旭山にゅーす・ぶろぐ

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2021年6月のすべての記事

イワトビペンギンのヒナの孵化前のお話

 しいくにゅーすでお知らせしたとおり、6月15日にイワトビペンギンが2羽孵化しました。

 実は、はじめに孵化したヒナは、孵化の6日前に卵殻の一部にヒビが入り、無事に孵化できるのか、それとも孵化前に死んでしまうかと心配していた個体でした。

 ヒビが入ったのを発見した時、親がら取り上げて卵を検査しました。そのとき卵の中のヒナはまだ生きているようでした。ヒビの部分は、ちょうどヒナのいない気室のところギリギリの場所で、ヒナの体に傷は付いていないかもしれないと思い、元気でいてくれと祈る気持ちですぐに孵卵器へ入れました。親にはその代わりに偽物の卵を預けました。その後、孵卵器の中で予定通り無事に孵化し、一安心。ヒナの健康状態に問題はなさそうだったので、親の偽物の卵とヒナを交換しました。親はすり替えられたとは気がついていないので、自分で孵したと思ってヒナを受け入れてくれました。

 体が小さく生まれた個体ということもあり、元気に成長するのか心配でしたが、今のところ親からたくさんエサをもらって順調に育っています。体重もみるみる増えています。ヒナの期間は短いので、ぜひ早めに見にいらしてください。

卵のヒビ

卵のヒビ


ふ化二日目

孵化して二日目

ぺんぎん館・ダチョウ担当:田中千春

イワトビペンギンが生まれました

イワトビ
うすい赤い丸のところにヒナがいます

 6月15日にイワトビペンギンが2羽生まれました。2組のペアが1羽ずつ育てています。

 先に生まれた方は孵化日の体重が平均よりも小さいですが、今のところ2羽とも順調に成長しています。まだヒナは小さいのですが、親の足下をよく見るとエサをねだる姿を確認できると思います。

 イワトビペンギンは孵化後2ヶ月で大人になります。あっという間に大きくなります。ぜひ、ぺんぎん館に足を運んでいただければと思います。

2021年7月の壁紙カレンダーができました

2021年7月カレンダー

7月の壁紙カレンダーの動物はインドクジャクです。

7月のWEBカレンダーの動物はインドクジャクです。

インドクジャクの華やかな飾り羽はオスのみが持っています。5~6月の繁殖期には、オスはメスの気を引くため、飾り羽を扇のように広げてターンするディスプレイ(求愛行動)を見ることができます。

飾り羽は7~9月になると全部抜け落ちてしまいます。


 WEBカレンダーのダウンロードはこちら。

お使いのパソコンのモニターのサイズ(ピクセル)を選んでクリックしてください。
カレンダー2107_16:9(画像形式(JPG) 1,678キロバイト)
カレンダー2107_16:10(画像形式(JPG) 1,888キロバイト)
壁紙2107_iphone(画像形式(JPG) 578キロバイト)

過去の壁紙カレンダー

過去のカレンダー
2021年6月分(ワオキツネザル)
2021年5月分(エゾモモンガ)
2021年4月分(フラミンゴ)
2021年3月分(オオワシ)
2021年2月分(キングペンギン)
2021年1月分(エゾユキウサギ)
2020年12月分(キタキツネ)
2020年11月分(レッサーパンダ)
2020年10月分(カバ)
2020年9月分(ブラッザグェノン)
2020年8月分(ホッキョクグマ)
2020年7月分(アビシニアコロブス)
2020年6月分(アムールトラ)
2020年5月分(カバ)
2020年4月分(ニホンザル)
2020年3月分(エゾシカ)
2020年2月分(ホッキョクギツネ)
2020年1月分(モルモット)

【はじめまして!】

 今年の4月、第2こども牧場に5頭の仲間が増えました。その5頭の近況をお伝えします。

 4月19日来園のヒツジのサンとニコ(どちらもメス)。来園当初は人が近づくと全力で逃げ、放飼場に出たばかりなのにすぐに小屋に帰りたがっていました。しかし、最近ではゆっくり近づくと逃げることも少なくなり、少しずつ行動範囲が広がっています。また、臨時休園期間中には毛刈りを行いました。毛でモコモコの姿しか知らなかった私は「え、こんなにスリムだったんだ!」と驚いたものです。皆さんも夏仕様のサンとニコをぜひ見に来てください。

