せないと思うので、エゾシカは是非1年を通して観察してもらいたい動物です。
最後に両生類・は虫類舎ですが、ここは屋内で暖かさを保っている事もあり、あまり季節感はないですね。(自然界では冬眠する季節ではあるのですが)
そのため、ニホンアマガエル(冬眠中)を除いて現在も見られるようになっています。
たまーにアオダイショウとアズマヒキガエルを皆さんの目の前に連れてきてガイドをしていますので、お時間のある方はぜひ見に来てください。
エゾシカ・フラミンゴ・両生類・は虫類担当:中野 奈央也