【いただきます。】

最終更新日 2019年3月5日

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【いただきます。】

 旭山動物園で、直接かかるエサ代が一番安い動物は何か想像がつきますか?

 私が飼育しているヘビはなんとタダなんです。

 ヘビのエサは、両生類・は虫類舎の裏で繁殖させているマウス(ハツカネズミ)です。

 なので、ヘビのエサ代は実質0円なのです。

 ヘビの狩りの仕方や、野生的な行動。ありのままのヘビの姿を見て欲しいので、エサは生餌であげています。

 毒のないアオダイショウやシマヘビは獲物を窒息死させ、まるのみします。

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●狩り(画像2)

 よく「可哀想」という声が聞こえてきます。もちろん、人間として可哀想と思えることは必要なことですし、大切な感情だと思います。

 しかし、我々人間も生きていた牛や豚、魚を食べます。

 ホタテやカキなんかは生きたまま焼かれていますね。

 それにヘビは、マウスの全てを綺麗サッパリ食べますが、人間は生き物の美味しいところばかりを食べて、都合の悪いところは捨てて生活しています。

 どちらの方が「命」に対して可哀想なことをしているのだろうとよくよく考えさせられます。

 動物は、いろいろな動物や植物の「命」をいただいて自分の命をつないで生きています。

 食う食われるの自然界での動物の「死」とは、新たに動物や植物の「命」に変わっているのです。

【伝えるのは、命】

 旭山動物園の理念であるこの言葉。

 動物たちが本来持っている力、その行動やしぐさの中に命の凄みというものを、旭山動物園に来て感じてもらえればと思います。

,,,,ちなみに、ヘビのもぐもぐタイムは館内通路が渋滞してしまうのと、その時のヘビの気分次第なので予告なしで突発的に行っています。あしからず。。。

(アザラシ・両生類は虫類・ゲテモノ・飼料担当:鈴木 達也)