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夏仕様のサン(左)とニコ(右)

 次に、4月30日来園のヤギのもみじ、よもぎ、こむぎ(3頭ともメス)です。

 この3頭はまだ成長の途中なこともあり、日々小さな変化を感じています。なかでもこむぎは成長が著しく、徐々に角が見えてきたり体が大きくなるなどの外見の成長はもちろん、1頭で橋を駆け回ったり先住ヤギに近づいていったり(先住ヤギははじめは気にしていましたが最近はあまり気にしていないようです)と行動の面も変化を感じます。

 とはいえ、まだ生後2か月の仔ヤギです。まだまだ子どもらしい一面も見られます。大人の階段を登るこむぎを温かく見守っていただきたいです。

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来園当初のよもぎ(左)とこむぎ(右)


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今のこむぎ


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もみじ

 そういう私も4月来園の飼育員。旭山歴は5頭とほとんど変わりません。5頭の同期と一緒に旭山動物園に慣れていけたらと思っています。

 新しく仲間に加わった5頭を今後もよろしくお願いします!

(こども牧場担当:泉 小春)

アフリカタテガミヤマアラシの訃報

ヤマアラシ

 6月9日に、かば館で過ごしていたアフリカタテガミヤマアラシ(8歳、メス)が、肺炎のため死亡しました。

 アフリカタテガミヤマアラシは、今年の4月から、以前イボイノシシを展示いた場所に引っ越しをし、今までとは違った展示をすることができていたところでした。

 今回の死亡により、アフリカタテガミヤマアラシの飼育数はゼロとなりました。

ゲンちゃん日記・令和3年6月「しっかりと動物に向き合い、可能性を追い続ける年に」

キリン

(アミメキリンの子は元気に成長しています)

 5月、北海道に緊急事態宣言が発令され、旭山動物園も休園を余儀なくされました。この手紙が届く頃、旭山動物園は開園しているのでしょうか?多分無理だろうなという思いがよぎり、出るのはため息ばかりです。休園するのは簡単ですが、再開するのは大変です。私たちの雇用主は市民であり来園者ですから、行く場所を狭めるだけではなく、安全対策が行き届いた「行ける場所」を確保することも、私たちの責任ではないかと考えていたのですが…。今の状況が続くのであれば、次は夏休み以降に動けなくなると思われます。
 さて、現在の旭山動物園の様子は、来園者がいないこと以外何も変わらない毎日が続いています。2回目の開園準備期間と割り切って、4月の閉園期間にできなかったペンキ塗り作業や、自分たちでできる修繕作業などを行っています。穏やかな動物園からまちの方を見ると、田んぼに水が張られて田植えが始まっています。旭山ではエゾハルゼミが鳴き始めました。この時期は夕方になると、田んぼの水面が夕日に照らされてオレンジ色に染まり、アマガエルの鳴き声も響いてきます。不謹慎かもしれませんが、今は動物園も動物たちも我々スタッフのために存在しているように感じます。だからこそ、この時間を大切にしっかりと動物に向き合い、気力を充電して、再開した時に今まで以上に多くの「こと」を来園者に還元できるよう、過ごさなければと思っています。
 今年こそは、と温めていた企画も、実現に向けて準備を進めています。「こんな状況だから」と言い訳せず、可能性を追い続ける年にしたいですね。
 アミメキリンの子は、すくすくと成長しています。今度お目に掛かるときには「えっ、もうこんなに大きくなったの!」と驚かれるかもしれません。皆さんとの再会を切に願っています。

(注)臨時休園期間を5月17日(月曜日)から6月20日(日曜日)までに延長いたしました。

令和3年6月15日 

旭山動物園 園長 坂東 元

アミメキリンの子どもの命名式を行いました

 本日、アミメキリンの子ども(オス)の命名式を行いました。


 アミメキリンの愛称は、「あさひ」で、命名理由は、「旭川で産まれたので「あさひ」という文字をあてつつ、コロナ禍で大変なご時世を一つの光として「朝日(あさひ)」のようにひかり、望みを持っていこう」というものでした。
 命名者に選ばれたのは、東川町在住の今 綾 様でした


