ゲンちゃん日記・令和3年9月「どんなときも、動物たちの変わらない日常を伝えるために」
(躍動感あふれるパフォーマンスの様子を動画で配信中!)
暑い夏が終わり、秋の気配を感じます。
先月、市内高等学校交流事業として「動物墨画パフォーマンス甲子園」を初めて開催し、6校7チームが参加しました。動物や動物が棲む環境への関心を高めてほしいと思い、旭山動物園での事前学習も行いました。「動物と書」をどのように融合させ、表現するのか?そして迎えた当日、高校生の迫力あるパフォーマンスに圧倒されてしまいました。コロナ禍のため多くの制約を設けての開催となり、本来の交流事業はできませんでしたが、パフォーマンス後の学生たちのやりきった笑顔がとても印象的でした。多くの方に協力・協賛していただき、実現できたことに心から感謝します。
開園時間を延長して、夜の動物園も開催することができました。最終日、オオカミの遠吠えが終わった後、誰からともなく拍手が湧き起こりました。初めて目にする光景で、来園者は、かっこよかった!感動した!と目を輝かせていました。コロナ禍で閉塞感が強まる中、動物の凜とした姿が来園者の心に届いたのかな、と感じます。
この手紙が届く頃、旭山動物園は臨時休園しているのではないかと思います。新型コロナウイルス感染症の対処には、これからも試行錯誤する日々が続くのだろうと考えています。開園していても休園していても、旭山動物園は動物
たちの変わらない日常を伝える努力を続けていきます。今は皆さんの心の支えの一助になることができれば、という思いを持ち、飼育動物たちと向き合う日々を送っています。
令和3年9月16日
旭山動物園 園長 坂東 元