フクロウたちで感じる春!

最終更新日 2017年3月8日

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フクロウたちで感じる春!

 フクロウ担当兼獣医師の池谷です。皆さんこんにちは。

 ミカンの国から北海道に移ってきて二年が終わろうとしています。同僚に聞くと、ここ二年の冬は雪も、冷えてつらいという日々も少なかったとのことですが、やっぱり春の気配はうれしいですね。
 さて、最近のフクロウたちの近況についてお話ししておきたいと思います。北海道で一年を通して過ごす留鳥としてのフクロウたちは、このブログが掲載される頃が産卵がみられはじめる時期となります。本園のフクロウではシマフクロウ、ワシミミズク、エゾフクロウが該当します。現状はというと、まずはワシミミズクたちですが2月半ばから鳴き交わしも始まり、すでにオスは縄張りを主張するため昼間にも鳴いていますし、餌を入れる夕方には私に強力な威嚇を始めています。またメスは巣作りを始めています。

ワシミミズク

鳴き交わしと縄張り宣言で昼も鳴いているワシミミズクのオス。

 
 エゾフクロウは、昨年の11月に新しい巣を設置しました。最近は2羽がその中にはいっていることが多いのですが、一昨年設置した際も中に入るだけで産卵の気配はなかったので、今年はどうなるかと気をもんでいるところです。

エゾフクロウ

昨年同様、中からのぞくエゾフクロウ。

 
 そして私に一年遅れて旭山動物園へやってきたシマフクロウのロロ(オス)とモコ(メス)ですが、この一年ですっかり旭山にもなれて、何とかつがいとなりました。10月頃から頻繁な鳴き交わしを行い、繁殖に向けて観察のために巣内にカメラを設置した際も、モコが私におそいかかってくるほど巣への執着も見られるようになっていました。そして、1月からはできるだけ巣の近くを通らないようにして見守っていたところ、2月半ばから交尾が確認され始め、産卵への期待が一挙に高まっていました。そしてついに、平成29年2月28日、卵を一つ産んでいるのが確認されました。現在、モコは一日10分程度巣から離れるだけで、ずっと卵を抱いています。卵が有精卵であれば、うまくいけば4月5日前後に孵化すると思いますので、期待して待っていてください。カメラも設置していますから、あまり動きがないけれど中の様子は確認できますので、来園された際は観察してみてください。運が良ければ卵を確認できるかもしれませんよ。

シマフクロウ
 

巣内のライブ映像。画面の左側でメスが卵を抱いています。

 

 北海道ではまだ少し春は先ですが、フクロウたちはすでに春へ向かって動いています。皆さんも身の回りで春の先触れをさがしてみてください
 ではまたね~。

フクロウ担当・獣医師:池谷優子