 命名式では、愛称が発表され、命名のプレートが坂東園長に渡されました。
 そして、NPO法人旭山動物園くらぶ様からのぬいぐるみなどの記念品。
 旭山動物園から、飼育担当者が記録をした子どもの成長記録アルバムと当園職員が撮影したアミメキリンの子どもの写真が贈呈されました。

愛称発表
アミメキリンの愛称発表
くらぶさんから記念品
旭山動物園くらぶ森理事長より記念品贈呈

記念撮影
参加者全員で記念撮影

  素敵な愛称がついたアミメキリンの「あさひ」をこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

「動物園だより」と「みにだより」の最新号を発行しました!

先日、「旭山動物園だより」と「みにだより」を発行しました。

動物園だよりでは、夏期開園にあわせてリニューアルしたところや、

新しく仲間入りした動物を紹介しています。

みにだよりでは、どうぶつの「は」を紹介。

食べるものによって歯の形が違うことなどにふれています。

先日から急に夏日になった旭川。

3月に抜け落ちたエゾシカのツノはだいぶ大きくなってきましたし、

濃い茶色の硬い毛はだいぶ抜け落ち、夏毛の鹿の子模様がうっすら出てきました。

エゾシカの夏

 暑さが苦手なレッサーパンダは、もう大変です。

急激な気温変化は、人間でもつらいですが…。

レッサーパンダ

現在、臨時休園中ではありますが、お出かけできるようになったら、
園内観察の時に「動物園だより」「みにだより」を参考に園内をまわってみてくださいね。


投稿者:動物図書館 北川 裕美子

旭山動物園だより276号

内容: 園内には「新しい」がたくさんありますよ!~2021~ ほか

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「旭山動物園だより」はこちらからダウンロードできます(新しいウインドウが開きます)

 あさひやまどうぶつえんみにだより109号

内容:どうぶつの「は」

  109

「あさひやどうぶつえんみにだより」はこちらのページからダウンロードできます。(新しいウインドウが開きます)

動物と書の融合「動物墨画パフォーマス甲子園」

旭山動物園で広報を担当している松尾です。

飼育担当ではありませんが、今回、新しい取組の実施に当たり、特設のホームページを開設しましたので、ご案内をさせていただきます。

本園では、動物の飼育・展示のほか、様々な事業を行っておりますが、中高生や、大学生を対象にした事業は少なく、何か一緒に、連携した取組はできないものか考えていたところ、過去に携わったイベントの関係で、筆耕いただいた書道の先生からいただいた名刺に、描かれていた「ペンギン」のことを思い出しました。その絵は、黒色の濃淡により、愛くるしくも、今にも動き出しそうな躍動に満ちたものでした。

「これだ!・・・。」

しかし、墨画のコンクールとなれば、対象はおそらく限られてしまうし、絵画コンクールもこれから実施する予定で、何かイベントチックにはできないものかと思い描いていたところ、市内の催事等で、書道パフォーマンスが行われていることに気付き、大きな用紙に動物の絵を主体とする墨画そして、メッセージを書いてもらうという、旭山独自のスタイルを考案しました。

その対象として、これまでに連携した事業の取組が少なく、書道パフォーマンスの実施経験があり、複数の参加が期待できる市内の高等学校と連携して行わせていただくことになりました。

その後、高等学校書道部顧問の先生にも相談させていただき、実施手法や審査基準を設定して、今回、ホームページを開設する運びとなりました。このページを通じて進捗情報をお知らせし、開催への機運を高めていければと考えています。参加校の紹介につきましては、次回の更新にあわせて行う予定です。

(園内・広報担当 松尾 英将)

ホームページはこちらから

washi

本事業PRイラスト(オオワシが筆を運んでいる様子をイメージ)

