【今も変わらない大切なこと】
先日SNSで北九州にある到津の森公園の岩野園長が退任されることを知りました。
岩野園長で思い出すことがあります。私が動物園で働き始めた16年前、到津の森公園で行われた動物園水族館獣医師の研究会に参加した時のことです。懇親会の挨拶で「これからが本番です、ぜひ親睦を深めて下さい」とおっしゃっていました。
私は先輩飼育係から、当時園長だった小菅前園長と同じ研究会に参加した際に、前泊の夜に電話がかかってきて「今何をしているんだ!」と聞かれ、「○○動物園の人と飲んでいます」と答えると「よし!!なら良い」と言われたというエピソードを聞いていたので、同じようなことをおっしゃるなぁと思ったものです。その夜は二人の言葉を実行して、朝まで親睦を深めました。
昔は今ほど海外や他園館の情報も得ることが難しかったこともあり、横のつながりを作る大切さを教えてくれたのだと思います。昨年末、円山動物園から旭山動物園に研修に来ていた飼育員に「小菅前園長は旭山で何を見てこいとか言っていましたか?」と聞いたところ、「とにかく飼育係とつながりを作ってこい!と言われました」とのことでした。時代は変われど、今もその大切さは変わりませんね。
岩野園長が退任すると、当園の小菅前園長や上野動物園の小宮元園長、富山市ファミリーパークの山本前園長、天王寺動物園と宇部市ときわ動物園の宮下前園長など、いわゆる団塊の世代前後の名物園長たちが園長という一線を退くことになります。動物園の役割が変わっていく時代のなかで、動物園を支えていた世代の皆様のおかげで今の動物園があると思います。コロナ禍で動物園も大変な時代ではありますが、私たち現役世代には動物園をよりよいものにしていく責任があると感じています。
私が言うのもおこがましいですが、岩野園長長い間お疲れ様でした(旭山動物園一同)
お近くにお住いの方ぜひ参加してみてください。
(獣医師・トナカイ・テナガザル担当 中村 亮平)