【ヤマアラシのウラバナシ】
私が担当している小獣舎にいる、アフリカタテガミヤマアラシ。
何とも不思議な生き物です。
ある日の朝、小獣舎の電気をつけに行くと、、、
背中の毛の間にピーマンが入り込んでいました。
過去にはリンゴが針に刺さっていたこともありました。
いったいどうしたら、こんな状況になるのか謎が深まります。
そして、自分では取れない(気づいてない?)ので、私が取るのですが、これがまた一苦労。
ヤマアラシの他に、ハリネズミやハリモグラも体に針を持つ生き物です。
ハリネズミとハリモグラは針を防御に使います。というのも、あくまで敵が攻撃することによって刺さるのを待つことしかできないのです。
それに対してヤマアラシは、自らバックで突進をして針を刺しにきます。
よく、ヤマアラシの前で、「この針は長靴も貫通するらしいよー」という会話を耳にしますが、さすがにそこまで頑丈じゃないです。。。
と、思ってたのですが、試しに思いきり刺してみると貫通しました。
気を付けないとですね。
また、不思議なことと言えば、ヤマアラシのエサの食べ方。
ずいぶん汚い食べ残し方をするなぁと思っていたら、なんとこれ全て皮。
ヤマアラシはリンゴでもサツマイモでもキュウリでも、両手でガッチリ抑えて、きれいに皮をむいてから食べるのです。
几帳面な人類がそのまま食べるものまで、動物の方がしっかりと皮をむいて食べるというのは、なんとも違和感を覚えます。
ヤマアラシは、暖かい地域に生息している動物なので、寒い冬になると外に出せなくなってしまいます。
今も寒い日は外には出ませんが、暖かい日は出ているのでぜひ見に来てくださいね。
(両生類は虫類・小獣舎担当:鈴木 達也)