【ケンとマース】

 シンリンオオカミ・マースの一生は波乱に満ちていた、といえるでしょう。

 1才足らずでカナダから旭山にやってきて、早々に他のオオカミに前足を咬まれ、大けがを負ってしまいました。

 連日、獣医に吹矢を撃たれ麻酔治療。計り知れない肉体的・精神的ダメージを負いましたが、懸命な治療によりなんとか快復しました。

 そして2011年に出産し、マースはついに母親に。マースは通算9頭もの子をもうけ、群れの立派なαメスとなりました。

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仲睦まじい(ロックしている)ケン&マース

 うれしい反面、新たな不安も生まれました。オオカミの群れは上下関係が厳しく、順位闘争に負けたものは群れを追い出されたり、殺される場合もある、といわれます。オオカミを野生に近い「群れ飼育」する以上、野生同様の悲劇が起きる可能性を否定できないのです。

 オオカミは寿命が短く、子はどんどん成長する一方、親はどんどん年老いていく。いつか力関係が逆転したときにどうなるか?前足に後遺症が残るマースの事は特に気がかりでした。

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頂上に立つマースと子供たち

 しかし結果的にはケンもマースも天寿を全うし、心配したような闘争はありませんでした。おっとりした性格のマースは早々にαメスの地位から陥落しましたが、隠居オオカミ?として群れでの居場所を見つけたようでした。

 オオカミの群れは決して「仲良しファミリー」などと綺麗事では語れない。けれども、残酷なだけでもない。本やネットの知識だけではわからない、オオカミ社会の奥深さをケンとマースから学びました。

 マースの一生を見届けたことで、怪我をさせてしまったマースに少しでも償うことができていたら嬉しく思います。

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旭山での一生は幸せなものだったかい?

 オオカミ担当は自分の飼育係人生で大きな転機となりました。ケンとマースから学んだ多くの事をこれからの担当動物に活かし続ける限り、彼らは僕の中でいつまでも生き続けてくれる、そんな気がします。

(アフリカ水槽・???担当:大西 敏文)

(仮称)えぞひぐま館ができるまで part4~いよいよ地上へ~

進捗率38%

 長い冬の間の工事が終わり、地下部分からいよいよ地上部分の工事に移り変わってきました。

 いつも写真を撮っている定点部分から見ると、徐々に施設の全景がわかるようになってきてます。
 今回は完成模型とあわせて、館内の部分を紹介していきます。

 『(仮称)えぞひぐま館ができるまで』のトップページはこちら

全景の移り変わり(ちんぱんじー館屋上から撮影)

2月
 2月の様子
 ブルーシートで養生しながら、基礎工事が進められています。
3月
 3月の様子
 コンクリートが流されました。
 手前側は掘削され、この部分の基礎工事も進められます。
4月
 4月の様子 
 雪が溶けてなくなり、養生が外されました。
 一気に地下部分の基礎が姿を現しました。
5月
 5月の様子
 地下部分の基礎工事が終わり、いよいよ地上部分まであがってきました。
 これからどうなっていくか楽しみになってきました。

館内入口部分の様子

模型4-1
 完成模型
 館内入口部分(右の通路)は、写真のようになります。
 屋外放飼場のサブ放飼場が入口のすぐ横にあります。
4-1
 工事現場の様子
 足場などが複雑に組まれていますが、入口部分の雰囲気は出てきました。
 これからコンクリートが流されます。

館内通路部分の様子

模型4-2
 完成模型
 写真のように通路と大きな窓が数枚あり、屋外放飼場が観察できるようになっています。
4-2
 工事現場の様子
 こちらも型枠などが複雑組まれているのですが、右側が窓になる部分ですので、雰囲気は出てきています。

屋内放飼場部分の様子

模型4-3
 完成模型
 通路を出ると吹き抜けになっており、屋内放飼場が見える部分です。
 この先を進むと出口に向かいます。
4-3
 工事現場の様子
 足場などで少しわかりにくいですが、形は見えてきております。この部分もこれからコンクリートを流していきます。
現在までの工事の状況説明(完成予想図から)
完成予想図4
 今回紹介した部分は、完成予想図の赤く囲った部分あたりになります。
 工事が地上部分へ移り変わりましたので、今後はさらに施設全体が見えてくることと思います。

