今期の流氷ひろば
毎年あざらし館では、野生の環境を再現しようと、冬になるとプールを凍らせた”流氷ひろば”ができます。
ゴマフアザラシは流氷とともに北海道近海までやってきて(一部定住しているものもいるが)流氷の上で出産と子育てを行うため、ゴマフアザラシにとって流氷はなくてはならないものなのです。
赤ちゃんが白い姿なのは、氷の上で目立ちにくいからなのです。
昨年の「流氷ひろば」の様子
ですが、今期はというと…できませんでした。
何もなくてもプールは勝手に凍ると思っている方も多いのですが…凍りません。
プールの水は常に循環濾過されていて、水がうごいていている状態です。アザラシ達もプールで泳いでいるので、どんなに冷え込んだ日でも氷が張ることはありません。
なので、流氷ひろばは人力で作っています。
まず、寒くなる日が数日続く日を待ちます。濾過をとめて、プールの水温を下げます。
次に冷えこみが強い日に、重機を使用し、雪を何十杯もプールの浅瀬が埋まる位まで入れます。
その雪をみんなでならしていきます。
最後に水を撒き完成です。が、今期は圧倒的な雪不足のため、プールに入れる雪も貯まらず、厳しい寒さの日も長く続くかず…。ということで、断念せざる得ませんでした。
今年の様子
氷の上で寝転んでいる姿や息つぎのための穴から顔を出している姿など、みなさんにお見せすることができず、残念な気持ちです。
数日前は旭川も-26度近くまで下がったと思いきや、その数日後にはプラス予報です。
今年の天気は何か変です。これも気候変動という言葉が現実のものとして実感できるできごととなりました。
あざらし館担当:杉村尚美