旭山にゅーす・ぶろぐ

【しいくのぶろぐ】一覧

このページでは「しいくのぶろぐ」の記事のみを掲載しています。

「しいくのぶろぐ」飼育展示スタッフによる日々の出来事や想いなどを綴ったブログです。

2021年7月のしいくのぶろぐの記事

【ティナが開花しました】

 アフリカ水槽のひとつ、イベリアトゲイモリ水槽に入れた熱帯スイレンが開花しました!

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 ひそかに4月に球根を入れました。「ティナ」という品種です。

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最初はこんな状態でした

 スイレンは日光が大好き。でもアフリカ水槽には日光がほぼ入りません。

 そこでスイレンを開花させるためだけにスポットライトも導入しました。

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スイレン用ライト。大物女優並みの待遇?

 この効果もあって順調に生育し、7月2日には花芽が出てきました!

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7月15日。蛇のように水上に伸びてきた花芽

 でもここからさらに長かった・・・7月21日、待望の開花!

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美しいです!

 ほぼ人工光だけの環境でも、熱帯スイレンを咲かせることができました。

 スイレンの花は朝開き、夕方に閉じます。イモリ水槽でも朝咲いていた花は、14時30分ごろ閉じていました。花を見られるのは午前中限定かもしれません。

 朝開き、夕方閉じる、それを3日ほど繰り返すとその花は終わります。でも株の調子が良ければまた花芽が伸びて、次々と花を咲かせるはずです。

 日本では古くから、睡蓮鉢でスイレンを育てる文化がありました。水鉢を庭に置くとボウフラが発生しますが、鉢の中でメダカを飼うことでボウフラを食べてくれるし、メダカのフンはある程度スイレンが栄養にしてくれる。小さなビオトープの完成!というわけです。

 アフリカ水槽ではスイレンを熱帯スイレンに、メダカをイモリに置き換えて「アフリカ版・睡蓮鉢」というコンセプトに仕上げてみました。

 ティナは園芸品種ですが、原種はアフリカ産といわれます。

 フランスの画家モネは睡蓮を多く描きましたが、ある時モネは熱帯のみに咲く青スイレンをどうしても描きたくなり、アフリカからはるばる取り寄せて自宅で育てました。しかし開花させられず、やむなくモネは青スイレンを想像しながら描いた、というエピソードが伝わっています。

 モネは見ることができなかった青スイレン、アフリカ水槽でご覧いただけますよ。

(余談ですがモネの「睡蓮」の絵が今年の5月にオークションにかけられて、77億円で落札されていました。)

 厳しい暑さが続きますが、来園されても熱中症にならないよう、クーラーの効いたかば館で青スイレンを見ながら涼を得ていただければ幸いです。

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 イベリアトゲイモリも見てあげてね!

(アフリカ水槽担当:大西 敏文)

【はじめまして。】

 今年の4月から旭山動物園で働いている大村です。

 これからよろしくお願いします!

 私はあざらし館の担当なので最近のあざらし館のことをお伝えしていこうと思います。

 今回は5月から取り組んでいるトレーニングについてです。

 今は主に麦とうるちの2頭とトレーニングを行っています。しかしトレーニングって何するの?何のためにやるの?と思った方も多いのではないでしょうか。 

 分かりやすく簡単にお話しようと思います。(私は細かいところまで書きたいのですが話が「かなり」長くなるので簡単にします。)

 1つ目は「何をするの?」ということについてです。

 まずアザラシはペットではありません。そのため簡単に近くに来てくれたり、触らせてくれたりすることはほとんどありません。

 つまりアザラシは基本「人が近づく、触られる=恐怖、不安」のように最初は考えて逃げてしまいます。

まずはアザラシに人は怖くない、一緒にいると楽しい存在として見てもらう必要があります。ただこれがすごく大変なんです、、、。

 時間をかけて徐々にお互いの距離を縮めていくことが必要になってきます。

 そして距離を縮められたら少しずつ触ったり慣れてくれば注射だってできます。

 このトレーニングを行っていれば毎回捕まえたり麻酔をかけたりしなくて済むようになります。

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トレーニングを始めたばかりの麦

 2つ目は「何のためにするの?」

 トレーニングを始めた1番の目的は「動物・人のお互いが安全に健康を管理するため」です。

 動物園で暮らしている以上私たちが健康を管理していかなければいけません。そのため検査や治療などの負担やストレスを減らすために日々トレーニングを行っています。

 皆さんはトレーニングと聞くと何を思い浮かべますか?

