旭山にゅーす・ぶろぐ

このページでは、しいくニュースやお知らせ、ブログなど「すべて」の情報を一覧で見ることができます。

下記の文字をクリックすると各テーマ毎の内容がご覧になれます。

2023年6月のすべての記事

エゾヒグマの保護個体を受け入れました

6月19日、砂川市で親グマとはぐれ衰弱し保護されていた子グマを、傷病鳥獣保護として受け入れました。

1週間以上1頭でウロウロと出没を繰り返し、衰弱しており、放獣できる場所もないとのことから、当園のヒグマの収容数にも余裕があるため、保護受け入れとして応対したものです。
受け入れから約1週間が経過しましたが、エサもしっかりと食べ、順調に回復しております。受け入れからずっと屋内の寝室内で過ごしてきましたが、施設への順応を目的に、本日から、屋外の小展示場と屋内を自由に行き来出来るようにしました。そのため屋外にいる時はご覧いただくことができます。
なお、本件に伴い小展示場で飼育していましたオジロワシは一時展示を中止しています。

ヒグマ1
ヒグマ2

アビシニアコロブスの「アクイラ」の訃報

アクイラ
アクイラ
6月25日にアビシニアコロブスのアクイラ、オス1歳が死亡しました。25日朝に寝室に下痢を認め、抗生剤の投与や皮下補液を行いましたが、夕方虚脱状態になり死亡しました。解剖の結果、死因は急性腸炎と診断しています。腸炎の原因については現在、検査中です。

2023年7月の壁紙カレンダーができました

2023年7月カレンダー

7月の壁紙カレンダーの動物はマガモです。

7月のWEBカレンダーの動物はマガモです。

カルガモとは違い、オスとメスで模様が異なります。マガモのオスは緑色の頭が特徴的でメスは地味な色をしています。

北半球に広く分布し、北海道でも一般的に見ることができます。

旭山動物園のマガモたちが暮らしている『ととりの村』では、現在、孵化したマガモのヒナたちを連れたメス親の様子を観察することができます。母鳥の後ろに一生懸命ついて泳ぐヒナたちの姿をぜひ、探してみてくだい。

WEBカレンダーのダウンロードはこちら。

お使いのパソコンのモニターのサイズ(ピクセル)を選んでクリックしてください。
カレンダー2307_16:9(画像形式(JPG) 2,013キロバイト)

カレンダー2307_16:10(画像形式(JPG) 2,179キロバイト)

過去の壁紙カレンダー

過去のカレンダー
2023年6月分(シロフクロウ)
2023年5月分(ニホンザル)
2023年4月分(エゾヒグマ)
2023年3月分(シンリンオオカミ)
2023年2月分(キングペンギン)
2023年1月分(エゾユキウサギ)
2022年12月分(ライオン)
2022年11月分(シセンレッサーパンダ)
2022年10月分(ヤギ)
2022年9月分(アビシニアコロブス)
2022年8月分(マヌルネコ)
2022年7月分(シマフクロウ)
2022年6月分(ホッキョクグマ)
2022年5月分(ホッキョクグマ)
2022年4月分(ダチョウ)
2022年3月分(キタキツネ)
2022年2月分(ライオン)
2022年1月分(アムールトラ)

ゴマフアザラシの保護個体を受け入れました

ゴマフアザラシ
現在のゴマフアザラシの「ゆき」

 6月11日、傷病保護個体としてゴマフアザラシを知床から受け入れました。

 このアザラシ(今年生まれのメス)は、今年の4月に知床でケガをしているところ、(公財)知床財団が保護をし、治療等を行い回復しましたが、この時期に海へ戻すと、泳ぐことがあまり上手ではないことから、漁網等に絡まる事故の可能性が高くなるため、海へ戻すことを断念しました。

