【エゾユキウサギの仔が生まれています】

最終更新日 2021年8月9日

ページID 073693

印刷

【エゾユキウサギの仔が生まれています】

 7月18日にゆっくりロードで飼育しているエゾユキウサギに2頭の仔が生まれていることを確認しました。どちらの仔もここまで元気に過ごしています。

1

隠れている仔ウサギ

 エゾユキウサギはノウサギの仲間であり、カイウサギ(家畜化したアナウサギ)とは違い、生まれたときから毛が生えそろい、目は開き、耳も聞こえ、数時間のうちに動き回れるようになります。そして、親は仔からは離れたところにいて、授乳の時以外は基本的に仔に近づきません。仔も草の根元やかげになる場所で、じっとしてほとんど動きません。ほったらかしに近い状況に見えますが、これはエゾユキウサギの生存戦略と考えられます。

 捕食者に対して隠れる、逃げる以外の対抗策を持たないユキウサギにとって、敵に見つからないことが生き残る上で最も重要です。親が常に仔に寄り添っていると敵に見つかりやすくなってしまうので、仔は動かずに自らの痕跡と気配を最小限にし、親も授乳の間の短い時間だけ仔の元へ行くことで、敵に見つかるリスクを減らしているのです。

 ふとみると小さなウサギの仔が置き去りにされているように見えるので心配になりますが、ユキウサギの仔育てはこれで正解なのです。もちろん野生でもこのような仔育てをするので、仔ウサギが育児放棄されたと思われて、人に保護されてしまうことがあるようです。もし野生の仔ウサギが草むらにポツンといても、むやみに手を出さないようにしてください。離れたところに親ウサギがいるはずです。

 エゾユキウサギの仔育てはあっという間で生後3~4週目で離乳、その後親離れとなります。仔ウサギたちは日に日に大きくたくましくなり、すでに赤ちゃんというよりこどもウサギという感じになっています。とはいえまだまだ小さく、目立たないところで隠れてじっとしていますので探してみてくださいね。

(エゾユキウサギ担当 中野 奈央也)