ゲンちゃん日記・令和4年2月「地元に根を張った動物園に」

最終更新日 2022年2月19日

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ゲンちゃん日記・令和4年2月「地元に根を張った動物園に」

こ(1/23ホッキョクグマの子ども)

年が明け2月、そろそろ春が待ち遠しくなる時期ですね。
えぞひぐま館(仮称)は、建物が完成し、今は掲示物の作成などオープンに向けて着々と準備を進めています。知床財団の掲示ブースの制作物は、知床自然センターで鋭意制作中なので、完成が今から楽しみです。えぞひぐま館は、今までの施設から一皮も二皮もむけた次世代の施設。「保全のプラットホーム」を具現化していますので、乞うご期待!
それにしてもオミクロン株…。またも一寸先は闇の中です。雪あかりの動物園は、果たして実施できるのでしょうか。この先、ホッキョクグマの子が無事に成長してお披露目となったときに、手放しで「見に来てね」とは言えない状況なのでは?下手をすると、混雑回避のために、ほっきょくぐま館エリアの封鎖等も検討しなければならないのでは?とマイナス思考になってしまいます。

そんな中、旭川東高校の生徒が、クラウドファンディング「旭山動物園応援プロジェクト」を立ち上げてくれました。旭山動物園をコロナ禍から救い、もっと動物たちと人をつなぎたい!という思いで、支援を広く呼び掛けてくれています。もう、涙が出るほどうれしいです。地元の学生が、わがまちの動物園の危機を「自分事」として捉え、力になりたいと考えてくれた気持ちが、ひしひしと伝わってきます。正直、運営面でもかなり危機的な状況に追い込まれているので、とてもありがたいです。
動物園の役割は、動物たちの素晴らしさや命の尊さを感じてもらうことだと考えています。観光地のイメージが定着した旭山動物園に、危機感をずっと抱いていましたが、コロナ禍で地元からの来園者が戻ってきています。今一度、地元に根を張った動物園としての顔を取り戻すチャンスだと前向きに捉え、夏期開園に向けて準備を始めます。

                                    令和4年2月19

                                    旭山動物園 園長 坂東 元