 協議の結果、旭山動物園で受け入れることになりました。

2023年6月24日 しいくのぶろぐ

仲間入り

仲間入り

 6月11日、旭山動物園に今年生まれの仔アザラシがやってきました。野生個体です。


カモメとご対面

まずは屋内でカモメたちとご対面


 4月29日、知床半島の漁港で衰弱して打ち上げられてた仔アザラシを保護しました。アザラシの親子関係は生後1~2週間で終わります。親元を離れたけど、うまく魚をとれず弱ったものと思われます。
 発見時はぐったりしていて体は傷だらけ、目もひどく腫れていて「一晩持つかどうか・・・」といった状態でしたが、地元「知床財団」さんのスタッフたちが懸命に治療し、なんとか一命を取り留めました。
 野生復帰をめざし飼育が続けられ海に戻せる状態まで回復しましたが、これから知床ではサケ・マスの定置網漁が始まるため、今海に帰しても魚を追い網に入り再び保護されるか、場合によっては網の中で溺れ死ぬ可能性が高いと判断し協議を重ね、旭山動物園で受け入れることになりました。
 6月11日早朝、知床から旭山に到着。まずは屋内の小さな隔離プールで様子見、とても落ち着いていたので6月14日、あざらし館の浅瀬部分を仕切り外プールデビューとなりました。

体重測定 外

   外に出す前に体重測定        外プールデビュー!   


 餌も順調に食べていますので、ある程度体格が良くなったところで群れに合流させていく予定です。名前は「ゆき」メスです。

食べている

餌も食べてます


「ゆき」の成長をあたたかく見守っていただけたらうれしいです。よろしくお願いします。

あざらし館担当・副園長:中田真一

アビシニアコロブスの「あたる」の訃報

あんずとあたる
あんずとあたる

 2023年6月21日にアビシニアコロブスの「あたる」(オス、2022年8月生まれ)が死亡しました。

 2023年5月下旬から元気がなくなり、6月1日に検査・手術を行い胃にたまっていた樹皮などの繊維を取り除きました。
 その後、元気食欲が回復せず、補液などの治療を行いましたが衰弱により死亡しました。

「旭山動物園だより」&「どうぶつえんみにだより」の最新号を発行しました!

エゾシロチョウ

6月6日、いつも観察している西門のトイレ横の「ズミ」の木で
エゾシロチョウの羽化を確認しました。今年は、6月に入ってから雨が続き、気温も低かったのですが、
6月6日、晴れの日にようやく羽化が確認できました(昨年は6月2日)。
みに

そして約10日後の6月17日、羽化した場所と同じ「ズミ」の葉に産み付けられた
卵を見つけることができました。次の世代の始まりです!
 

チョウ情報を一つ!

チョウ

エゾシロチョウに似た
翅(はね)が白くて翅脈(しみゃく)が黒いチョウを3種類を調べてみました。
  エゾシロチョウ…幼虫で越冬、食草はバラ科
  エゾスジグロシロチョウ…サナギで越冬、食草はアブラナ科
  ヒメウスバシロチョウ…卵で越冬、食草はケシ科

3種とも見た目は似ているのに、みんなそれぞれ越冬形態もちがえば、
食草(幼虫が食べる植物)もちがいます。
しかも、ヒメウスバシロチョウは「シロチョウ」の仲間ではなく
「アゲハチョウ」の仲間に分類されています。
似ているチョウでも、いろんな違い、
いろんな生き方があるんだなぁと、とても勉強になりました。

気になる生きものがいたら、ぜひ図書館に調べにきてみてくださいね。
 

さて、先日、旭山動物園だより・みにだよりの最新号を発行しました。
「旭山動物園だより」は、一年で一番過ごしやすい「初夏」の動物たちのすごし方を紹介しています。
繁殖期をむかえたインドクジャクのオスの飾り羽の様子や、トナカイやエゾシカの今の様子など、
生きものも季節によって過ごし方が違うことがわかりますよ。
「あさひやまどうぶつえんみにだより」では、
園内で観察できる野生の生きもの「エゾシロチョウ」の一生を紹介しています。
ぜひ園内散策の参考にしてみてくださいね。


投稿者:動物図書館 北川裕美子

旭山動物園だより290号

内容:一年で一番すごしやすい「初夏」。どう過ごしていますか?

