ゲンちゃん日記・令和4年1月「引き継がれる命のバトン」

最終更新日 2022年1月14日

ページID 074604

印刷

ゲンちゃん日記・令和4年1月「引き継がれる命のバトン」

産室

(ホッキョクグマ産室の様子)

新しい年を迎えることができました。皆様はどのようにお過ごしでしょうか。

 この手紙を書いているのは12月中旬です。雪の便りはいつになるのかと心配していたら突然の吹雪です。日中溶けてツルツル路面は本当にいやなのでもうしっかり積もって下さいって感じです。今年(2021年)はキリンの放飼場に降った雨や溶けた雪が夜中に凍りスケートリンク状になって、キリンを放飼場に出せない日が数日続きました。こんなことは初めてのことでした。

 今年は昨年にも増してコロナの影響を受けました。そんな中でも様々な新たなイベントなども行ってきましたが、どこかブレーキを踏みながらの状況の中、やりきった感が希薄でもありました。来年はいろいろとやりきった!と言える年にしたいですね。と言うかやりきれる状況になっているといいですね。

  さて昨年はアミメキリンの出産で年の瀬を迎えました。今年はホッキョクグマの出産で年の瀬を迎えています。ホクトとピリカのペアでの繁殖です。順調に生育すると旭山動物園としては実に40年ぶりのこととなります。

 覚えておられる方もいらっしゃると思いますが、当園で飼育していたシロウとユキの間で生まれた、片腕のコロが日本の動物園で初めて繁殖・成育に成功した個体でした。当園ではコロの妹に当たるハッピでの繁殖・成育を目指しましたが実現はしませんでした。ただコロの弟に当たるダイが他園に行き、そこで繁殖に成功しています。現在当園にいるルルになります。円山動物園のララとは双子の姉妹です。そして今回繁殖に成功したのが、ララの子のピリカと言うことになります。シロウとユキの代から数えると玄孫(やしゃご)と言うことになります。コロ誕生から40年繁殖に向けて様々な取り組みをしてきました。旭山動物園で生涯を閉じた個体は8頭になります。

  命のバトンが引き継がれていることを改めて実感しています。そして旭山動物園もこれからもこの地で存在し続けていかなければいけない使命を改めて覚悟し新たな年を迎えたいと思います。

                                    令和4年1月14

                                    旭山動物園 園長 坂東 元