エゾシカまるごと体験レポート

最終更新日 2023年11月30日

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エゾシカまるごと体験レポート

10月29日に旭山動物園でエゾシカのイベントを開催しました。
北海道におけるエゾシカの現状や課題、魅力を参加者の皆さんにお伝えするのが目標でしたが、堅苦しいイベントにならないよう座学だけではなく、飼育場でのエゾシカガイドやエゾシカ肉のしゃぶしゃぶ試食会!を折り込み「エゾシカまるごと体験」と名付けました。
参加者は環境系イベントにも関わらず満席!これがお肉のパワーか...

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いやいや、参加者の皆様はお肉だけでなく座学もガイドも熱心に 聞いてくださいました。
アンケートからもエゾシカについて考えを深めていただけた様子が分かり、大変嬉しかったです。エゾシカ肉しゃぶしゃぶはもちろん大好評で、臭みはなくやわらかくて味もしっかり、ラムしゃぶより個人的には好きでした。

最近、全国的に注目を集めている「クマの問題」とは対照的にあまり注目されていませんが、実は同じくらいかそれ以上に大きい影響が毎年出ているのが「シカの問題」です。
特に北海道では、野生鳥獣による農林業の年間被害額約55億円のうち、約45億円をエゾシカが占めているほか、エゾシカに起因する交通事故は年間約4500件で、ここ5~6年で約2倍に増加しています。結果として毎年10万頭を超えるエゾシカが駆除され、その多くが有効利用されることなく廃棄されてしまっています。それでも、直接人を襲うことが少ないシカの話題は、おそらくクマほどニュースになりにくい側面もあるのではと感じています。
一方で驚くほど美味しいお肉や高品質の皮、角を持つエゾシカは、資源としての価値は素晴らしいものがありますし、春夏秋冬で大きく変化する姿や臆病でまっすぐ性格など魅力も満載です。

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そんな中、こうした動物や環境の話題をしっかりと発信することは動物園にとって極めて大切な役割だと考えています。「かわいい」しか伝えないのなら、動物園以外でもできることでしょう。わたしたち動物園が、さまざまな現場や専門家と一般市民との架け橋のような存在になり、動物や地球環境などの難しい課題を市民目線・市民感覚に落とし込んで一緒に考えていく機会を作り出すことで、人間にとっても動物にとっても居心地の良い世界に向かっていけたら良いなぁと考えています。次回はもっとパワーアップしたイベントをやりたいです!お楽しみに!

                                                                                                                                                   (エゾシカ・教育担当 上江)