だより

「旭山動物園だより」はこちらからダウンロードできます(新しいウインドウが開きます)

 あさひやまどうぶつえんみにだより123号

内容:エゾシロチョウ

   みにだより
 

「あさひやどうぶつえんみにだより」はこちらのページからダウンロードできます。(新しいウインドウが開きます)

アムールヒョウの「キン」の訃報

キン
2021年4月の「キン」

 2023年6月19日の朝にアムールヒョウの「キン」(オス)が死亡しました。
 もうじゅう館で飼育していたキンは2020年3月に両股関節の変形性関節症と診断され、徐々に後肢が不自由になってきました。そのため2021年5月より、段差のないバックヤードに移動し、非展示にて飼育していました。

 バックヤードでは食欲もあり元気に過ごしていましたが、2023年6月13日に餌を残し、元気がない様子が見られたため、翌14日に麻酔下で検査を行いました。検査の結果、腎機能の低下が認められ、点滴等で治療を行いましたが19日の朝に死亡しました。

 解剖の結果、右腎臓の腫瘍を疑う所見と腫瘍からの出血が認められ、死因は腎臓腫瘍による腎不全と診断しました。

【飼育歴】
 2004年7月4日広島市安佐動物公園生まれ
 2005年7月21日双子の兄弟のアテネとともに旭山動物園に来園
 2017年8月12日にメスの「ルナ」(現在、東武動物公園に貸出中)との間にオスの「とわ」(現在、宇都宮動物園に貸出中)とメスの「みらい」が繁殖
 2020年12月20日兄弟の「アテネ」死亡


 

「はじめまして!」

 はじめまして!
 こども牧場ヤギ担当の藤原真凜と申します。
 飼育員になる前は旭山動物園の管理事務所で3年間勤務しておりました。
 幼い頃から旭山動物園で動物の命を通し沢山の事を学ばせていただき、それが今伝える側になっていると思うとやりたいことがありすぎて毎日試行錯誤の連続です。
 熱い想いを持った先輩飼育員たちの背中を見て日々努力する事を怠らず、邁進して参ります。よろしくお願い致します!

 さて、ヤギの近況ですが

 冬毛から夏毛に生え変わり、全体的にスリムボディになりました。
 …のはずですが、昨年9月に生まれた「かえで」と「あかね」が急激に成長しており、夏毛でも冬の姿以上に大きくなり、「かえで」に関してはお母さんヤギの「こむぎ」とほぼ変わらないくらいになっています。

かえでとこむぎ
(左)0歳9ヶ月のかえで (右)2歳2ヶ月のこむぎ 


 ヤギは家畜動物。約8000年前から人間と共に助け合いながら暮らしてきました。

 ヤギを家畜化し食の安定を与える代わりに、人間は毛や乳をヤギから分けてもらい、ときには肉としていただくなど、たくさんの恩恵を受けています。
 ヤギの成長が早いからこそ人は共に暮らすことを選びました。そしてまたヤギたちもこの共生があったからこそ安全に子孫を生み育ててきました。

 今回の「かえで」や「あかね」の成長のスピードを目の当たりにし、昔から人とヤギお互いがお互いを必要として生きてきた意味をよくよく知り得ました。

 しかし、そんな事が頭によぎるのは少しの間だけで、ヤギたちは今を懸命に生きるため草をせっせともぐもぐし、うたた寝をし、橋をヒョイと渡ったと思いきや、急に崖をものすごいスピードで駆け降りたりしています。日々こんな姿を見て、ヤギの凄さ、美しさ、愛らしさを感じています。

ヤギ


 今年の春の休園期中に第2こども牧場をかなり改造しました。ヤギとヒツジの展示スペースを広げ、ヤギ専用の橋をルート変更や高さ調整の為、全て一旦取り壊し新たに建て直しました。放飼場前にはニレの木を、放飼場内の崖面には桜の木を植えました。

 最近は、ちょっとした菜園も始めました。
 青梗菜(チンゲンサイ)や小松菜は種まきをして1週間くらいで発芽しました。どれも成長が早くて、私を置いていかないで…(笑)となります。
 ゆくゆくは、ヤギやヒツジの糞を堆肥にして循環型菜園にしようと思っています。
 楽しみにしていてください!

菜園

菜園の写真


 3年間闘ってきた某感染症もようやくフェードアウトの段階がきて忙しい日々が続いてるかと思いますが、皆様がヤギを見ながらホッと落ち着けるような雰囲気作りをしていきたいなぁと思っております。

 皆様お一人お一人との交流を大切にしていきたいたいと思っておりますので、ご来園された際はぜひお声かけください!