 調教、サーカス、ショー、筋トレなどなど様々なことを思い浮かべる方がいるのではないかなと思います。私の中ではトレーニングとは言葉の通じない動物とコミュニケーションをとる事が出来る方法だと考えて毎回アザラシと接しています。

 なので旭山動物園来ていただいた皆さんには私とアザラシが会話しているように見えていたら嬉しいな~と思ってトレーニングを行っています!

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トレーニング中の麦とうるち

 少し難しい内容でしたが最後まで見てくださりありがとうございます。                             

 毎日アザラシたちもできる事が多くなってきているのでぜひ多くの方にあざらし館の新たな取り組みを知ってもらえるよう発信していこうと思うので楽しみにしていてください!

 あざらし館内でもトレーニングの様子を動画で公開しているのでそちらも遊びに来ていただいたときにチェックしてみてください!!

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他のアザラシたち

(あざらし館担当:大村 凌也)

イワトビペンギン孵化前のお話 その2

 6月15日に生まれたイワトビペンギンの2羽のヒナは、ただいま順調に成長しています。このヒナには前回のブログとは別の孵化前のお話があります。

 現在別々の親に育てられているヒナ2羽は、実は兄弟(姉妹?)なのです。本当の親は初めて産卵する若いペアでした。若いオス親は、一羽で抱卵を続け、メス親がずっと側にいるのに、交代しませんでした。抱卵も子育ても一羽ではできませんから、同時期に無精卵を産んだ2組のペアがいたので、それぞれに一羽ずつあずけることにしました。

 ペア形成などに少し問題が起きた親の卵を、取り上げて人が育てることはできますが、上記のようにして、できるだけペンギンはペンギンに育ててもらいます。そうすることで無精卵のペアも繁殖の機会ができるし、ヒナもペンギンらしく育ちます。

先に生まれたヒナ

先にうまれたヒナと育てのメス親


後に生まれたヒナ

後にうまれたヒナと育ての両親

ぺんぎん館・ダチョウ担当:田中千春

キングペンギン2羽を飼育係が育てています

 6月17日と26日にキングペンギンが孵化しました。


 この2羽の両親は、一組は産卵後にオス親が、もう一組は両親とも数日しか抱卵をしませんでした。2羽で協力して卵を孵化させないと、ヒナを育てることができません。このような場合、同じ時期に無精卵を産んだ他のペアがいれば、そのペアに卵をあずけることができるのですが、今年は同じ時期にそういったペアがいませんでした。人が育てると、将来の繁殖の時に人についてきてしまうことがあるので、なるべく避けていましたが、今年はやむをえず、飼育係が育てることにしました。


 ヒナは現在バックヤードで育てており、展示する日程は未定です。展示ができるようになったらお知らせいたします。キングペンギンは大人になるまでに約9ヶ月かかります。これから鳥にしては長めの子育てを、ペンギンスタッフ一同で頑張っていきます。


給餌

これから2羽に給餌です


6月30日撮影

6月17日うまれ(6月30日撮影)


ぺんぎん館・ダチョウ担当:田中千春

エゾクロテンお見合い中

 今年の3月からゆっくりロードのエゾクロテンの繁殖を目指してお見合いを始めました。少しずつ同居の時間を長くして、現在は1日中お互いの部屋を自由に行き来できるようにしています。


 ゆっくりロードのテン舎はお見合いのことを考え、部屋と部屋の間の壁(網)の一部を窓のようにして鉄板を抜くだけでテンが隣の部屋へ行けるようにしてあります。

 同居開始当初はオスがメスの部屋に入ることがほとんどでメスが怒ってうなりながら逃げていましたが、最近はメスもオスの部屋で過ごしたり、2頭でメスの部屋でそれぞれ落ち着く場所で過ごしたりしています。

同居

<同じ部屋で過ごす2頭>


 エゾクロテンは6月頃に交尾し、翌年の4~5月頃に出産します。妊娠期間が長いわけではなく、受精卵を着床させずに体内に保つ「着床遅延」をしているのです。着床は2~3月頃で、その頃にまた交尾期のような行動をとることで着床し妊娠が始まると考えられています。


 繁殖がうまくいくように願いながら観察を続けていきたいと思っています。

2頭

<カメラを設置して行動を記録しています>


北海道産動物舎・サル舎担当:佐藤和加子