とあるニホンザル
さる山で飼育しているニホンザルのうち1頭に年老いたサルがいます。名前はシロザル、年齢は32歳。野生化では寿命が25年ほどですので結構な高齢個体となります。
数年前には障害が残るほどの病気をしていて、少し動きがぎこちないです。歯は抜け落ちている部分も多く、柔らかい物を選んで食べています。そして高齢のため、なかなか皮下脂肪がつかないので夏頃から餌をシロザルだけ増量していました。
こうして冬になり、ふっくらとした体格になったシロザルですが、皆さんがご覧になることが出来ない日もあります。あまりに寒い時は寝室から出ようとしないのです。こちらとしても代謝の悪いであろう老齢個体を厳冬期に外へ出すつもりはありません。そんな日には寝室でぬくぬくしながらバナナなどの柔らかい食べ物を食べて過ごしています。
飼育している側として、高齢個体にはこうした方が良いのかな?など、本当に小さな事だったりするのですが、細やかな気遣いが必要です。今後も出てくるであろう高齢個体の飼育を意識しながらシロザルから学んでゆきたいと思っています。
冬のさる山
天気の良い日は外にいます
さる山・タンチョウ担当:高橋伸広