今回はここまでとなります。前回から約4ヶ月間、更新があいてしまいましたが、今後はもう少し更新の頻度をあげていく予定です。楽しみにお待ちいただければと思います。

『(仮称)えぞひぐま館ができるまで』のトップページはこちら

【扉いろいろ】

 動物園の飼育員にとって最も重要な仕事の一つに獣舎のカギの管理があります。飼育動物はさまざまですが、いわゆる猛獣や大型類人猿など危険な動物もいます。これら人間にとって危険な動物の場合は、カギのミスが飼育員をはじめとする人命を危険にさらす、重大な事態に繋がってしまいます。もちろん小型、中型の動物であっても逃がしてしまわないよう、常にカギの管理は徹底しています。

 カギの重要性はみなさんにとっても分かりやすいと思いますが、今回はそのカギを掛ける対象、つまり獣舎の扉について紹介していきます。

 各獣舎には飼育員が作業で出入りするための扉が必ずあるのですが、この扉は獣舎ごとに違います。扉にカギを掛けるのは安全管理として当然ですが、カギをしっかり掛けたとしても扉自体が破壊されてしまっては元も子もありません。動物によって扉の強度が違うわけです。猛獣系にはがっちりした扉が必要ですが、力の弱い小型の動物ならばそこまでの強度は必要ありません。

 例として3つの扉を紹介します。

1 

 1つ目はカラスの扉です。

 カラスは知能が高く、器用で、目も非常に良いので、カギをかけ忘れると自分でかんぬきを外して扉を開けてしまう恐れすらありますが、力は弱いです。扉は軽めでさほど強度は高めておらず、かんぬきは1つです。

2 

 2つ目はライオンやトラの寝室扉です。

 大きく重く頑丈で、かんぬきは2つです。彼らが扉に全体重でのしかかったり、勢いをつけて体当たりしたり、ヘビー級ネコパンチを繰り出したとしてもびくともしない強度に作られています。

3 

 3つ目はオランウータンの寝室扉です。

 オランウータンの獣舎は元々ゴリラで使われていたもので、ゴリラに次ぐ大きさとパワーを持つ大型類人猿オランウータンも同程度の扉強度が必要と考えられます。

 オランウータン用の扉はホッキョクグマ、ヒグマの扉と並んで現在の旭山動物園で最も強靱な扉の1つです。

 非常に重くゴツゴツしており、かんぬきは3つです。

 動物のもつパワーや体重、危険度でいえば、オランウータンよりもトラ、ライオンの方が上です。しかし扉の強度的に言えばオランウータンの方がよりゴツく、強力につくられているように見えます。かんぬきの数も多いです。

 これには理由があり、扉の強度は動物の体重やパワーだけで無く、「扉に対してどのような力を加えることができるのか」も含めて考えなければならないからです。

 トラやライオンのパワーは恐るべきものですが、扉への力のかかり方は限定的です。大抵はグーっと押されるか、大きな衝撃がドンとくるかのどちらかでしょう。

 しかしオランウータン(チンパンジーも同様)の場合は全く違ってきます。

 人間とは桁の違うパワーで扉を押す、引く、たたきつける、ガンガン前後に揺らすなど、扉にかかる力の向きは実質360度で、瞬間的な大きな衝撃もあれば、小刻みに衝撃を与え続けられたりと非常に多彩です(実際にやるかどうかは別として、それが可能であるという認識をもつことが安全管理の面で重要)。

 扉は金属製なので、こわいのは金属疲労の蓄積、その蓄積という面で大型類人猿が扉に与える力は驚異で、十二分な扉強度が必要になるわけです。

 ということで今回は扉に着目してマニアックな話をしましたが、次はもっとマニアックな話のネタをなにか考えておこうと思います。

 それでは!

オランウータン・北海道産動物(草食系・野鳥系)担当:中野 奈央也)

ゴマフアザラシが4頭移動しました

 5月25日に、あざらし館にいるゴマフアザラシ「ちょぼ(オス:2014年うまれ)」、「まくろ(メス:2017年うまれ)」、「だいず(メス:2019年うまれ)」、「あずき(メス:2019年うまれ)」の4頭が、4月に来園したヤギ2頭との交換で移動していきました。

 今回の移動であざらし館にいる頭数は6頭となり、頭数は減ってしまいましたが、今後も繁殖をしっかり目指していきます。

移動前アザラシ
移動前のゴマフアザラシたち
1頭ずつ
1頭ずつ箱に入れ、トラックに積み込まれました