【シンリンオオカミ ケンの展示を中止しています】
現在オオカミの森にいるシンリンオオカミのケン(♂13歳)の展示を中止し、非公開のバックヤード内にて療養飼育をしています。
ケンはこれまでにパートナーのマースともにたくさんの子を育て、アルファ(群れのリーダー)として見事に群れを率いてきました。現在は娘2頭と息子1頭計4頭と生活を共にしています。
昨年から歩様緩慢などの老化の兆しが見られ始めましたが、息子のノチウを始め群れの仲間からの信頼は絶大でした。
今年の9月下旬から運動量が極端に減り始め、後肢のふらつきなども顕著になってきました。群れの4頭はケンの衰えに戸惑いながらもケンとの距離をとり離れて行動することが多くなりました。
10月に入り横臥からの起立に苦労するようになり、ハエがたかるようになってきました。放飼場内の小川に転落し自力での起立ができずにレラ(娘)に助けられることもありました。
10月2日、ハエの卵が孵り蛆が湧く懸念もあり、麻酔をかけて検査とハエの卵の除去などを行い、この日よりバックヤードでの療養に切り替えました。
10月6日に再度麻酔をかけてレントゲン検査を行いました。加齢による変形性脊椎症からの神経症状として後肢の歩様異常、失禁などが認められると診断し、投薬による症状の緩和を期待し現在治療中です。
群れへの復帰も視野に入れ、4頭とは放飼場に隣接するサブ放飼場にて金網越しに短時間の顔合わせをしていますが、ケンに対して攻撃的な態度を取る個体はなく、ケンがいなくても4頭での生活も安定しています。
今後に関しては今は何かを言える状況ではないのですが、ケンらしい威厳を持った生き方をサポートしていきたいと考えています。
群れと顔合わせの様子