【グローバル動物園】

最終更新日 2017年5月7日

ページID 061457

印刷

  【グローバル動物園】

 旭山動物園には外国人の方々もたくさん訪れてくださいます。

 飼育係も手書き看板に英語を交えたり、「外国の方にもより深く動物のことを伝えよう!」という機運が(ようやく)高まっています。良いことだと思います。


 あさひやまの開園は1967年ですが、日本の動物園は戦前からありました。

 しかし戦争末期には「空襲で檻が壊れて動物が逃げ出しては大変だ」と、猛獣やゾウなど多くの動物園動物が殺処分されました。

 上野動物園でもライオンのオス「アリ」とメスの「カテリーナ」が毒物により殺処分されました。メスは苦しみながらも死にきれず、見かねた担当者が心臓を突いてとどめを刺したそうです。

ライラ

<写真1>ライラと・・・

レイラ

<写真2>・・・レイラを見に世界中の方が訪れます。

 一方、東山動物園では、同様にゾウの殺処分令が下され、園の敷地は軍馬の訓練場とされました。しかし飼育係がひそかに軍馬用の飼料をゾウに与え続け、戦後まで生きながらえることができました。

「エルド」と「マカニー」2頭のゾウは、戦後日本の多くの子どもたちに夢を与える存在になったそうです。


 その後日本は高度経済成長期を迎え、まるで戦後復興の象徴のように、全国各地に市営の動物園がつくられる中で、1967年、北海道の田舎町・旭川にも「動物園をつくろう!」という機運が高まり、開園したのが(われらが)旭山動物園、というわけです。

・・・なにが言いたいかというと「平和なくして動物園は存在しえない」ということです。

 動物園が使命として「保護」や「研究」を挙げられるのも、日本がある程度豊かで平和だからです。国民が貧しかったり、戦争で自分の命も危うい情勢だったら「野生動物を保護しよう」とか「研究しよう」なんて機運にはならないでしょう。

動物園は、その国の豊かさと平和の象徴ともいえます。だからこそ、動物園は老若男女、人種国籍問わずすべての人を迎え入れ、楽しめる場所であるべきだ、と思っています。(あくまで個人の感想です)


 なんてエラソーな事言ってますが、ぼくにできるのは外国人来園者に向けて、中学卒業レベルのカタコト英語で動物の解説をすることだけです。

 でもね、語学力なんて本当はそんなに必要ないと思ってます。I have a pen だけで世界中を笑わせたピコ太郎さんを見習って、ぼくもカタコト英会話がんばります!

(もうじゅう館担当:大西敏文)