ヤギ集合

旭山動物園のヤギたち

こども牧場担当:藤原真凜

マガモ・カルガモのヒナが孵りました

 6月5日にマガモのヒナが6羽孵りました。

 母鳥が見守る中、泳いだり餌を食べたり、プカプカ浮きながら寝ていたり、可愛らしい姿が見られます。

ヒナ

プカオプカ浮きながら眠るマガモのヒナ


 その後カルガモのヒナも次々と孵り、ととりの村の大池ではヒナたちの鳴き声が常に聞こえてきます。
 野生のカモたちは、地面を少し掘って巣材を運び、自分の羽を抜いて被せ、卵を産むための準備をします。
 ととりの村でも、そのようなカモたちの姿を見てもらいたいと思い、巣箱を置かずにカモたちが自分たちで場所を探し巣を作っています。
 

巣

マガモの巣


 また、巣箱を置いていた頃は、先に産まれたヒナが巣箱を飛び出すと、母鳥のところへ戻れないこともありましたが、今ではそのようなこともなくなりました。
 カモ類は天敵が多く生き残ることが難しいため、親鳥はたくさんの卵を産みます。
 天敵もカモの卵やヒナを食べることによって命を繋いでいます。
 ととりの村にもネズミやヘビがいますが、厳しい環境の中でも母鳥に見守られながら、たくましく生き抜くヒナたちの様子を温かく見守っていただけると嬉しいです。

母鳥

ヒナを見守る母鳥

ととりの村・オオカミの森担当:原田 佳

ゲンちゃん日記・令和5年6月「野生と飼育下の動物たちの違い」

エゾシカ

角が落ちて

エゾシカも春の衣替え

今年の雪解けは早かったのですが4月下旬から気温の低い日が続き旭山の桜もゴールデンウィークに合わせるかのように満開になりました。旭山動物園では夏期開園が始まり多くの来園者でにぎわいました。昨年までのコロナ禍でも、行動制限の規制が緩和された時期には大勢の方が来園された日もあったのですが、静かに少し急ぎ足で園内を回られる方がとても多い印象でした。今年のゴールデンウィークはゆっくりとした足取りで、おしゃべりしながら楽しまれる方がたくさんいた印象でした。今ではマスクをしていない方がいても、違和感がなくなりました。
そういえば5月中旬に野生のエゾシカを見かけたのですが、まだ角がありました。動物園のエゾシカは4月中旬頃には角が落ちます。屋外で飼育しているので、気温や日照時間は同じ条件なのですが、角が落ちる時期が一ヶ月くらいずれていることになります。そこで、まず一番に思いつくのが栄養状態の違いです。飼育下では食べ物に関して「厳しい冬期間」はありません。冬期間でも必要十分な栄養を得られます。飼育下では「次の繁殖期に向けて、より早く体の準備を始められる」ということになるのかなと思います。ただ、特に日本産の動物は季節によって栄養状態が変わらないと「春の発情が来なくなって繁殖しなくなる、できなくなる」生き物も多くいるので、飼育下ではあっても春夏秋冬のリズムを栄養価で反映しなければいけない場合もあります。
今年は、外部の方々と協働で行うイベントや企画を多く計画しています。多くの方に関心を持っていただけるように発信していきますので、注目していてくださいね!
 

                                  令和5年6月8

                                  旭山動物園 園長 坂東 元

「自由研究はじめました」

 北海道は緑も増えてきて、一番過ごしやすい季節になってきました。
 動物園でも気持ちのいい青空に、シロテテナガザルの歌声がひびいています。

 さて、テナガザルの歌声と言えば、この春の開園から「みんなの自由研究」という展示がひっそりとはじまっています。
 最初のテーマがこの歌声なのですが、テナガザルがどんな時間帯、どんな天気の時に歌うのかを来園者の皆さんの観察によって調べてきました。
 結果はまだまとまっていないのですが、毎日たくさんのシールを貼ってもらったことでデータを集めることができました。この場をかりてお礼申し上げます。どんな結果が出るのかお待ちください。

 また、展示のおかげで、来園者の皆さんが以前よりテナガザルの歌声に注目してくれたような気もしています。ありがたいことです。

 今後は月替わりでテーマを変えて、皆さんにただ動物を見るだけではなく、特定の行動に注目することによって「観察」をしてもらえるようにつながっていけばと考えています。
 ちょっとバタバタしていて、6月のテーマはまだ決まっていないのですが、園内でこの看板を見つけたらぜひ参加してみてください、よろしくお願いします。

自由研究

みんなの自由研究看板を探してくださいね

てながざる館担当・獣医師:中村亮平