【トラの赤ちゃん成長中】

最終更新日 2020年4月5日

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【トラの赤ちゃん成長中】

 2月1日にアムールトラのザリアが出産して、はや2カ月。3頭の子が順調に生育しています。

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 当初は7頭もの子を出産しました。1頭は死産でしたが6頭が生存しており、異例なほどの子だくさんに、担当者としても喜んでいました。

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 しかしその後、3頭が衰弱し死亡してしまいました。多産すぎて、それぞれが虚弱だったのかもしれません。

 残りは3頭。当初の喜びから一転、「彼らだけでも生き残ってほしい!」という焦りの気持ちに変わりました。

 死亡した子の亡骸は一頭だけ回収できましたが、ほかはザリアが食べてしまいました。

 残酷に感じる人もいるかもしれませんが、肉食獣が育児中に死んでしまった子を食べるのは、しばしば見られることです。

 亡骸が残っていれば腐敗し、生き残った子にまで悪影響があるかもしれませんし、天敵を引き寄せてしまうかもしれません。「子の死を悲しむより、今生きている子の命を最優先する」、厳しい野生を生きるため身に着けた合理的な習性というわけです。


 ザリアの懸命な育児もあり、3頭の子たちは順調に生育しています!

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 子育ての様子は暗視カメラのモニターで来園者向けにも展示しております。

「なんだ白黒じゃん!カラーテレビ買うお金もないの?」なん言われることもしばしばですが(汗)、産室は本当は真っ暗。赤外線カメラで撮影しているため、色が映らないのです。悪しからず。(むしろハイテクなのですよ・・・)

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「超ハイテクの」トラ産室モニター展示です!


 出産からこれまでの成長の様子を動画にも編集してみましたので、よろしければご覧ください。↓

www.youtube.com/watch(新しいウインドウが開きます)

 人間社会は色々騒がしいですね。そんな中でもトラの子たちは元気に育っています。

 目の前の出来事に動揺せず、今を生きることに集中するトラの母子。

 そんな彼らの生きざまから、私たち人間も学ぶべきものがあるのかもしれません。

 5月頃にはちびトラたちも巣から出て、みなさんにお披露目できるでしょう。

 そのころには人間の「巣ごもり」も解除され、たくさんの来園者でにぎわっていることを期待しましょう!

(もうじゅう館・フクロウ担当:大西 敏文)